Annual Review消化器〈2002〉

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Annual Review消化器〈2002〉

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  • サイズ B5判/ページ数 368p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784498040984
  • NDC分類 493.4
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 ◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.
◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.
◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる.
◆主要文献を網羅しているので,reference sourceとしても極めて便利である.

 華々しく幕開けしたはずの21世紀初年度は近来まれにみる政治的,社会的に最悪の年となった.年明け早々,えひめ丸事件があって,ちょっと不安を感じてはいたものの,2001年9月11日の多発テロ事件という人類史上消えることがないであろう出来事に直面するとはもちろんだれも予想できるものではなかった.テロリズムの時代といわれた21世紀がこのような象徴的な事件ではじまったのは必然であったのかもしれない.あれ以来3カ月,執筆時においてはアフガニスタン情勢は落ち着きつつあるものの,明日をもしれぬ現代である.身近にはワールドカップがどうなるのか国民的心配事である.
 この事件を我々医学の世界からみると,一番困惑するのは,国際交流のあり方であろう.あの事件以来,国際学会への出席は激減し,我が国での学会,研究会への外国人学者招待がきわめて難しくなってきた.このあたりで,これまでの国際性というコンセプトを大きく変換する必要があるのではないか.インターネットによって簡単に文献検索ができ,かつ海外との意見交換もe-mailなどで日常茶飯事になってきた時代である.客寄せパンダのごとき外国人招聘もそろそろ考え直した方がよいように思われる.
 ところで,本誌「Annual Review 2002」がこの激動の年明けに上梓される.このような企画は,文献検索が容易となった現在においても,膨大な情報整理が困難な状況をきわめて要領よく解決してくれると思われる.本誌の各執筆者が苦労して収集された多くの最新の医学情報を短時間に読破できるということは,多忙な読者諸氏にとって大きな福音であろうと思う.診療,研究の合間にさっと目を通すのみで情報量は大きく変わってくるものである.
 本誌の長い歴史の中で,テーマが現代に若干そぐわないものも散見されたので,今回はこの点を改訂した.トピックスなど現在消化器病の中で最も注目されている重要なものについて解説していただいた.読者の注目を集めるものと自負している.
 1年間は瞬時に過ぎていくが,この間にパラダイムシフトをもたらすブレークスルーの芽生えをみいださなくてはならない.本書がそのような読者の期待に添えることを祈りつつ.
  2001年師走
    編集者一同    

《目次》
目 次
I.トピックス
  1.抗TNFα抗体と炎症性腸疾患  <古賀秀樹 飯田三雄>  1
  2.消化器内視鏡の新しい展開--バーチャルエンドスコピーとカプセル内視鏡--  <桑山 肇>  7
  3.Helicobacter pylori除菌と食道疾患  <岡本多代 岩切龍一 藤本一眞>  14
  4.肝細胞移植  <小林直哉 田中紀章>  20
  5.肝疾患とテロメア  <中西敏夫>  29
  6.肝幹細胞  <寺田邦彦 亀田 隆 杉山俊博>  34
  7.肝の阻血再灌流障害  <今村 宏 幕内雅敏>  40
  8.超音波内視鏡下穿刺術--膵・胆道の診断と治療への応用--  <大久保賢治 山雄健次 大橋計彦>  51
  9.いわゆる,自己免疫性関連性膵炎の病態生理と臨床像  <岡崎和一>  57
  10.消化器癌の発生予防  <森脇久隆>  62
II.生理と病態
  1.消化管ホルモン  <濱中裕一郎 日野田裕治>  67
  2.消化管と免疫  <穂苅量太 加藤真吾 都築義和 三浦総一郎>  71
  3.消化器疾患と自律神経  <大高道郎>  76
  4.胃分泌機序  <門脇泰憲 木下芳一>  80
  5.胃粘膜防御機構  <中村正彦 土本寛二>  84
  6.消化管運動異常(NUD,IBSを含む)  <草野元康 前田正毅>  89
  7.消化・吸収  <等々力勇三 城 卓志>  94
  8.腹部血管障害(微小循環を含む)  <澁谷智義 竹井謙之 佐藤信紘>  98
  9.肝再生  <坪内博仁 弘野修一 井戸章雄>  104
  10.肝発癌の分子機構  <金井弥栄 坂元亨宇>  113
  11.肝と免疫  <各務伸一 奥村明彦 石川哲也>  119
  12.膵外分泌調節機構  <北川元二 成瀬 達 早川哲夫>  125
III.診断の動向
  1.消化管の内視鏡診断--最近の進歩--  <松井敏幸>  129
  2.肝の画像診断  <不破相勲 大友 邦>  134
  3.胆,膵の内視鏡診断と画像診断  <三好広尚 乾 和郎>  137
IV.治療の動向
  1.消化管出血(静脈瘤を除く)の治療--上部消化管を中心に--
  <杉山幸一 大原秀一 関根 仁 下瀬川 徹>  142
  2.消化管の内視鏡治療  <浪久晶弘 三輪洋人 佐藤信紘>  146
  3.肝硬変の栄養治療  <渡辺明治>  150
  4.肝細胞癌の局所治療  <江原正明 福田浩之 税所宏光>  156
  5.胆,膵の内視鏡治療  <眞栄城兼清 池田靖洋>  162
  6.消化器臓器(肝,膵,小腸)の移植  <青木 琢 菅原寧彦 幕内雅敏>  166
  7.腸疾患の外科的治療  <纐纈真一郎 渡邉聡明 名川弘一>  172
  8.胆道疾患の外科的治療  <宮崎 勝 伊藤 博 木村文夫>  177
  9.膵臓疾患の外科的治療  <木村 理 平井一郎>  181
  10.小児消化器外科  <横森欣司>  187
  11.新しい消化管治療薬  <三宅一昌 坂本長逸>  193
V.消化管
 A.食道疾患
  1.逆流性食道炎  <今井幸紀 新井 晋 太田慎一 藤原研司>  198
  2.食道癌  <日月裕司>  203
  3.食道胃静脈瘤(門脈圧亢進症)  <高森 繁 別府倫兄 二川俊二>  209
 B.胃・十二指腸疾患
  1.Helicobacter pylori感染  <田口由紀子 井本一郎>  214
  2.慢性胃炎  <佐藤貴一>  219
  3.急性胃粘膜病変  <平石秀幸 吉浦健太 寺野彰>  223
  4.消化性潰瘍  <藤原靖弘 樋口和秀 荒川哲男>  228
  5.胃癌  <大谷吉秀 北島政樹>  234
 C.腸疾患
  1.炎症性腸疾患  <佐藤俊朗 日比紀文>  239
  2.大腸ポリープ・ポリポーシス  <今田 朗 伊奈研次 楠神和男>  244
  3.大腸癌: 化学予防から治療法の進歩まで  <岡部 聡 杉原健一>  249
VI.肝臓
  1.C型肝炎: ウイルス・病態・診断  <松村雅幸 小俣政男>  255
  2.B型肝炎: ウイルス・病態・診断  <三田村圭二 柴田 実>  259
  3.非B非C型肝炎  <菅谷 仁>  267
  4.慢性肝炎の治療  <飯野四郎>  271
  5.自己免疫性肝疾患  <西原利治 前田 隆 大西三朗>  278
  6.肝硬変の病態と治療(合併症を含む)  <村上重人 戸田剛太郎>  282
  7.肝細胞癌の病態と診断  <外山 隆 佐々木 裕 林 紀夫>  289
  8.肝癌の治療  <三木健司 國土典宏 幕内雅敏>  294
  9.肝不全  <藤原研司 持田 智>  307
  10.胆汁うっ滞  <向坂彰太郎 鈴木統久>  315
  11.薬剤性肝障害  <野村文夫>  321
  12.アルコール性肝障害  <山内眞義>  326
  13.代謝性肝疾患  <生駒次朗 足立幸彦>  331
VII.胆
  1.胆石症  <田妻 進 西岡智司 茶山一彰>  337
  2.胆嚢炎,胆管炎  <露口利夫 税所宏光>  341
  3.胆道癌  <宮川眞一>  346
VIII.膵
  1.膵炎  <正宗 淳 佐藤晃彦 下瀬川徹>  351
  2.膵癌  <伊佐地秀司>  356
索 引  363

目次

1 トピックス
2 生理と病態
3 診断の動向
4 治療の動向
5 消化管
6 肝臓
7 胆

著者等紹介

戸田剛太郎[トダゴウタロウ]
東京慈恵会医科大学教授

税所宏光[サイショヒロミツ]
千葉大学教授

寺野彰[テラノアキラ]
独協医科大学教授

幕内雅敏[マクウチマサトシ]
東京大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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