出版社内容情報
日系アメリカ人航空研究家が、米国側の資料を参照しながら日米双方の視点で立体的に明らかにする海軍航空隊の死闘。1930年代後半に中国大陸で実戦を経験していた日本海軍航空隊は、その戦術をほぼ完成させ、航空兵器と搭乗員の技倆は、太平洋戦争開戦時において、歴史上いまだかつてみられぬほどに高度なものになっていた。質量とも優勢だった日本は緒戦に勝利を得、零戦を駆って連合軍機と戦う搭乗員から坂井三郎、西沢広義、杉田庄一ら60機を超える撃墜を記録したトップ・エースが生まれた。しかし、連合軍の攻勢に彼ら大空の覇者たちにも、やがて苦闘の日々が訪れる。そして昭和19年秋からはじまった米軍機の日本本土爆撃は、翌20年に本格化。これに対して、零戦とそのあとにつづく紫電、雷電、紫電改、そして夜間戦闘機月光を操る日本海軍のエースたちが、来襲するグラマンF6F、P-51、B-29を相手に、最後の戦いを挑んでゆく。
内容説明
日系アメリカ人航空史研究家が、米国側の資料を参照しながら日米双方の視点で立体的に明らかにする海軍航空隊の死闘。撃墜王たちの活躍に焦点をあてたグラフィック空戦記録。
目次
1章 日中戦争
2章 太平洋戦争初期の戦い
3章 ミッドウェイ
4章 ニューギニア、ラバウル、ソロモン諸島
5章 中部太平洋からフィリピンへ
6章 本土防空戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
7
海軍航空隊の特に有名な戦闘機乗りについて知るのに手ごろ。何機落としたかなどよりも一人一人かけがえのない先人達の記録として接したい。本書に記述のない名搭乗員も多いので、これを切り口に自分で真摯に調べていくのもよいと思う。スコアを見る上で、瞬時に状況が変わる空戦での戦果は正確な判定が困難で日米問わず個人撃墜数は曖昧なものであることをまず踏まえるべき。そして日本海軍にはエースという称号も制度もなく、戦後に発生した好事家・野次馬的な視点で先人たちの命懸けの奮戦をはかるような真似は許されないとも思う。2015/07/12
Thomas51
1
日系3世の米国人航空史研究家ヘンリー・サカイダによる著書。 米国側からの検証による日本海軍エースパイロットの紹介と撃墜数の一覧があったので購入。 本書によると、撃墜数では、一位、岩本徹三 202機 二位、杉田庄一 120機以上、三位、西澤廣義 86機、五位、坂井三郎 60機以上 となっている。2013/06/16