出版社内容情報
《内容》 今日の脳神経外科の診断，治療をきめ細かく網羅して解説した臨床指針．脳神経外科ガイドラインに準拠して構成し，臨床で必要とされる知識を具体的かつ実践的にまとめた．高度な専門性を持つ脳神経外科領域における真の意味での「指針」となるよう，各領域の第一人者がそれぞれの理念に基づいた解説を行っている．脳神経外科医を目指す入門者はもとより，経験を積んだ専門医にとっても示唆に富む内容であり，この領域のスタッフ必携の書である．
序
本書は脳神経外科専門医を対象とした臨床指針というべきものを意図して企画された．結果的には指針というよりほとんど「脳神経外科学」的な内容になっている．中学，高校時代の歴史教科書を思い出せばすぐに解ることであるが，必要最低限の知識の羅列というのは，無味乾燥，誠に味気ないもので，それ自体読んで何の面白みも無いし，歴史を理解するにははなはだ情報不足である．また，「必要最低限」の情報が正しい理解の基となるかは大変疑問である．例えば，小柄で優しい顔をしているが，強靱な意思と鬼気迫る覇権欲で戦いを続けた武将がいたとする．教科書はこの武将をどのように記載するであろうか．味方からすれば破竹の勢いで周囲を平定する清々しい勇者であるが，敵からは仮面をかぶった残虐非道な極悪人である．十字軍は侵略者であるというイスラムの意識に，十字軍は正義であったとして受けてきた教育がいかに西欧価値観に偏しているかと気づかされることもある．記述というものはすべからく必ずある視点に立ったものであり，その位置がその教科書の姿勢を示すことになる．また，何をもって必要最低限とするかがその教科書の理念を示す．事象を簡単に説明するということとそのエッセンスを凝縮して記述することには本質的な違いがある．脳神経外科臨床について言えば，疾患の概念やその歴史的変遷，治療法をめぐる立場の違いによる考え方の違い，臨床医としての自らの経験に根付く指向性，これらの要素の存在を認識し，理解した上ではじめて脳神経外科の専門家としての疾患や治療法の理解が得られるものと思う．
本書は多くの共同執筆者のご協力で完成した．脳神経外科という極めて高度な専門性を有する分野の「指針」を目指した我々の結論は，上に述べたように簡単な指針は書けないということであり，また書くべきではないということであった．すなわち，それぞれの疾患の治療は，ある程度深く掘り下げた部分での理解を前提にはじめて展望できるということであり，理解を前提としない知識は無用であるばかりか危険でもあるということである．この点からも，脳神経外科を長く専門としてきたわれわれも一度通読する価値は十分にある内容となっていると自負している．またこれから脳神経外科医を目指す諸君にとって，最低限必要な知識の獲得のためにはそれなりに深い理解が必要である，という視点から本書を眺めて頂けたら本望である．またそれが最も効果的に各疾患の“臨床指針”を理解し，身につける方法である．
なお，本書は京都大学大学院医学研究科脳神経外科高橋潤講師が編集の全面にわたって尽力してくれたことによってはじめて完成したものである．企画から完成までの彼の仕事ぶりに心から敬意と感謝の意を表するものである．
最後に，本書の企画・立案と作成に多大なご尽力を頂いた中外医学社の小川孝志氏に深く感謝する．
2002年9月
橋本信夫
《目次》
I．総論
A．症候と治療 3
1．意識障害の診断と治療 4
a．急性期意識障害の判定と鑑別診断［山田圭介］ 4
1．レベル判定（GCS/JCS） 4
2．原因・鑑別診断 5
3．意識障害下の神経局所診断 5
4．画像診断 6
b．救急管理 ［山田圭介］ 7
1．救急処置 7
2．ショックの種類と対策 8
3．各種検査データの解釈 8
c．頭蓋内圧亢進と脳ヘルニアの診断と治療［池田幸穗，松本 清］ 10
1．頭蓋内圧亢進 10
2．脳ヘルニア 11
d．法的脳死判定基準 ［貫井英明］ 16
1．法的脳死判定マニュアルの位置付け 16
2．法的脳死判定の実際 16
2．その他の症候と治療 20
a．てんかん［佐藤岳史，池田昭夫，柴崎 浩］ 20
1．主要なてんかんの診断と脳波所見 20
2．抗てんかん薬 26
3．てんかん発作重積 30
b．失神と痙攣 ［菊池隆幸，石川正恒］ 34
1．原因と鑑別診断 34
2．治療 35
c．頭痛 ［菊池隆幸，石川正恒］ 36
1．原因と鑑別診断 36
2．治療 37
d．めまい ［菊池隆幸，石川正恒］ 38
1．原因と鑑別診断 38
2．治療 39
e．言語障害 ［大東祥孝］ 40
1．診断のプロセス 40
2．利き手と失語症 41
3．言語領野 41
4．失語症の治療 42
5．言語機能回復のメカニズム 42
B．診断と診断法 45
1．神経学的診断法 46
a．病歴の取り方と一般神経学的診察法［片岡大治］ 46
1．病歴の取り方 46
2．意識障害の判定 46
3．神経学的診察 52
b．高次機能の診察 ［大東祥孝］ 58
1．初診時の診察 58
2．スクリーニング検査 58
3．非言語性機能・右半球機能のスクリーニング 59
4．意識障害が疑われる場合 60
5．失語症の診察 60
6．記憶障害の診察 61
7．失行・失認の診察 61
8．脳梁離断症状 62
9．前頭葉症状 62
10．高次機能検査 62
c．小児の神経学的診察法 ［田代 弦］ 64
1．診察のはじめに 64
2．身体的一般現症のとり方 64
3．神経学的所見のとり方 68
d．脊髄・脊椎疾患の高位診断・横位診断［小山素麿］ 72
1．頸椎レベルの診察法 72
2．胸椎レベルの診察法 77
3．腰仙椎レベルの診察法 78
2．各種検査法 84
1．神経放射線学的検査 84
a．頭部単純 X 線写真 ［三木幸雄］ 84
b．CT ［三木幸雄］ 87
1．MRI 時代における CT の有用性とピットフォール 87
2．読影のポイント・ピットフォール 87
3．3D-CT 90
c．MRI ［三木幸雄］ 91
1．MRI の有用性とピットフォール 91
2．MRI の信号強度 91
3．各種特殊撮像法の特徴 91
d．特殊な MRI 撮像法 ［安里令人］ 101
1．はじめに 101
2．MRA 101
3．MRS 102
4．functional MRI 105
e．脳血管撮影 ［中原一郎］ 106
1．脳血管撮影の手技 106
2．脳血管撮影の所見 110
f．脳 SPECT と PET［橋川一雄，福山秀直］ 118
1．脳血流 SPECT 118
2．脳腫瘍シンチ 119
3．神経伝達物質 119
4．PET 120
5．主要病態と所見 121
g．経頭蓋骨超音波ドップラー（TCD）［善本晴子］ 126
1．TCD の原理とこれに付随する注意点 126
2．血管の検出方法 127
3．中大脳動脈の血流速度正常値 128
4．脳血管攣縮 128
5．血栓塞栓症における MES または HITS 129
6．頸動脈病変と TCD 129
7．その他の疾患における応用 130
8．脳循環代謝測定と TCD 131
h．脊椎・脊髄疾患の画像診断 ［小山素麿］ 133
1．頭蓋頸椎移行部 133
2．上肢の神経症状と頸椎部の画像診断 134
3．上部胸椎から円錐部までの画像診断 136
4．腰仙部の画像診断 138
2．電気生理学的検査 147
a．脳波，脳磁図 ［三國信啓］ 147
1．脳波 147
2．脳磁図（MEG） 148
b．大脳誘発電位 ［三國信啓］ 151
c．皮質電気刺激 ［三國信啓］ 152
d．脳神経モニタリング ［三國信啓］ 157
3．その他の検査 158
a．内分泌検査 ［有田和徳，栗 薫］ 158
1．下垂体前葉ホルモン 158
2．下垂体後葉ホルモン 163
b．髄液検査 ［菊田健一郎］ 164
1．髄液採取の手技と合併症 164
2．正常髄液所見（成人，乳幼児）およびその異常 166
3．主要病態と髄液所見 168
C．手術治療と周術期合併症 171
1．手術総論 172
a．外科手術 ［堀 智勝］ 172
1．体位一般 172
2．アプローチ一般 172
3．術前管理 174
4．術後管理 175
5．麻酔方法 176
6．手術支援機器（neuronavigator） 179
7．各種モニタリング 179
8．神経内視鏡 181
b．血管内手術 ［坂井信幸］ 183
1．種類と適応 183
2．実際の操作 184
3．周術期管理 188
4．合併症 188
c．定位放射線治療 ［小林達也］ 191
1．治療の実際 192
2．ガンマナイフの適応疾患 192
3．周術期管理 193
4．ガンマナイフの合併症とその対策 194
2．周術期合併症の診断と治療 197
a．心不全の診断と治療 ［魏 秀復］ 197
1．病態生理 197
2．診断 197
3．治療 198
b．呼吸不全の診断と治療 ［魏 秀復］ 202
1．新しい呼吸管理の実際 202
2．ARDS（acute respiratory distress syndrome）203
3．肺塞栓症 203
4．喘息重積発作 204
5．肺損傷，気道異物 204
6．頸椎損傷 205
c．周術期血圧の管理と高血圧の治療［近藤惣一郎］ 207
1．血圧コントロールの薬剤 207
2．術後高血圧の予防・治療 209
3．各疾患における血圧管理 209
d．電解質異常と管理 ［島津 章］ 212
1．輸液の実際 212
2．電解質異常の補正 213
3．特殊病態の診断と治療 217
e．輸液および栄養補給 ［西原 毅］ 221
1．輸血 221
2．周術期の栄養補給 224
f．糖尿病 ［塚原徹也］ 228
1．糖尿病の診断および分類 228
2．糖尿病性昏睡の診断 229
3．糖尿病の治療 230
g．消化管出血 ［中尾 哲］ 231
1．病態 231
2．症状と診断 232
3．全身管理と治療 232
4．予防 234
h．DIC ［上村喜彦］ 236
1．DICの病態 236
2．DICの臨床 237
3．DICの治療 239
i．深部静脈血栓症（DVT） ［欅 篤］ 242
1．DVTの診断と検査法 242
2．PTEの診断と検査法 243
3．予防 243
4．DVTの治療 245
5．PTEの治療 245
j．特殊な管理の方法と適応［黒田泰弘，前川剛志］ 247
1．低体温療法 247
2．バルビタール療法 249
3．低血圧管理 250
k．周術期合併感染症 ［秋山義典］ 252
1．発生頻度 252
2．危険因子 252
3．感染予防対策 252
4．周術期感染症の治療の進め方 253
5．髄膜炎 253
6．創部感染 254
7．中心静脈カテーテル感染による静脈炎 254
8．呼吸器感染症 255
9．尿路感染症 255
l．抗生物質の投与方法 ［秋山義典］ 256
1．代表的抗生物質の特徴 256
2．MRSA感染症の治療 257
3．日和見感染症 258
m．副腎皮質ホルモンの使用方法［岩崎孝一］ 260
n．下垂体機能不全とその補償療法［島津 章］ 263
1．ACTH分泌不全 263
2．TSH分泌不全 263
3．ゴナドトロピン分泌不全 263
4．GH分泌不全 263
5．特殊病態：急性副腎不全（副腎クリーゼ） 263
II．各論
A．脳腫瘍 267
1．脳腫瘍の治療総論 268
a．脳腫瘍の手術治療［嘉山孝正，佐藤慎哉］ 268
1．外科手術の適応と目的，手術成績 268
2．手術方法 269
3．手術適応と手術法の選択 270
4．周術期管理 271
5．定位脳生検 272
6．術中支援装置 272
b．脳腫瘍の放射線治療［白土博樹，青山英史，宮坂和男］ 277
1．external beam radiation therapy（外照射） 277
2．定位放射線照射 280
c．脳腫瘍の化学療法［河内正人，生塩之敬］ 285
1．悪性グリオーマ 285
2．髄芽腫 287
3．中枢神経系原発リンパ腫 288
4．頭蓋内胚細胞腫瘍 288
2．脳腫瘍各論 292
a．astrocytic tumors（星細胞腫群）［松谷雅生］ 292
1．基本理解 292
2．病理 293
3．画像診断 293
4．治療 293
a補．pilocytic astrocytoma［森井 研，田中隆一］ 299
b．その他の neuroepithelial tumor 303
1．oligodendroglial tumors［中原紀元，若林俊彦，吉田 純］ 303
1．疫学 303
2．神経症候 303
3．診断 303
4．病理 303
5．oligodendroglial tumor の遺伝子解析 304
6．最近の治療の動向と予後 304
7．我々の施設での治療方針 304
8．我々の施設での治療成績 305
2．ependymal tumors（上衣系腫瘍）［丸野元彦，吉峰俊樹］ 308
1．疫学 308
2．診断 308
3．治療と成績 309
4．予後因子，細胞遺伝学的情報 310
5．今後の課題 311
6．化学療法プロコトール 311
3．embryonal tumors［杉山一彦，栗 薫］ 312
1．medulloblastoma 312
2．pineoblastoma 314
3．medulloepithelioma 314
4．ependymoblastoma 314
5．cerebral neuroblastoma 315
6．supratentrial PNET 315
7．atypical teratoid / rhabdoid tumor 315
8．放射線化学療法の実際 315
4．neuronal and mixed neuronal-grial tumors［倉津純一］ 321
1．胚芽異形成性神経上皮腫瘍 321
2．神経節膠腫 322
3．線維形成性乳児神経節膠腫 322
4．中枢性神経細胞腫 323
c．meningioma ［高橋 潤，橋本信夫］ 325
1．定義 325
2．疫学 325
3．発生部位と症状 325
4．画像のポイント 325
5．病理分類（亜型と悪性度） 325
6．髄膜腫の自然通過と予後 325
7．良性髄膜腫の治療 326
8．悪性髄膜腫（atypical & anaplastic type）の治療 329
9．初回術後 follow-up と再発時治療方針（京都大学） 330
d．schwannoma ［佐々木富男，渡辺克成］ 333
1．疾患概念について 333
2．症候 333
3．診断 334
4．治療 336
e．malignant lymphoma ［久保長生］ 339
1．定義 339
2．疫学 339
3．診断 340
4．治療 347
5．予後 351
f．pituitary adenomas ［寺本 明］ 353
1．下垂体腺腫の統計的事項 353
2．各腺腫に共通する診断法 353
3．非機能性腺腫の症候と診断 354
4．GH産生腫瘍の症候と診断 355
5．PRL産生腫瘍の症候と診断 357
6．ACTH産生腺腫の症候と診断 358
7．TSH産生腺腫の症候と診断 360
8．下垂体腺腫の手術療法 360
9．下垂体腺腫の薬物療法 362
10．下垂体腺腫の放射線療法 362
g．germ cell tumors ［澤村 豊］ 364
1．germ cell tumors とは 364
2．症候と診断 364
3．治療 365
h．craniopharyngioma［立花 修，山下純宏］ 371
1．概念 371
2．発生部位と解剖 371
3．症状 372
4．術前の検査 372
5．治療 373
6．術後管理 376
i．brain metastasis ［野村和弘］ 378
1．定義 378
2．疫学 378
3．発生部位別の転移性脳腫瘍の特徴と治療 379
4．転移性脳腫瘍の治療で注意すべき合併症 384
5．転移性脳腫瘍の予後 384
j．phacomatosis ［田渕和雄］ 387
1．神経線維腫症 1 型 388
2．神経線維腫症 2 型 388
3．結節性硬化症 389
4．von Hippel-Lindau syndrome 390
B．血管障害 393
1．急性期脳血管障害 394
a．急性期脳血管障害の診断と管理［山形 専，吉田和道］ 394
1．救急室から検査室までの診察と処置 394
2．診断 395
3．治療までの管理 396
b．破裂脳脈瘤によるくも膜下出血［飯原弘二，永田 泉］ 398
1．診断 398
2．合併症 402
3．SAH の周術期管理 403
4．治療 404
5．脳血管攣縮対策 404
6．急性脳虚血の治療 408
c．急性期脳虚血・脳梗塞 ［中川原譲二］ 412
1．脳梗塞の分類と重症度評価 412
2．脳梗塞の画像診断 415
3．脳梗塞の治療と適応 418
d．脳内出血 ［瀧本 理，永廣信治］ 423
1．定義と発生頻度 423
2．病因と危険因子 423
3．分類と部位別発生頻度 423
4．症状 423
5．神経放射線学的診断 425
6．一般的治療 425
7．治療方針の決定 426
8．部位別外科的治療方針 427
9．予後と再発 427
2．非急性期血管障害 430
a．未破裂脳動脈瘤 ［波出石 弘］ 430
1．未破裂脳動脈瘤 430
2．解離性動脈瘤 432
b．脳動静脈奇形 ［野崎和彦，橋本信夫］ 437
1．病態 437
2．疫学 437
3．神経症状 437
4．出血急性期管理 437
5．画像診断 438
6．手術手技と治療法 439
c1．非急性期脳虚血の病態・分類・症候［山田和雄］ 444
1．病態 444
2．分類 446
3．症候 448
c2．非急性期脳虚血の検査・治療［小笠原邦昭，小川 彰］ 451
1．検査 451
2．手術以外の治療 453
3．手術の適応と成績 454
d．硬膜動静脈瘻 ［朝倉文夫，滝 和郎］ 459
1．定義 459
2．疫学 459
3．成因 459
4．診断 459
5．分類 460
6．治療 461
7．成績 462
e．もやもや病 ［宮本 享，高木康志］ 463
1．臨床症状と手術適応について 463
2．検査について 463
3．周術期管理 466
4．外科治療 467
5．退院後の指導および治療 468
C．頭部外傷 471
1．頭部外傷急性期管理［島 克司，苗代 弘］ 472
1．診断 472
2．頭部外傷の管理 475
3．合併症 478
2．頭部外傷の治療と適応 481
a．急性頭蓋内出血［宮城知也，徳富孝志，重森 稔］ 481
1．急性頭蓋内出血治療の基本 481
2．手術適応と方法 481
3．ICU管理 484
b．びまん性脳損傷 ［小林士郎］ 489
1．概念 489
2．歴史的変遷 489
3．Gennarelli のびまん性脳損傷 490
4．検査 492
5．SjO2とICPよりの治療法 495
c．頭蓋骨骨折 ［村井尚之，山浦 晶］ 497
1．線状骨折 497
2．陥没骨折 498
3．解離性骨折 499
4．進行性頭蓋骨骨折 500
5．頭蓋底骨折 500
6．錐体骨骨折（横骨折，縦骨折） 501
7．眼窩骨折（blow-out fracture，視神経管骨折） 501
d．外傷に起因する病態の診断と治療［渡辺義郎］ 504
1．外傷性脳神経損傷 504
2．髄液鼻漏・耳漏 505
3．頭蓋内気腫 507
4．髄膜炎 507
5．外傷性てんかん 507
6．外傷後脳血管障害 509
e．慢性硬膜下血腫［土肥 守，小笠原邦昭］ 512
1．慢性硬膜下血腫とは 512
2．疫学とリスクファクター 512
3．病態 512
4．症候 513
5．診断のために必要な検査 513
6．治療 516
7．再発および予後 518
D．小児脳神経疾患・中枢神経系奇形 519
1．出生前胎内診断とその管理 ［大井静雄］ 520
1．出生前胎内診断の歴史的背景 520
2．出生前胎児外科治療の歴史的背景 520
3．胎児水頭症の病態と治療概念 521
4．胎児神経管癒合不全（二分頭蓋と二分脊椎）の出生前評価と治療概念 522
5．将来展望のまとめ 524
2．代表的な疾患 528
a．水頭症 ［山崎麻美］ 528
1．定義と分類 528
2．疫学 529
3．症状 529
4．原因 529
5．診断と検査 529
6．適応 531
7．脳室腹腔シャント術 531
8．シャント合併症 532
9．シャントシステムの種類と適応 532
10．特殊な病態 533
b．神経管癒合不全症 ［田代 弦］ 536
1．疫学 536
2．原因，危険因子 536
3．発生と病態 536
4．分類 536
5．臨床症状 537
6．検査，診断 540
7．外科的治療の適応と時期 541
8．手術手技 541
c．くも膜胞 ［杉本圭司，森竹浩三］ 543
1．診断と鑑別診断 543
2．治療方針 545
d．Chiari malformationと脊髄空洞症［林 隆士，古川義彦］ 547
1．分類 547
2．診断と合併奇形 548
3．治療 552
e．頭蓋縫合早期癒合症 ［坂本博昭］ 553
1．定義と分類 553
2．成因 553
3．診断 554
4．治療 554
5．治療効果と予後 558
E．脊椎・脊髄と末梢神経疾患 559
1．脊椎・脊髄疾患の診断と治療 560
a．頸椎椎間板障害 ［花北順哉］ 560
1．椎間板障害の分類 560
2．椎間板障害の臨床症状 560
3．頸椎椎間板障害の画像診断 561
4．保存的療法 562
5．手術的治療と適応 562
b．腰部脊柱管狭窄症 ［花北順哉］ 564
1．腰部脊柱管狭窄症の分類 564
2．腰部脊柱管狭窄症の臨床症状 564
3．腰部脊柱管狭窄症の画像診断 565
4．腰部脊柱管狭窄症の保存的療法 565
5．腰部脊柱管狭窄症に対する外科的治療法 565
c．腰椎椎間板ヘルニア ［花北順哉］ 568
1．腰椎椎間板ヘルニアの分類と臨床症状 568
2．腰椎椎間板ヘルニアの画像診断 569
3．腰椎椎間板ヘルニアの保存的療法 569
4．腰椎椎間板ヘルニアの外科的治療法と適応 570
d．後縦靱帯骨化症［高見俊宏，大畑建治，原 充弘］ 572
1．後縦靱帯の解剖と骨化 572
2．病候・病態 572
3．検査・診断 573
4．治療 573
e．黄色靱帯骨化症と石灰化症［高見俊宏，大畑建治，原 充弘］ 578
1．病態，症候 578
2．検査，診断 578
3．治療 578
f．脊髄損傷（頸髄損傷）［水野順一，中川 洋］ 581
1．分類 581
2．神経症状 582
3．診断 583
4．急性期の処置と管理 583
5．合併症 587
6．慢性期の管理 587
g．脊髄腫瘍 ［寳子丸 稔］ 590
1．脊髄腫瘍の分類および各腫瘍の疫学的特徴 590
2．臨床症状 590
3．放射線学的診断 591
4．鑑別診断 592
5．各腫瘍の治療法と予後 596
6．手術治療における問題点 597
7．術前術中術後管理 599
h．脊髄血管障害 ［飛騨一利，岩崎喜信］ 601
1．脊髄の支配血管 601
2．脊髄動静脈奇形 601
3．海綿状血管腫 604
4．その他の出血性疾患 605
5．脊髄虚血性疾患 606
2．末梢神経疾患の診断と治療 ［橘 滋国］ 608
1．診断 608
2．外傷性末梢神経障害の治療 610
3．絞扼性末梢神経障害 610
F．機能的疾患 617
a．神経血管圧迫症候群 ［藤巻高光］ 618
1．病態 618
2．診断 618
3．検査 619
4．治療 620
5．舌咽神経痛 627
b．不随意運動 ［片山容一］ 631
1．代表疾患 631
2．治療と適応 633
c．疼痛性疾患 ［平 孝臣］ 638
1．代表的疾患 638
2．治療各論 641
d．てんかん ［橋詰清隆，田中達也］ 647
1．診断と脳波所見 647
2．画像診断 648
3．治療と適応 652
G．感染（炎症） 659
a．脳膿瘍 ［高橋 淳］ 660
1．脳膿瘍 660
2．硬膜下膿瘍 661
b．髄膜炎 ［高橋 淳］ 662
1．細菌性髄膜炎 662
2．結核性髄膜炎 663
3．真菌性髄膜炎 663
4．ウイルス性髄膜炎 664
c．ウイルス性脳炎 ［水谷智彦］ 665
1．疫学 665
2．概念 665
3．病態機序 665
4．臨床症候 666
5．検査所見 666
6．診断 668
7．治療 669
8．鑑別診断 670
9．予後 670
d．後天性免疫不全症候群（AIDS）［村井弘之，吉良潤一］ 671
1．HIVのタイプ 671
2．AIDSにみられる中枢神経感染症 671
3．AIDSにみられる他の脳病変 673
e．寄生虫・原虫感染症 ［上羽哲也］ 675
1．脳肺吸虫症 675
2．脳日本住血吸虫症 675
3．トキソプラズマ症 675
4．嚢虫症 675
f．脳真菌症 ［上羽哲也］ 677
1．クリプトコッカス 677
2．アスペルギルス症 677
g．プリオン ［上羽哲也］ 678
1．ヒト乾燥硬膜移植による CJD について 678
2．問い合わせに対する実際の対応 679
h．静脈洞血栓症，静脈洞炎 ［定藤章代］ 680
1．概念 680
2．病態，症候 680
3．検査，診断 680
4．治療 680
i．慢性炎症性疾患 ［定藤章代］ 681
1．癒着性くも膜炎 681
2．脳結核腫 681
3．脳梅毒腫 682
4．Tolosa-Hunt症候群 682
5．肥厚性硬膜炎 682
H．その他の疾患の診断と治療 685
1．眼窩疾患 ［新井 一］ 686
1．眼窩内腫瘍 686
2．眼窩外傷 692
3．眼窩の血管性病変 694
2．頭蓋骨腫瘍，類腫瘍 ［佐藤 徹］ 696
1．脊索腫 696
2．好酸球性肉芽腫 697
3．骨腫 697
4．線維性骨異形成症 697
5．骨肉腫 698
6．軟骨肉腫 698
7．巨細胞腫瘍 698
8．転移性頭蓋骨腫瘍 699
9．Paget病 699
10．血管腫 699
3．神経学的疾患 701
a．変性疾患 ［櫻井篤志，岡本幸市］ 701
1．Behcet病 701
2．多発性硬化症 701
3．Shy-Drager症候群 704
4．筋萎縮性側索硬化症 704
5．トリプレットリピート病 705
b．神経炎，麻痺 ［櫻井篤志，岡本幸市］ 707
1．Guillain-Barre症候群 707
2．Bell麻痺 707
3．偽性球麻痺 708
c．ニューロパチー ［櫻井篤志，岡本幸市］ 709
多発性脳神経ニューロパチー 709
d．脳症 ［櫻井篤志，岡本幸市］ 711
1．Reye症候群 711
2．Wernicke脳症 711
3．ミトコンドリア脳筋症 711
4．橋中心髄鞘崩壊 712
5．白質脳症 712
6．ヘモグロビン沈着症 712
索引 713
