出版社内容情報
《内容》 子供たちをとりまく食品,栄養事情は近年大きく変わってきているが,本書はそれらをふまえ今日必要とされる正しい小児の栄養学の基本から実際までを平易に解説したものである.健全な成長に必須の栄養学と病気のときの栄養学の両面にわたって述べられているが,とくに育児の面から健全に成長するための栄養学にポイントをおいて解説されている.小児保健,育児相談に関る方々や医療関係者等に広くおすすめする.序文 小児の健全な成長には適切な栄養は不可欠である.しかし不幸にして急性あるいは慢性疾患に罹患し,治療色を摂取しなければならないこともある.そのほか食事には精神的な面でも大きなウエイトを占めている. これまでの栄養の教科書となると必要カロリーとか献立が主となりがちであった.今回の出版の意図は正常な子供が成長していくのに育児の面から栄養をとらえようとしたものである.とは言っても全然病気しないで成長するとは限らないので,病気のときの栄養(食事)についても触れた. この本の対象は主として将来母親や父親となる人,栄養士,医療従事者をターゲットとして食事を作るための必要な知識を得るための教科書である.なお企画から出版までご協力を頂いた中外医学社の荻野邦義氏,構成から校正まで援助してくれた伴侶に心から感謝致します.1992年6月著者 《目次》 目次1.Preface 12.新生児期の吸啜・嚥下の生理 3 a)吸啜(吸い込み) 4 b)嚥下 53.新生児期の栄養 6 A未熟児の母乳栄養 6 a)母親と未熟児が同一施設内の場合 6 b)他施設に収容された場合 7 B母親の退院後の母乳栄養 74.新生児・乳児の消化,吸収の生理 9 A糖質の消化,吸収 9 B蛋白質の消化,吸収 10 C脂質の消化,吸収 105.乳児のエネルギー所要量 13 A蛋白質所要量 14 B脂質所要量 15 C糖質所要量 15 Dミネラル所要量 15 1.カルシウム所要量 15 2.鉄分所要量 16 3.ビタミン所要量 176 乳児期の栄養(母乳・人工乳・混合・離乳を含む) 20 A乳児の食生活 20 B発育の評価 20 C栄養学的にみた母乳 22 a)蛋白質 22 b)脂質 23 c)糖質 24 d)ビタミン 25 D母乳栄養 26 1.栄養上 26 2.医学上 27 3.育児上 27 4.母乳栄養の問題点 28 a)乳児ビタミンK欠乏性出血症 28 b)母乳黄疸 28 E人工栄養 29 1.最近の調整粉乳(人工乳) 29 2.調整粉乳の内容 29 3.市販調整粉乳の組成と特質 35 4.低出生体重児用調整粉乳 36 Fフォローアップミルク 39 G哺乳器具・調乳用器具 40 a)哺乳瓶 40 b)乳首 41 c)乳児の哺乳と摂食の仕方 42 H咀嚼(噛む)ことの意義 43 a)噛むということ 43 b)咀嚼能力の発達過程 43 Iベビーフード 44 J離乳 46 1.離乳開始時期 46 2.離乳食の進め方 46 3.離乳の手順 47 4.離乳各期の食品と調理法 49 a)離乳初期(ゴックン期) 49 b)離乳中期(モグモグ期) 50 c)離乳後期(カミカミ期) 51 d)離乳完了の条件 52 5.ミルク(調整粉乳)や牛乳の与え方 52 6.離乳食用ミルク 53 7.断乳の時期 53 8.食事の動作 537.幼児期の栄養 54 A幼児期の食生活 54 Bフォローアップミルクの内容と使用法 548.小児の栄養所要量 56 A学童期の栄養 57 蛋白質所要量 58 B思春期の栄養 589.食事の与え方 60 A授乳の場合の問題点 60 a)母乳の分泌促進 60 b)授乳間隔 61 c)離乳と母乳 62 d)授乳障害 62 e)哺乳と舌小帯 62 f)乳児の便秘 6310.調理 6411.間食,おやつ 66 A間食 66 Bおやつ 68 C理想的なおやつ 69 D不適当なおやつ 6912.給食 70 A病院給食 71 B病院で食事するときの箸について 71 C患者食堂の利点 72 D幼稚園給食 73 E保育所給食 73 F家庭との連絡 75 a)0歳児の給食 76 b)1~2歳児の給食 76 c)3~5歳児の給食 77 G学校 78 1.学校給食 78 2.家庭の食事と学校給食との関係 79 3.食事内容 79 4.文部省の学校給食に対する基本的な考え方 80 H学校給食の食品構成 82 Iお弁当 85 J行事食 8713.食事の影響(精神的,肉体的など) 92 A朝食欠食の弊害 9214.健康児 9415.肥満児 95 A乳児期の肥満 96 B幼児期の肥満 96 C学童期の肥満 97 D思春期の肥満 97 E肥満が悪い理由 98 F肥満治療の原則 99 G減食療法 100 H肥満児への食事生活の指導 101 I肥満児への運動療法 102 J肥満学童への治療の原則 102 K肥満学童への食事による治療 102 L肥満学童への医学的指導 103 1.食事療法 103 2.運動療法 106 3.家族を含むカウンセリング 10616.むし歯(齲歯) 10717.服薬との関係 10818.急性疾患 110 Aかぜ 110 B口内炎 111 C下痢 111 D嘔吐 112 E便秘 112 F熱性疾患 114 G腹痛 114 H胃潰瘍 11519.慢性疾患 116 A心臓疾患 116 a)新生児・乳児 117 b)幼児・学童 117 B腎臓疾患 118 a)急性腎炎 118 b)ネフローゼ症候群 118 C肝臓疾患 119 Dアレルギー性疾患(食物アレルギーを含む) 119 1.食物アレルギー 120 2.牛乳アレルギー 121 3.食物アレルギーの治療 121 4.気管支喘息 123 E貧血 123 貧血と潜在的鉄欠乏 123 F糖尿病 124 1.糖尿病の食事療法 124 2.食品の選択 126 3.1日の食事回数と食事間隔 126 4.食事療法の指導 127 a)食事療法の指導の内容 127 (1)食品交換表を用いる食事療法 127 (2)食品交換表 130 b)指導体制のあり方と指導者の心構え 130 G重症心身障害児 134 1.障害児の食事摂取への指導 134 a)基本的な食事姿勢 135 b)身体の拘縮変形が強い場合 135 c)異常反射が著しい場合 135 d)舌に問題がある場合 135 e)経管栄養 136 f)ブラッシングと口腔洗浄 136 2.障害児の食事 136 Hてんかん 137 I筋ジストロフィー症 137 J先天代謝異常 138 K内分泌疾患 13920.食事拒否症 140 A.母乳嫌い 140 B.ミルク嫌い 14121.偏食 14222.食欲不振 14323.スポーツと栄養 14424.母体の栄養 145 a)妊婦のカルシウム摂取と胎児への影響 145 b)授乳中の母親の服薬 145 c)母親の飲酒と喫煙 147 d)環境汚染の母乳への影響 14725.成人病予防 149 A成人病予防の食生活 149 B成人病予防の食事指針 150 C高脂血症 151 D高血圧 15226.社会生活の変化 15327.栄養・食事に関する一口知識 154文献 165索引 168