内容説明
1941年に米国で設計されたM3中戦車は、旧世代からM4シャーマンへの「橋渡し」を見事に果たした。武装配置がフランス戦車のように変則的なものになったのは、砲塔の鋳造施設がまだ整っていなかった時代のなごりである。M3の米軍型がリー、英軍型がグラントと呼ばれたのは、イギリスへのレンドリース供与の必要性から2種類の砲塔が設計されたためである。その主砲はドイツ戦車の装甲を貫徹可能で、特に榴弾の火力は、アフリカでドイツ軍の小目標、とりわけ対戦車砲の脅威にきわめて有効なことを証明した。本書はその設計、開発史、戦歴、そして第二次大戦中に各国陸軍の屋台骨を支えた、さまざまな派生型について解説するものである。
目次
M3中戦車とは
中戦車の黎明期
M3中戦車の誕生
M3戦車のバリエーション
実戦デビュー:イギリス第8軍
実戦デビュー:アメリカ第1機甲師団
東部戦線での戦闘記録から
アジアと南北アメリカ諸国のM3中戦車
M3の派生型
著者等紹介
ザロガ,スティーヴン・J.[ザロガ,スティーヴンJ.][Zaloga,Steven J]
1952年生まれ。ユニオン大学で歴史学の学士号を、コロンビア大学で修士号を取得。装甲車両の歴史を中心に、現代のミリタリー・テクノロジーを主題とした多数の著作や記事を発表。第二次大戦での旧ソ連および東欧諸国のAFV研究家として知られ、また米国の装甲車両についても造詣が深い
ジョンソン,ヒュー[ジョンソン,ヒュー][Johnson,Hugh]
豊富な経験とすぐれた才能をもつフリーのCGイラストレーター。英国サリー州エプソム在住
平田光夫[ヒラタミツオ]
1969年、東京都出身。1991年に東京大学工学部建築学科を卒業、一級建築士の資格を持つ。2003年『アーマーモデリング』誌で“ツィンメリットコーティングの施工にはローラーが使用されていた”という理論を発表、模型用ローラー開発のきっかけをつくり、現在は同誌で海外モデラーのレポート翻訳を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。