出版社内容情報
ドイツ軍最後の大反撃をドイツ軍側・連合軍側の資料や戦闘に参加した兵士へのインタビュー、数百の写真で詳述。
内容説明
1944年末、ベルギー、アルデンヌ地方では米軍戦線がドイツ側に突出していた。ヒトラー総統は西部戦線での敗勢を一挙に挽回せんと、この地方での反撃作戦立案。ドイツ軍最後の戦略予備兵力を結集、乾坤一擲の大反撃作戦を開始した。極秘裡に準備された反撃に米軍は恐慌状態に陥り、ドイツ軍戦車先鋒は米軍戦線奥深くへと侵入していった。著者ジャン・ポール・パリュは膨大な資料を調査、多数の元兵士にインタビュー、また戦場となった現地を丹念に調査、併せて写真多数を駆使してこの戦いの全貌を克明に再現した。
目次
第1部“ラインの守り”(主導権奪還への決断;作戦計画;攻撃部隊の条件;装備および秘密保持命令;攻撃命令 ほか)
第2部“突破”(第6戦車軍;“シュテッサー”作戦;SS第1戦車軍団:エンゼルボルン峠;前進路C:SS第12戦車師団;“グライフ”作戦;SS第1戦車師団:パイパー戦闘団 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.Sakurai
2
バルジの戦いはベルギー南部が舞台で,要するに田舎.鉄道もほとんど通っていない.自動車の運転が苦手なので,実際に訪れることはなかったが,最近になって輪行するようになって「自転車にはぴったり」と気がついた.そこで2012年6月に実際に訪れてみた.その際にもっとも役に立ったのが本書.もともと「AFTER THE BATTLE」誌向けの記事が元になっているので戦史跡を訪れるフォーマットは聖地巡礼者向けだ.取材が1980年ころだから,それからも30年も経っている.大きく変わっているところもあれば,30年前どころか72012/05/18
Chi-ha-ru
1
「国民」擲弾兵師団や「自転車化」(タイプミスではありません)擲弾兵大隊 といった名称が「ドイツ最後の大攻勢」といった感をそそる。 バルジ戦当時と出版時における比較写真で 多くの建物がほとんどそのままなのには驚かされる。 (といってもさらに30年たったが!) 多くの写真の中でも とくにマルメディにおける偽装パンター/M10の写真は必見。 ただしドイツ軍の編成図は一般的なNATO式ではなく 当時のドイツ軍の兵科記号を使用しているため、非常に難解。 逆を言えばこれらが分かる人は相当のマニアか専門家でしょう。2015/01/07