呼吸機能検査トレーニング (改訂2版)

呼吸機能検査トレーニング (改訂2版)

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  • サイズ B5判/ページ数 130p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784498030183
  • NDC分類 492.13
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 呼吸機能検査は,臨床上極めて有用であるが,これをマスターし,活用することは必ずしも容易ではない.本書はこの検査法を初学者が最も効率よく学び,自己のものとして実施できるよう,まず検査法の実技に習熟してからその基礎にある理論を考察するよう,可能な限り簡潔でわかりやすく解説した.重要事項,ポイントは2色刷で示し,また隋所に例題を入れ,最後には症例による演習問題をあげ,理解をはかった. 序  呼吸器の究極の機能はガス交換(酸素の摂取,炭酸ガスの排出)であるが,近年の多くの研究により代謝臓器としての肺にも注目されるようになってきた.  ガス交換に関与する呼吸器として単に肺内におけるガスの移行ばかりでなく,呼吸のリズムに関わる神経系の研究も広く行われるようになってきている.  このように呼吸機能に関する主題は多岐にわたり,近年多くの著作が出版されている.しかしながら臨床検査室でルチーンに行われる呼吸機能検査法の実際についての手引書はあまりない.検査法の基礎となる理論は深く考究すればする程複雑となり,また解明されていない分野も少なくない.  本書は専ら実技的な検査法について呼吸機能検査方法に慣れるためを目的とした.方法に習熟してからその基礎にある理論を考察するのも臨床検査においては必要なこともあると考えたからである.このために理論的なことは出来るだけ簡単に記述した.また限られた紙数で広汎な呼吸機能検査の全貌を明らかにし得ないため記述も表相的になった嫌いがあるが了承されたい.  呼吸機能検査を実際に行う際,あるいはその検査成績の解釈に少しでもお役に立てれば幸いである.  筆者の1人が医療技術短期大学の講師として行っている呼吸機能検査法の講義のノートを本にこの本を構成した.  この小冊子を書き終えるにあたり種々ご面倒をおかけした中外医学社荻野邦義氏にお礼申し上げる. 1982年6月札幌において 筆者ら    《目次》 目次 序章 呼吸機能 1 A.換気機能 1 B.ガス交換機能 3 C.換気と血流との相関 5 §1 呼吸機能検査の意義 7 A.気道の閉塞の有無,およびその程度の評価 7 B.肺の空気の減少の有無,およびその程度の評価 8 C.気道閉塞の機能上の鑑別診断 8 D.疾病の経過,治療効果および予後の判定 9 E.活動能力,活動範囲の判定・手術後の危険度の判定 9 F.呼吸不全の診断および治療の指針,治療効果の判定 10 G.呼吸機能検査による患者の自覚症の他覚的評価 11 §2 肺気量に関する検査法 12 A.肺気量 12 1.肺気量分画の名称 12 2.ガス量の表わし方 13 3.スパイロメトリー 14 B.機能的残気量 20 1.FRCの測定法 20 2.残気量 23 3.全肺気量 24 4.肺気量区分の正常値および異常をきたす機序 24 §3 閉塞性換気障害の検査法 26 A.閉塞性換気障害のモデル 26 B.努力性肺活量 27 C.努力性呼出量 28 D.最大呼気中間流量 30 E.最大呼気流量 31 F.気道閉塞の呼吸機能の所見 31 G.呼吸器系における圧の表現法 32 H.抵抗 34 1.気道抵抗 34 2.肺抵抗 35 3.呼吸抵抗 37 4.臨床応用と評価 37 §4 拘束性換気障害の検査法 39 A.拘束性換気障害の肺機能上の特徴 39 B.肺の含気が減少することによる肺機能上の変化 39 C.肺の硬さを表わす指標 コンプライアンス 41 1.コンプライアンスの測定原理 41 2.静肺コンプライアンスの測定法 42 3.静肺コンプライアンスの計算法 45 4.臨床評価 46 §5 肺拡散能力について 48 A.拡散能力の測定原理 48 B.Single breath法によるDLCO測定法 49 C.臨床評価 51 D.肺胞膜拡散能力と毛細管血液量 52 §6 換気に関する指標 54 A.換気量・死腔・肺胞換気 54 1.換気量 54 2.死腔量 54 3.肺胞換気量 57 B.酸素摂取量・炭酸ガス排出量 58 1.酸素摂取量 58 2.炭酸ガス排出量 60 3.ガス交換率 60 C.肺胞式 61 §7 動脈血ガス 63 A.動脈血採血法 63 1.採血部位 63 2.採血の準備 63 3.採血 64 4.毛細管血の採血 65 5.血液ガスの測定 65 B.動脈血Po2 65 1.血中酸素の存在状態 O2解離曲線 65 2.Pao2の正常値 68 3.低酸素血症 68 4.O2の輸送 69 C.動脈血Pco2 70 1.CO2の輸送 70 2.CO2解離曲線 72 3.PO2とPCO2との対比 72 4.PaCO2の正常値 73 5.高炭酸ガス血症 74 D.酸-塩基平衡 75 1.HENDERSON-HASSELBALCHの式 75 2.炭酸塩基-炭酸反応 75 3.酸-塩基平衡の指標 78 4.アシドーシスとアルカローシス 78 5.生体の代償機転 79 §8 換気-血流関係の不均等の原因およびその結果 81 A.肺内の換気の不均等 81 B.血流の不均等 82 C.換気-血流比 82 D.A-aDo2(肺胞気-動脈血O2分圧較差) 84 1.A-aDo2測定の意義 84 2.A-aDo2の測定法 85 3.臨床評価 85 E.シャント 86 1.シャント式の理論 86 2.測定方法 88 3.臨床評価 91 §9 小気道の概念およびその機能障害の検出に関する検査法 92 A.小気道の概念 92 B.Small airwayにおける抵抗について 94 C.流量-気量曲線 94 1.測定原理 94 2.測定方法 95 3.ヘリウム吸入後のflow-volume curve 97 4.臨床応用とその評価 97 D.動肺コンプライアンス 100 1.測定原理 100 2.測定方法 101 3.臨床応用とその評価 104 E.Closing volume 104 1.測定原理 104 2.測定方法 105 3.臨床応用とその評価 108 §10 症例検討 110 症例1 咳嗽・喀痰・呼吸困難(70歳,男性) 111 症例2 咳嗽・喀痰(52歳,男性) 113 症例3 膿性痰・呼吸困難・浮腫(37歳,男性) 115 症例4 咳嗽・喘鳴発作(38歳,男性) 118 症例5 咳嗽・呼吸困難(44歳,男性) 120 症例6 呼吸困難・咳嗽(54歳,男性) 122 症例7 体動時呼吸困難(52歳,男性) 124 症例8 呼吸困難・左胸痛(51歳,男性) 126 索引 129

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