精神科治療薬ハンドブック (改訂3版)

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精神科治療薬ハンドブック (改訂3版)

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  • サイズ B6変判/ページ数 505p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784498029682
  • NDC分類 493.72
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 精神科領域で使用される治療薬の選び方,使い方を具体的且簡潔に示したハンディなベッドサイドマニュアルである.総論で薬効別に共通の基本的知識を解説し,各論で個々の薬剤について薬理作用・薬物動態・適応・使用法・副作用・相互作用を実践的に記述した.新薬・基本薬など臨床における重要性,頻用性から重点主義的に解説し,また適応については正式に認可されているもの以外に効果が認められ頻用されているものについてもこれが分かるように記載した.
3版の序
 2001年2月に,初版刊行後登場した抗うつ薬パロキセチンとミルナシプラン,抗てんかん薬クロバザム,睡眠薬クアゼパム,抗痴呆薬ドネペジルを追加して2版を出版したが,その後1年ほどのあいだに,新規抗精神病薬が相次いで登場した.1996年に市販されたリスペリドンに次ぐ非定型抗精神病薬群のオランザピン,クエチアピン,ぺロスピロンである.精神分裂病の薬物療法は,定型抗精神病薬から非定型抗精神病薬の時代に移行しつつあり,最新の治療薬情報を提供することを目的とする本書では,早速改訂し,第3版をお届けすることにした.また現在米国を中心に最も処方頻度の高い睡眠薬ゾルピデムも追加した.今後もこの方針を堅持し,常に時代に即応したハンドブックを目指して行きたい.
 なお向精神薬の使用の実際については,本書の姉妹編である「精神科処方ノート」に詳しく記載されている.臨床の現場では双方を参考にして頂くとより適切な薬物療法の実践にお役に立てるものと信じている.
  2002年1月
    上島国利
初版の序
 本書は主として精神科領域で用いられる向精神薬のうち,精神科治療薬および狭義の向精神薬以外の抗てんかん薬,抗Parkinson薬,抗酒薬,脳機能改善薬などについて解説したものである.
 まず総論として各薬効群の開発史から基礎薬理,その効能効果,副作用につき述べられる.各論では現在臨床で使用が認可されている薬剤総てについて記載がなされている.その際基本となる薬剤や新薬,使用頻度が高い薬剤などについては,より詳細な解説がある.いずれにしろ総ての薬剤の適応・剤型・用量用法・禁忌・相互作用・副作用や使用上の注意については,記述されている.それゆえ,臨床の現場に備えて常に参照して頂くことにより,日常使われる薬剤の必要な知識が得られるように工夫されている.本書の活用により,適切な薬剤が選択され,適正に用いられ,副作用が防止されるように願っている.
 なお精神科領域の薬剤は長期間にわたり使用されることが多く,それに伴いさまざまなタイプの副作用が出現してくる.添付文書もそれらに応じてしばしば改訂される.それらの情報には敏感でありたいし,本書にも反映させたい.本書が現代の向精神薬療法に際して実際的な指針の参考になれば幸いである.
  1999年6月
    上島国利
    

《目次》
総 論
I.向精神薬の概念  <上島国利>  2
 1.向精神薬とは  2
 2.向精神薬の分類  2
II.向精神薬による精神障害の治療  <上島国利>  5
 1.向精神薬の効果・効用  5
 2.向精神薬投与に際して  7
 3.向精神薬の適切な使い方  8
III.主な向精神薬  15
A.抗精神病薬  <木内祐二>  15
 1.歴史  15
 2.分類  16
 3.薬理作用,薬用動態  27
 4.適応  36
 5.副作用  37
B.抗躁薬  <大嶋明彦>  44
 1.歴史と分類  44
 2.薬理作用,薬用動態  46
 3.適応  48
 4.副作用  49
C.抗うつ薬  <山田光彦>  51
 1.歴史と分類  52
 2.薬理作用,薬物動態  53
 3.適応  55
 4.副作用と安全性  59
D.抗不安薬  <大坪天平>  64
 1.歴史と分類  64
 2.薬理作用,薬物動態,力価  67
 3.適応  70
 4.ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用  74
E.睡眠薬  <吉邨善孝>  78
 1.歴史と分類  78
 2.薬理作用,薬物動態  79
 3.適応  81
 4.副作用  81
F.抗てんかん薬  <横山尚洋>  83
 1.歴史と分類  83
 2.薬理作用,薬用動態  84
 3.適応  87
 4.副作用  88
 5.副作用出現時の対応  91
G.その他の薬剤  <巽 雅彦>  93
 1.抗Parkinson薬  93
 2.抗酒薬  98
 3.脳機能改善薬  100
各 論
1.抗精神病薬  102
A.フェノチアジン系抗精神病薬  <小山田静枝>  102
 1.クロルプロマジン  102
 2.レボメプロマジン  109
 3.塩酸チオリダジン  113
 4.プロペリシアジン  116
 5.ペルフェナジン  118
 6.フルフェナジン  120
 7.プロクロルペラジン  127
B.ブチロフェノン系抗精神病薬  <小山田静枝>  129
 1a.ハロペリドール  129
 1b.デカン酸ハロペリドール  136
 2.ブロムペリドール  139
 3.その他のブチロフェノン系抗精神病薬  142
  a.塩酸モペロン  142
  b.塩酸フロロピパミド(塩酸ピパンペロン)  144
  c.スピペロン  148
  d.チミペロン  151
C.ベンザミド系抗精神病薬  <小山田静枝>  154
 1.スルピリド  154
 2.塩酸スルトプリド  160
 3.ネモナプリド  165
D.チエピン系抗精神病薬  <小山田静枝>  169
 1.ゾテピン  169
E.イミノジベンジル系抗精神病薬  <坂井俊之>  174
 1.カルピプラミン  174
 2.塩酸クロカプラミン  175
 3.塩酸モサプラミン  176
F.インドール系抗精神病薬  <坂井俊之>  180
 1.オキシペルチン  180
G.ジフェニールブチルピペリジン系抗精神病薬  <坂井俊之>  181
 1.ピモジド  181
H.チオキサンテン系抗精神病薬  <坂井俊之>  183
 1.チオチキセン  183
I.その他の抗精神病薬  <坂井俊之>  184
 1.レセルピン  184
 2.配合剤(クロルプロマジン・プロメタジン・フェノバルビタール)  185
J.非定型抗精神病薬(SDA,MARTA)  186
 1.リスペリドン  <小山田静枝>  186
 2.オランザピン  <山田光彦>  193
 3.フマル酸クエチアピン  <山田光彦>  200
 4.塩酸ペロスピロン  <山田光彦>  206
2.抗躁薬  <大嶋明彦>  212
A.炭酸リチウム  212
B.カルバマゼピン  218
C.バルプロ酸ナトリウム  223
D.クロナゼパム  227
3.抗うつ薬  230
A.三環系抗うつ薬(イミノベンジル系)  <山田光彦>  230
 1.塩酸イミプラミン  230
 2.塩酸クロミプラミン  236
 3.その他の三環系抗うつ薬(イミノベンジル系)  240
  a.マレイン酸トリミプラミン  240
  b.塩酸ロフェプラミン  242
B.三環系抗うつ薬(ジベンゾシクロヘプタジエン系)  <山田光彦>  244
 1.塩酸アミトリプチリン  244
 2.塩酸ノルトリプチリン  246
C.三環系抗うつ薬(その他)  <宍倉久里江>  248
 1.アモキサピン  248
 2.塩酸ドスレピン  252
D.四環系抗うつ薬  <宍倉久里江>  254
 1.塩酸マプロチリン  254
 2.塩酸ミアンセリン  258
 3.マレイン酸セチプチリン  260
E.トリアゾロピリジン系抗うつ薬  <宍倉久里江>  262
 1.塩酸トラゾドン  262
F.選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)  <山田光彦>  265
 1.マレイン酸フルボキサミン  265
 2.塩酸パロキセチン  271
G.選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)  <山田光彦>  281
 1.塩酸ミルナシプラン  281
H.その他の抗うつ薬  <宍倉久里江>  288
 1.塩酸メタンフェタミン  288
 2.塩酸メチルフェニデート  289
 3.ペモリン  290
4.抗不安薬  291
A.ベンゾジアゼピン系抗不安薬  <白山幸彦>  291
 1.ジアゼパム  291
 2.アルプラゾラム  296
 3.ブロマゼパム  298
 4.ロラゼパム  300
 5.トフィソパム  302
 6.その他のベンゾジアゼピン系抗不安薬  303
  a.オキサゼパム  303
  b.オキサゾラム  304
  c.フルタゾラム  305
  d.メダゼパム  306
  e.クロルジアゼポキシド  307
  f.フルジアゼパム  308
  g.プラゼパム  309
  h.メキサゾラム  310
  i.ロフラゼプ酸エチル  311
  j.クロラゼプ酸二カリウム  313
  k.クロキサゾラム  314
  l.フルトプラゼパム  315
B.チエノジアゼピン系抗不安薬  <太田有光>  316
 1.クロチアゼパム  316
 2.エチゾラム  318
C.セロトニン作動性抗不安薬  <太田有光>  321
 1.クエン酸タンドスピロン  321
D.その他の抗不安薬  <太田有光>  327
 1.塩酸ヒドロキシジン  327
 2.塩酸カルテオロール  329
5.睡眠薬  331
A.ベンゾジアゼピン系睡眠薬  331
 1.ニトラゼパム  <太田有光>  331
 2.フルニトラゼパム  <太田有光>  337
 3.ロルメタゼパム  <太田有光>  340
 4.エスタゾラム  <太田有光>  342
 5.トリアゾラム  <太田有光>  344
 6.塩酸フルラゼパム  <太田有光>  351
 7.その他のベンゾジアゼピン系睡眠薬  353
  a.ニメタゼパム  <太田有光>  353
  b.ハロキサゾラム  <太田有光>  355
  c.塩酸リルマザホン  <吉邨善孝>  357
  d.ミダゾラム  <太田有光>  358
  e.クアゼパム  <岡島由佳>  360
B.チエノトリアゾロジアゼピン系睡眠薬  <太田有光>  367
 1.エチゾラム  367
 2.ブロチゾラム  369
C.ゾピクロン  <吉邨善孝>  371
D.酒石酸ゾルピデム  <尾鷲登志美>  373
E.バルビツール酸系睡眠薬  <吉邨善孝>  380
 1.バルビタール  380
 2.フェノバルビタール  381
 3.ペントバルビタール塩  382
 4.アモバルビタール  383
 5.セコバルビタールナトリウム  384
 6.チオペンタールナトリウム  385
F.トリクロホスナトリウム  <吉邨善孝>  387
G.ブロムワレリル尿素  <吉邨善孝>  388
H.その他の睡眠薬  <吉邨善孝>  389
 1.セミコハク酸ブトクタミド  389
 2.抱水クロラール  390
 3.パッシフローラエキス  391
6.抗てんかん薬  392
A.バルビツール酸系抗てんかん薬  <稲本淳子>  392
 1.フェノバルビタール  392
 2.プリミドン  393
 3.メタルビタール  394
B.ヒダントイン系抗てんかん薬  <稲本淳子>  395
 1.フェニトイン  395
 2.エトトイン  397
C.ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬  <稲本淳子>  398
 1.ジアゼパム  398
 2.ニトラゼパム  399
 3.クロナゼパム  400
 4.クロバザム  402
D.ベンズイソキサゾール系抗てんかん薬  <稲本淳子>  407
 1.ゾニサミド  407
E.バルプロ酸ナトリウム  <稲本淳子>  411
F.カルバマゼピン  <巽 雅彦>  415
G.トリメタジオン  <巽 雅彦>  420
H.エトスクシミド  <巽 雅彦>  421
I.アセタゾラミド  <巽 雅彦>  422
J.スルチアム  <巽 雅彦>  423
K.アセチルフェネトライド  <巽 雅彦>  424
L.その他の抗てんかん薬  <巽 雅彦>  425
 1.酢酸テトラコサクチド  425
 2.抱水クロラール  426
 3.臭化カリウム  427
 4.臭化カルシウム  428
 5.臭化ナトリウム  429
M.抗てんかん薬(配合剤)  <巽 雅彦>  430
 1.フェニトイン・フェノバルビタール  430
 2.フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン  432
7.抗Parkinson薬  <巽 雅彦>  433
A.硫酸アトロピン  433
B.フェノチアジン系抗Parkinson薬  435
 1.塩酸プロメタジン  435
 2.プロフェナミン  437
C.アミノプロパノール系抗Parkinson薬  438
 1.塩酸トリヘキシフェニジル  438
 2.ビペリデン  440
D.塩酸アマンタジン  442
E.レボドパ  445
F.メシル酸ブロモクリプチン  448
G.ドロキシドパ  451
H.その他の抗Parkinson薬  454
 1.塩酸メチキセン  454
 2.塩酸マザチコール  455
 3.塩酸ピロヘプチン  456
 4.塩酸タリぺキソール  457
 5.メシル酸ペルゴリド  458
I.抗Parkinson薬(合剤)  460
 1.レボドパ・カルビドパ  460
 2.レボドパ・塩酸ベンセラジド  462
8.抗酒薬  <安部康之>  463
A.シアナミド  463
B.ジスルフィラム  465
9.脳機能改善薬  466
A.塩酸チアプリド  <吉邨善孝>  466
B.塩酸アマンタジン  <磯野 浩>  470
C.塩酸ドネペジル  <磯野 浩>  474
10.ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬  <岡島由佳>  482
A.フルマゼニル  482
11.悪性症候群治療薬  <岡島由佳>  486
A.ダントロレンナトリウム  486

薬品名索引  491
事項索引  501

内容説明

本書は主として精神科領域で用いられる向精神薬のうち、精神科治療薬および狭義の向精神薬以外の抗てんかん薬、抗Parkinson薬、抗酒薬、脳機能改善薬などについて解説したものである。

目次

総論(向精神薬の概念;向精神薬による精神障害の治療;主な向精神薬)
各論(抗精神病薬;抗躁薬;抗うつ薬;抗不安薬;睡眠薬 ほか)

著者等紹介

上島国利[カミジマクニトシ]
昭和大学医学部精神科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。