外科栄養・代謝管理ハンドブック (第3版)

外科栄養・代謝管理ハンドブック (第3版)

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  • サイズ A5判/ページ数 234p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784498050242
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 外科における輸液,栄養,代謝管理に必要な知識,データ,チェックポイント,処方,注意事項などを全て箇条書,表,チャートで簡潔にまとめた大変便利な書である.水,電解質,酸塩基平衡の異常とその対策,各種疾患や手術,術前,術中,術後における管理,輸血,栄養管理等々,どの頁を開いても,本領域の背景にある膨大な情報から抽出された珠玉のデータの得られるベッドサイド必携として是非おすすめするものである. 監修のことば  近年の外科の発展は患者の周術期管理の進歩に負うところが大きい.そしてこの進歩は高齢者や合併症をもった患者の手術数の増加をもたらし,このような患者の手術ではますますきめ細かい注意が必要となってきている.  手術という侵襲によって患者の代謝・栄養面でのバランスがくずれ,これが術後の合併症の大きな原因のひとつになるので,この術後の代謝・栄養の変動に対し如何に対処すべきかが患者の全身の管理の上で最も重要な課題となる.  しかし,術後の代謝の変動はそう簡単なものではなく,また各個人により異っており,その全体像を理解することは必ずしも容易でない,とくに臨床の場においては具体的な対策を短時間のうちにたてる必要があり,このためには術後の代謝についての病態生理学の基本を日頃から充分に理解しておく必要がある.一方において,一応の基礎知識があっても,具体的対策となると,薬剤名とか数量とかが必要となり,一般の人はこのような細かい事を一々正確に覚えていられるわけではないので,どうしても具体的なことになると書に頼らざるをえず,とくにこのような内容のハンドブックがあると便利である.  本書はこのようなハンドブックをめざして書かれたもので,外科臨床実地において,すでに或る程度の知識と経験をもった研修医や外科医を対象に,外科患者代謝・栄養管理の具体策を簡明に示したものである.  前述したように,起りうる患者の状況は各個人によって様々で,それら一つ一つについての対策を書くとなるとその内容は莫大・複雑となり,読者にとってはかえってわかり難くなり,また不便となる.とくにこの種のハンドブックでは,過不足ない記述をすることが難しく,また複雑な状況を要領よくまとめることが最も骨の折れることで,従来いくつか出版されている書で満足しうるものはごく少ないといえよう.  本書は,長年にわたりこの方面の研究に取り組んできた教室の斎藤英昭先生が中心となりその労をとり完成されたものえ,全体として豊富な内容がきわめてよく整理されており,また正確で緻密な記述で最新の知見に充ち,過不足なき内容が集められ読みやすくなっている.  実地臨床に従事しておられる先生方が常時側において利用するのに最適の書となったと思う.お役に立てば幸甚である. 1990年9月 東京大学第1外科教授 森岡恭彦    《目次》 目次 1章 外科における輸液・栄養・代謝管理 1 1.外科における輸液・栄養・代謝管理 2 2章 水分・電解質異常とその管理 3 2.水分・電解質異常の病態チェックポイント 4 3.水分・電解質異常の問診チェックポイント 4 4.水分・電解質異常の病状チェックポイント 5 5.水分・電解質異常に必要な臨床検査 5 6.輸液療法の原則 6 7.水分・電解質の維持量 7 8.体液欠乏 脱水症の原因病態と開始輸液 8 9.細胞外液欠乏と水分欠乏の症状と治療 9 10.水分欠乏量の推定法 10 11.バランスシート 12 12.消化管液の1日分泌量と電解質濃度 12 13.Third spaceへの喪失液 13 14.脱水症の輸液投与の実際 14 15.体液過剰の原因病態と治療原則 16 16.体液過剰の症状 17 17.細胞外液量過剰の治療 17 18.水分過剰の評価 18 19.水分過剰の治療 18 20.浸透圧異常 19 21.低Na血症 20 22.低Na血症の原因 20 23.低Na血症の治療 22 24.術後の低Na血症の治療 22 25.高Na血症 23 26.高Na血症の原因 23 27.高Na血症の治療 23 28.低K血症 24 29.低K血症の原因 24 30.低K血症の症状と所見 25 31.低K血症の診断 25 32.K欠乏量の推測法 26 33.低K血症の治療 26 34.高K血症 27 35.高K血症の原因 27 36.高K血症の症状 28 37.高K血症の診断 28 38.高K血症の治療 29 39.低Mg血症 30 40.高Mg血症 31 41.低Ca血症 32 42.高Ca血症 33 43.低Cl血症 34 44.高Cl血症 35 45.低P血症 36 3章 酸塩基平衡異常 37 46.血液ガスからみた酸塩基平衡異常の診断 38 47.代謝性アシドーシスの病態と診断 39 48.アニオンギャップ 40 49.代謝性アシドーシスの治療 41 50.乳酸アシドーシス 42 51.代謝性アルカローシスの病態と原因 43 52.代謝性アルカローシスの診断と鑑別 43 53.代謝性アルカローシスの治療 44 54.呼吸性アシドーシス 45 55.呼吸性アルカローシス 46 4章 輸血 47 56.輸血の目的 48 57.血液製剤の種類 48 58.全血輸血の特徴と適応 49 59.新鮮血の特徴と適応 50 60.赤血球濃厚液の性状と適応 50 61.急速多量出血時の輸血法 52 62.術中輸血 53 63.自己血輸血 54 64.濃厚血小板液(多血小板液) 54 65.新鮮凍結血漿の適応 56 66.新鮮凍結血漿の投与量と副作用 57 67.輸血の副作用 58 68.血液型不適合輸血 60 69.アルブミン製剤の適応 61 70.アスブミン製剤の投与法 62 71.代用血漿 63 5章 栄養管理 65 72.外科臨床での栄養管理の原則 66 73.栄養と代謝の評価法 66 74.病歴からみた栄養評価 67 75.身体所見からみた栄養評価 68 76.人類学的計測による評価法 70 77.生化学検査による評価 修飾因子 71 78.血中蛋白の特徴と評価 71 79.窒素平衡 72 80.尿中3メチルヒスチジン排泄 73 81.血中アミノ酸分析 73 82.免疫機能による評価法 74 83.間接熱量測定による代謝の評価法 75 84.栄養不良状態評価のまとめ 76 85.術前栄養評価からみた手術危険度の予測 77 86.術前栄養管理の原則 79 87.術後栄養管理の原則 80 88.外科侵襲時の時間的経過からみた栄養管理 81 89.外科ストレス時の栄養管理法 82 90.算出すべきカロリーと栄養成分 83 91.投与必要カロリー量の決め方 83 92.基礎代謝量(BEE)による方法 84 93.間接熱量測定によるエネルギー必要量の決定 86 94.糖質の投与法 投与量 87 95.糖質の投与法 糖質の質 88 96.蛋白質・アミノ酸の投与 88 97.蛋白質・アミノ酸の投与 必要量と質 89 98.高濃度BCAA含有アミノ酸製剤 90 99.脂肪の投与の目的と投与量 91 100.脂肪の投与法 92 101.必要エネルギーと栄養成分のまとめ 93 102.ビタミンの投与 94 103.ビタミンの投与法 95 104.微量金属 96 105.水分・電解質の投与 97 106.栄養投与経路の決定 98 107.経静脈栄養と経腸栄養の比較 99 108.ASPENの経静脈,経腸栄養のガイドライン 100 109.栄養投与ルートの選択 101 110.経静脈栄養の適応と禁忌 102 111.静脈栄養法の選択 102 112.末梢静脈栄養法 103 113.中心静脈栄養法の適応と禁忌 104 114.中心静脈栄養法の実際 105 115.市販栄養輸液剤からのカロリー,電解質,窒素量,輸液速度の算出法 106 116.市販の高カロリー基本液を使用した調整法(1) 108 117.市販の高カロリー基本液を使用した調整法(2) 109 118.市販の高カロリー基本液を使用した調整法(3) 110 119.市販の高カロリー基本液を使用した調整法(4) 111 120.市販の高カロリー基本液を使用した調整法(5) 112 121.市販の高カロリー基本液を使用した調整法(6) 113 122.高カロリー輸液剤への薬剤混注 114 123.高カロリー輸液の代謝合併症対策 115 124.高カロリー輸液患者の肝機能異常 117 125.経腸栄養の適応とルート 118 126.経腸栄養剤の分類 119 127.経腸栄養剤の選択 120 128.経腸栄養投与の実際 121 129.経腸栄養法の合併症と対策 123 130.在宅中心静脈栄養法home parenteral nutrition(HPN) 124 131.在宅経管栄養法home enteral nutrition(HEN) 124 132.栄養管理時のモニター 125 133.カロリー・蛋白質摂取効果のモニター 125 134.水分・電解質のモニター 126 135.糖代謝のモニター 126 136.脂質代謝のモニター 126 137.ストレスの程度 127 138.肝・腎機能 127 139.モニターの要約 128 140.栄養管理の期待効果が得られないときの原因と対策 129 141.栄養管理の代謝性合併症 130 6章 外科疾患における輸液・栄養・代謝管理 131 142.管理の基本方針 132 143.外科侵襲患者の病態と補充輸液 132 144.代謝亢進,異化亢進状態での栄養管理の原則 133 145.機械的イレウス 134 146.下痢 136 147.消化管外瘻 137 148.炎症性腸疾患(IBD) 139 149.急性膵炎 141 150.乳び瘻 144 151.進行癌 145 152.敗血症 147 153.重度外傷 150 154.頭部外傷 151 155.熱傷 152 7章 外科手術と輸液・栄養・代謝管理 155 156.食道癌手術 156 157.膵頭十二指腸切除術 157 158.膵全摘術 158 159.小腸大量切除術 159 160.糖尿病併存手術患者 160 161.肝硬変併存手術患者 161 162.副腎皮質ホルモン使用手術患者 163 8章 術前・術中・術後輸液 165 163.術前輸液 166 164.術中輸液 167 165.術後輸液 169 91章 ショックの治療 171 166.ショック 172 167.ショックのプライマリケア 173 168.ショックの緊急輸液 174 169.輸液チャレンジ投与法fluid challenge 174 170.中心静脈圧(CVP)と肺動脈楔入圧(PCWP)の評価175 171.低循環血液量性ショックの診断 176 172.低循環血液量性ショックの輸液・輸血法 177 173.敗血症性ショックの診断 178 174.敗血症性ショックの輸液・輸血法 179 175.Toxic shock syndromeの診断 181 176.Toxic shock syndromeの治療 182 177.心原性ショックの評価 182 178.心原性ショックの治療 183 10章 特殊状態 185 179.腎不全 之・無尿の原因と治療 186 180.急性腎不全の代謝・栄養管理の問題点 188 181.急性腎不全患者の栄養管理 190 182.腎不全での水分,電解質,栄養管理のまとめ 191 183.腎不全での輸液・栄養療法の合併症と対策 192 184.多尿 192 185.呼吸不全の水分・電解質・栄養管理 193 186.肝不全の水分・電解質,栄養・代謝異常の病態 195 187.肝不全の輸液・栄養・代謝管理 196 188.肝不全での分岐鎖アミノ酸投与 197 189.肝不全での水分・電解質・栄養管理のまとめ 198 190.肝不全での水分・電解質・栄養管理の合併症と対策 198 191.心不全の病態 199 192.心不全の輸液・代謝・栄養管理 200 193.心不全での水分・電解質・栄養管理のまとめ 201 194.心不全での水分・電解質・栄養管理の合併症 201 195.糖尿病性ケトアシドーシスの水分・電解質治療 202 196.HHC(hyperosmolar hyperglycemic non-ketotic coma) 203 197.尿崩症の水分・電解質療法 204 11章 中心静脈カテーテル挿入 205 198.中心静脈カテーテル挿入法 206 199.中心静脈カテーテルの刺入経路の利点と欠点 207 200.中心静脈カテーテル注入ラインのケアー 208 201.中心静脈カテーテル挿入の合併症 209 202.リザーバー付埋め込み式カテーテル留置法 210 12章 輸液・栄養製剤 211 203.電解質液 細胞外液補充液 212 204.電解質液 点滴開始液 212 205.電解質液 脱水補給液 213 206.電解質液 維持液 213 207.電解質液 術後回復液 214 208.糖質輸液剤 214 209.血漿増量剤 215 210.電解質補正液・アルカリ剤 215 211.浸透圧輸液剤 216 212.アルブミン製剤 216 213.市販の高カロリー基本液 217 214.10~12%アミノ酸製剤 217 215.特殊アミノ酸製剤 218 216.糖加アミノ酸製剤 218 217.脂肪乳剤 219 218.TPN用ダブルバッグ製剤 219 219.経腸栄養剤の組織 220 13章 付録 221 220.腫瘍電解質の原子量,分子量,mg,mEq,mmol変換 222 221.体表面積ノモグラム 223 参考文献 224 索引 227

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