感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ノンケ女医長
11
読んでる途中で気づいた。「厄介で関わりたくない」と称された当事者が作品を読むことも、意識せざるを得なかったのではと。紹介される対応は、当たり障りなく、誰にでも実践可能そうなものが大半。日々、胃痛や不眠に悩まされながら診療に従事する方々にとっては、だいぶ物足りないと言わざるを得ない。重複する説明もあるし、時間をかけて丁寧に対応するのは、理想に過ぎない。1分1秒を争い、一定の治療満足度と職員の安全性を担保する側にとって、参考となる記述は少ないように感じられた。疾患概念等、行政への勉強会にはいいのかもしれない。2023/04/23
Asakura Arata
6
私の依存症臨床の師匠の最新本。精神科臨床全般に話を広げた内容。患者さんをリスペクトして信頼関係を築き同じ高さで付き合っていかなければ、治癒回復はないという主張は、そのとおりだと思う。師匠と一緒に働いている時飲み会で、医者になる直前のアジア旅行の話を面白おかしくしてくれたが、その時の経験が現在の臨床の考え方に色濃く影響していることが再認識できた。2021/05/30
young
2
「厄介で関わりたくない患者の治療的対応のコツは、治療者が「厄介で関わりたくない患者だと思わないこと」である」ーこう語る筆者の優しさを強く感じる。苦手意識を感じる患者さんは精神科に限らない。説明のつかない行動をとる患者さん、暴力的な言動を示す患者さん。様々である。しかしその背景を考えようとしたことがあるのか、つながりを持とうとしているのかーもう一度自分の診療スタイルを見つめたくなる、そんな一書である。2022/05/29
WICCA
1
参考になるかな〜と思って読んでみたけど、わりと当たり前のことしか書いてなかったという印象。ケーススタディ的なところは充実してるので、ケースで行き詰まったら手に取ってみるのに向いてるかも。2022/07/31
みみこ
1
人の中でついた傷は人の中でしか癒せないし、それにはとても時間がかかる。学校のように期間が限られている場ではどのようにしていけば?自分に与えられた期間の中で精一杯つなかまり、次に出会う人の中に良い人、素敵な人が現れることを願って託していくしかない。2022/06/26