ケアとまちづくり、ときどきアート

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ケアとまちづくり、ときどきアート

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  • サイズ A5判/ページ数 240p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784498057302
  • NDC分類 492.9
  • Cコード C3047

出版社内容情報

急速な高齢化に伴い,緩和ケア・福祉の需要が増加傾向にあるなか,医療者が病院内で患者に接する時間は限られている.今のままでは患者の苦痛を取り除くことはできないと,はがゆい思いを抱えている医療者は少なくないだろう.現在,その解決方法として注目されているのが,社会的手法である.キーワードは「まちづくり」と「アート」.これは,近い将来日本の緩和ケアを救うかもしれない,新しいバイブルである.

はじめに


「医療者は病院を出よう!」
「地域で介護を実践しよう!」
「福祉にアートを!」

 近頃、医療・福祉業界にいると、このような言葉をよく目にする。実際、病院や福祉施設という閉塞的な空間で、業務の枠に縛られ、時間的な余裕もなくケアが行き届かない現場に対して、もどかしい想いを持つ医療者も少なくない。そんな現状に対する不満が「病院を出て、地域でヘルスケアを実践していくんだ!」という医療者の動機を高めているのかもしれない。コミュニティナースとして街に出ていく看護師、まちなかで屋台を押す医師、駄菓子屋を併設する介護施設が次々と現れている。
 「ケアとまちづくり」ブームが迫ってきているのだ。多くの医療福祉関係者が地域に注目し始めている。一方で、東京一極集中の是正のため、地方創生の名のもとに、全国各地で地域活動やアート活動が盛り上がってきていることは、医療福祉関係者がまちに出てくるのを歓迎してくれる雰囲気がある。
 さて、どうすればいいだろうと、私たちは考える。まちなかで健康教室を開催すれば、診察室よりも時間をかけて丁寧に患者さんにアドバイスをすることができるんじゃないだろうか。「暮らしの保健室」のような、まちの相談所を開けば、病院には行きづらかった人が健康相談に来てくれるんじゃないだろうか。そんな「ケアとまちづくり」で、住民の幸せもケア従事者の貢献意識も満たすことができるのではないか。
 でも、実際には「その一歩」を踏み出すことが難しい。そして勇気を出して新しいことを始めるべく「聖なる一歩」を踏み出せたとしても、その先どう歩いていけばいいのかが悩ましい。良かれと思ってまちなかで活動を始めるも、地域に受け入れられずに、挫折していく医療者もいる。
 医療者が地域に出るときに、何を心がければいいのだろうか。どこにつまずきやすいポイントがあるのだろうか。
 この本は、地域に医療福祉関係者が出ていくことの意義を考え直し、地域に出ていくにあたって、ちょっとした手助けになるような本である。「まちに出ていきたい」と考える医療・福祉関係者は地域の貴重な資源になりうる大切な存在である。つまずく!とわかっているあからさまな石ころに足を取られて、地域から退場してほしくはない。この本を傍らに置くことで、「つまずかずに済むための考え方とは?」というようになってほしいし、「まちに興味はあるけど、どうやって出ればいいのか」という方の背中を押す力になる本でありたい。本書の中にはたくさんの事例が出てくるが、なかには「こんな取組みをしていかなければならないのか……」と気おくれしてしまう例もあるかもしれない。一方で「これだったら私にもできるかも……」という例もある。まずは小さく、取り組みやすいところからまちに入っていってほしい。まちの中に医療・福祉関係者が普通に「いる」未来がくることを願っている。


二〇二〇年四月
公立豊岡病院組合立出石医療センター 医師    守本陽一
株式会社ReDo 代表取締役 藤岡聡子
川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター 医師    西 智弘


※用語として、本書で扱う「コミュニティ」とは、人と人とがつながりあい活動していく「集団そのもの」、を指しており、「ネットワーク」とは個々人またはコミュニティ同士の「つながりそのもの」、もしくはつながり合った総体としての「網目状(Web状)の連帯全体」を指す言葉として用いている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夏紀

9
noteで有料マガジンをすでに買っていたので読み始めてすぐは「同じ内容か〜」と思ったけれど、プラスして新たなことも書かれていたので結果としては良かったかな。医療の側からの実験で立証されていることや数字で見えることは、ありがたい情報だった。どうしても設計提案の時に〇〇になると思う、ってあやふやなことしか言えないから、それを補強できる情報として自分の中に蓄えていければいいな。2020/08/28

Yuko

8
<ケア従事者がまちに飛び出したり、病院や介護施設を地域に開いたりして、まちづくりの文脈の中でケアを展開していく活動を取り上げ、その考え方や事例を紹介する。「note」連載のマガジンを再編集し書籍化。>2020年 西 智弘さんのお話を聞く機会があって手に取った。終末ケアや、社会的孤立を解消するための社会的処方という考え方、イギリスにおける「リンクワーカー」の実践例など参考になる。 「暮らしの保健室」の事例や、「長崎二丁目家庭科室」の藤岡聡子さん、YATAI CAFEの森本陽一さんらの話も興味が尽きない。 2020/11/08

しゅんぺい(笑)

3
社会的処方の話がめちゃくちゃおもしろかった。こういうことやりたいねんなあって、ど真ん中に来た感じ。2021/03/12

とある内科医

3
「社会的処方」に次いで、圧倒的な本。病院勤務の普通の医者とは視座が全く異なる。医療者は全員、まちの人たちも全員、つまりあらゆる人が読んだら世の中は少しずつ良くなるかもしれない。2020/07/15

yyhhyy

2
医療従事者に近い側の人が、社会的処方を自分もやってみよう、と思ったときに参考に手に取るような本。事例や注意ポイントが載っている。アートとタイトルにあるがそちら側の言及は多くないが、事例にいくつか入っている2023/03/21

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