内容説明
KV重戦車はソ連邦国防人民委員クリメント・ヴォロシーロフ元帥にちなんで名付けられ、その火力と重装甲でドイツ軍を恐れさせたが、過大な重量と懸架装置の機械的信頼性の低さという弱点をもつ戦車でもあった。本書は第二次大戦以前のT‐35多砲塔戦車からKV重戦車、さらに最強のスターリン・シリーズにいたる、ソ連重戦車デザインの変遷を追い、KVシリーズの戦歴と派生型を解説。戦前の戦車設計理論にはじまり、フィンランド冬戦争でソ連重戦車が実戦で経験した諸問題に触れ、さらに独ソ戦開戦時のドイツ側の反応と、当時のソ連軍の実情を、KV重戦車の戦闘記録から紹介。開戦時の大打撃を乗り越えて復活をとげる赤軍戦車部隊に配備されたKV重戦車の改良型と派生型が、最後の舞台となるクルスクの戦闘でティーガーIと戦うまでを収めた、第二次大戦前半期のソ連重戦車史である。
目次
計画と開発
KV‐1の内部構造と改良
戦歴
装甲の改良
派生型
戦術上の問題
著者等紹介
ザロガ,スティーヴン[ザロガ,スティーヴン][Zaloga,Steven]
1952年生まれ。装甲車両の歴史を中心に、現代のミリタリー・テクノロジーを主題とした20冊以上の著作を発表。旧ソ連、東ヨーロッパ関係のAFV研究家として知られ、また、米国の装甲車両についても著作がある
キニア,ジム[キニア,ジム][Kinnear,Jim]
1959年グラスゴー生まれ、1982年アバディーン大学卒。ソ連およびロシアにおけるAFVの兵器システムと輸送用車両についての著作がある
サースン,ピーター[サースン,ピーター][Sarson,Peter]
世界でもっとも経験を積んだミリタリー・アーティストのひとりであり、英国オスプレイ社の出版物に数多くのイラストを発表
高田裕久[タカダヒロヒサ]
1959年10月生まれ。千葉県市川市出身。法政大学経済学部卒。専攻はソ連重工業史。1983年より、千葉県市川市にて模型店「MAXIM」を経営。そのほかに模型開発の外注も行い、香港のドラゴンモデルのAFVキットのいくつかを手掛ける。最近は「GUM‐KA」にて、世界水準の国産レジンキット開発を進める
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