内容説明
軍と財閥のバックアップにより、国家の威信を懸けて創刊されたグラフ誌『FRONT』。時代を超越した驚異的なクォリティーと完成度を誇り、後に伝説となるこの対外宣伝誌は参謀本部の肝煎りで設立された東方社が編集・制作を行なった。その写真部に在籍したカメラマンが菊池俊吉である。本書は満州に創設された戦車学校の教導戦車隊の演習状況をメインに、代々木練兵場における陸軍観兵式、記念行事の折りに行なわれた戦車隊の銀座パレードなどを収録。菊池俊吉がテクニックの限りを尽くして撮影した約150点の写真をネガナンバー順に一挙掲載。旧日本軍の戦車や軍用車両とそれを扱う兵員の生き生きとした姿と撮影時の状況を鮮やかに再現する。
目次
1 満州・公主嶺における教導機甲部隊―昭和17年9月、関東軍第530部隊(連隊規模の戦車隊による機動訓練;集団による不整地機動演習 ほか)
2 関東軍第170部隊―昭和19年、満州における撮影(平原の機動九〇式野砲中隊と観測挺進車;九七式中戦車(新砲塔チハ)の機動 ほか)
3 東京・代々木練兵場―昭和17年4月29日、陸軍観兵式(陸軍観兵式における観閲パレード;中判(6×6)カメラによる影撮)
4 銀座の戦車パレード―東京における記念行事と戦車隊(“航空日”の代々木練兵場パレード;大東亜戦争開戦一周年の銀座行進 ほか)
著者等紹介
菊池俊吉[キクチシュンキチ]
大正5年、岩手県花巻市生まれ。昭和13年、東京光芸社写真部に入社。報道写真家への道へ。昭和16(1941)年、東方社・写真部へ入社、翌年2月創刊の『FRONT』写真スタッフとして参加。昭和20年、旧文部省原爆災害調査団の記録映画班に同行、被爆後の広島を撮影。翌年、木村伊兵衛らと文化社を設立。焼け野原の東京を写した『東京1945年・秋』を出版。科学雑誌『自然』創刊から関わり、科学分野の写真に携わる。昭和26年以降、『世界』『中央公論』『婦人公論』などに写真を発表。昭和61年、歴史的資料となる『銀座と戦争』『昭和の歴史』などの写真集に作品が掲載。平成2年11月、急性白血病により死去。享年74
北川誠司[キタガワセイジ]
昭和38年、埼玉県生まれ。京都市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 緋が走る 15巻