出版社内容情報
《内容》 ◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる. 《目次》 I.造血幹細胞1.レプチンと造血 <梅本有美 中畑龍俊>レプチン レプチン受容体 レプチンの造血作用 今後の展望2.SCL/TAL-1遺伝子と造血幹細胞 <山口祐司>SCL/TAL-1遺伝子の構造 T-ALLにおけるt(1;14)(p33;q11)転座 SCL/TAL-1のcDNAおよび蛋白の構造 SCL/TAL-1の発現 SCL/TAL-1のジーンターゲッティング法による解析 SCL/TAL-1の造血系における役割 SCL/TAL-1の白血病発症への関与 造血系における転写因子の役割 今後の展望3.子宮内幹細胞移植の現状と展望 <加藤俊一>背景 子宮内幹細胞移植の原理 動物における移植モデル 手技 臨床例の報告 倫理的な問題点と今後の展望II.赤血球系1.Fanconi貧血の遺伝子異常 <山下孝之>Fanconi貧血細胞の特徴 Fanconi貧血遺伝子のクローニング Fanconi貧血遺伝子・蛋白質の構造とその異常 日本におけるFanconi貧血遺伝子異常の解析の現況 Fanconi貧血遺伝子産物の機能 Fanconi貧血における臨床表現型の多様性とその分子基盤2.不応性貧血の遺伝子異常 <三谷絹子 平井久丸>染色体異常に伴う遺伝子異常 染色体異常とは無関係な遺伝子変異 遺伝的不安定性 テロメラーゼ活性3.ピルビン酸キナーゼ遺伝子の発現調節 <菅野 仁>赤血球分化に伴うPKアイソザイムのスイッチング R型PKプロモーターの構造と機能 トランスジェニックマウスを用いたin vivo 解析 5'上流域に存在する赤血球特異的エンハンサー PK遺伝子の転写調節研究とPK異常症の治療法に関する今後の展望4.再生不良性貧血における免疫学的機序と治療 <寺村正尚>造血抑制因子による障害 自己反応性T細胞による造血抑制 ATGおよびCyA療法 lymphocytapheresis シクロホスファミド大量療法5.O157による溶血性尿毒症症候群の治療 <小田 慈 萬木 章 清野佳紀>Verotoxin(ベロ毒素:VT)とその毒性,腎障害のメカニズム 1996年の本邦における腸管出血性大腸菌O157感染症の集団発生とその対応 新しい治療法の開発III.白血球系1.乳児白血病の病態とMLL遺伝子 <石井榮一 江口真理子>乳児白血病の臨床像 乳児白血病におけるMLL 遺伝子の関与 乳児白血病の病因とMLL遺伝子 MLL遺伝子再構成の検出方法 乳児白血病の治療と予後 今後の展望2.FLT3/FLK2およびそのリガンドと白血病 <横田昇平>FLT3受容体,リガンドの構造 FLT, FLの機能 正常組織,白血病におけるFLT3,FLの発現 白血病におけるFLT3遺伝子のtandem duplication3.白血病におけるmdr遺伝子およびlrp遺伝子発現と予後 <泉二登志子>mdr1遺伝子およびp-gp発現 lrp遺伝子およびLRP発現 今後の展望4.チロシンキナーゼインヒビター研究の最近の進歩 <岡部實裕 宮城島拓人>チロシンキナーゼ阻害剤の種類と作用機序 PTK阻害剤のbcr/ablキナーゼ抑制とCML細胞に対する効果 Abl PTK阻害剤は臨床応用が可能か?最近の動向と問題点5.ヒ素による白血病治療: Delicious poison? <直江知樹 北村邦朗>ヒ素治療の背景と歴史 上海におけるヒ素治療成績 ヒ素の薬理動態 なぜヒ素がAPLに有効なのか? ATRAのAPL細胞に対する分化誘導機序 ヒ素の分子標的6.G-CSFレセプター異常と好中球減少症 <岡村精一>G-CSFレセプターとその機能領域 G-CSFRを介するシグナル伝達の概略 重症先天性好中球減少症 SCNと白血病IV.リンパ球系1.がん遺伝子と細胞周期 <山田 尚>細胞周期 情報伝達系と細胞周期 がん遺伝子と細胞周期 リンパ系腫瘍と細胞周期関連遺伝子2.Jak3と免疫不全 <湯尾 明>Jakキナーゼの構造と機能 免疫不全症候群と遺伝子異常 SCIDと遺伝子異常 Jak3の欠損とSCID その他のIL-2関連ノックアウトマウス Stat Jak3のその他の役割 遺伝子治療の展望3.アデノシンデアミナーゼ欠損症における遺伝子治療の経過 <崎山幸雄>ADA欠損症とは 遺伝子治療臨床研究 問題点と今後の展望4.血球貪食症候群と悪性リンパ腫 <北澤由美 小池健一>HLHの診断基準 HLHと悪性リンパ腫の関連性 HLHの病態に関与するサイトカイン HLHにおけるsoluble interleukin-2 receptor(sIL-2 R)の意義 新たな治療法の可能性5.可溶性Fasリガンドと血液悪性疾患 <中村幸嗣 元吉和夫>白血病・リンパ腫 慢性骨髄性白血病(CML) 多発性骨髄腫(MM) 血球貪食症候群6.フルダラビンによるリンパ系腫瘍の治療 <大西一功 大野竜三>マウス実験腫瘍およびヒト腫瘍に対する抗腫瘍効果 作用機序 ヒトでの動態 フルダラビンによる臨床試験成績7.C型肝炎ウイルスと悪性リンパ腫 <飯野四郎>C型肝炎ウイルス(HCV)と感染 クリオグロブリン(C)血症とHCV感染 リンパ腫とHCV感染8.造血器腫瘍に対する化学療法と劇症肝炎 <大津智子 佐々木康綱>劇症肝炎とは 化学療法とB型劇症肝炎 化学療法とC型劇症肝炎 その他のウイルスによる劇症肝炎V.血小板1.トロンボポエチンの臨床応用 <溝口秀昭>巨核球・血小板産生を刺激する因子 TPOの動物における作用 TPOの臨床応用 将来の展望2.トロンボポエチンレセプター異常と血小板減少症 <村岡健司 石井榮一 宮崎澄雄>TPOとそのレセプター(c-Mpl)の発見 TPOの発現とその作用 トロンボポエチンレセプター(c-Mpl)の構造とシグナル伝達 トロンボポエチンレセプター(c-Mpl)の異常と血小板減少3.cyclooxygenaseと腸管ポリポーシス <小田 淳 池田康夫>大腸がん予防に関するNSAIDの効果 家族性大腸ポリポーシス(FAP)に対するNSAIDの効果 プロスタグランジン/トロンボキサン産生経路とシクロオキシゲナーゼ FAPモデルマウスにおけるNSAIDの効果 NSAIDによるCOX阻害作用と抗大腸がん/ポリポーシス効果の関連性 NSAIDによるCOX阻害作用と抗大腸がん/ポリポーシス効果の関連性を支持しない報告 COX-1およびCOX-2ノックアウトマウス4.アデノシンレセプターと血小板 <鈴木宏治 出口 洋>アデノシンとAR 血小板凝集とAR アデノシン誘導体の臨床応用の可能性VI.凝固1.凝固因子およびその制御因子のgene targetingによる新しい機能の解析 a.第V因子および第VIII因子 <嶋 緑倫 吉岡 章>第V因子および第VIII因子の構造と機能 第V因子のジーンターゲティング 第VIII因子のジーンターゲティング b.組織因子 <浦野 元 武谷浩之 鈴木宏治>TF-VIIa因子相互作用 TF遺伝子の発現調節 組織因子の血液凝固以外における生物活性 TF遺伝子ノックアウト(KO)マウス c.トロンボモジュリンとトロンビン受容体 <丸山征郎>トロンボモジュリン(thrmbomodulin,TM),最近の進歩 トロンビンとその受容体 トロンビン/TR-トロンボモジュリンの関係 第2のトロンビン受容体(PAR 3)2.プラスミノゲン/フィブリノゲンの組織修復に果たす役割 <窓岩清治 坂田洋一>創傷治癒機転 創傷治癒とプラスミノゲンアクチベータ-プラスミン系 新生血管内皮の形成とプラスミノゲンアクチベータ-プラスミン系 創傷治癒とマトリックスメタロプロテアーゼ3.高ホモシステイン血症と血栓症 <宮田敏行>ホモシステインの代謝 血中ホモシステイン濃度 高ホモシステイン血症の臨床症状 軽度な高ホモシステイン血症 高ホモシステイン血症と心血管系疾患 高ホモシステイン血症による血管傷害メカニズム
目次
1 造血幹細胞
2 赤血球系
3 白血球系
4 リンパ球系
5 血小板
6 凝固