図解血球 生理・病態・臨床<br> 白血球

図解血球 生理・病態・臨床
白血球

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  • サイズ B5判/ページ数 203p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784498025561
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 序  近年,血液学領域の基礎的並びに臨床的研究の進歩はまことにめざましいものがある.造血におけるサイトカインの役割りや遺伝子レベルでの発癌機構の解析がすすむにつれ,さまざまな血液疾患の成因と病態生理の全貌が次第に明らかになろうとしている.このような基礎的研究の成果は,いち早く血液病の診療に取り入れられ,診断と治療のうえで新しい展開があいついでいる.  血液学に関心を抱く医学生と研修医,そして若手医師を対象に,血液疾患の成因や病態生理に関する日進月歩の知見がどのようにして臨床へ導入されていくのか,できるだけ図解的にわかり易く解説し,新しい血液学の基本と方向を理解していただこうというのが本シリーズの目的である.そして,ハンディな書とするため3冊に分け,「赤血球」「白血球」「血小板 止血・凝固・線溶」に整理した.各巻の流れを(1)生理,(2)病態生理,(3)臨床の順序とし,内科学や血液学の普通の教科書と異なり,(1)と(2)に重点を置き,(3)については診断と治療の概略を解説する程度にとどめた.  血球3系統の観点から血液疾患を3つのカテゴリーに分けて記述する方式は,以前から教科書でよく採用されてきた.しかし,赤血球の病気,白血球の病気といった分類は必ずしも当をえたものではない.たとえば再生不良性貧血では血球3系統のすべてが減少し,逆に,真性赤血球増加症ではすべてが増加する.今日の考えでは,どちらも造血幹細胞の異常に起因する疾患であるから,複数の血球系統に異常が発現するのは当然で,これをあえて赤血球の疾患と分類することには異論が出よう.見方によっては白血球や血小板のところで扱ってもよく,あるいは,造血幹細胞異常という項目を別に設けるべきかもしれない.本シリーズでは,3分冊への配分は慣習的な方式を踏襲したが,全体としてできるだけ重複を避け,書き落としがないよう配慮をしたつもりである.  執筆陣には,血液病の専門医であると同時に,血液学領域で最先端の研究に従事しておいでの方々をお願いした.ご多忙中,執筆のため快く貴重な時間をお割きいただいたことに深甚の謝意を表する.併せて,本書の制作に当たられた中外医学社の担当者にも厚くお礼を申し上げる. 1994年1月 編集者一同    《目次》 目次 1 白血球の生理 A.好中球系 〈朝長万左男〉1 1.ライフサイクル 1 a.産生とその調節 1 b.分布 5 2.形態 6 a.骨髄芽球 6 b.前骨髄球 7 c.骨髄球 8 d.後骨髄球 8 e.杆状核球および分節核球 9 3.機能 9 a.遊走能および走化能 10 b.貪食能および食胞形成 11 c.殺菌能 11 d.消化能 12 e.炎症 13 f.好中球機能とCSF 13 B.好酸球 〈朝長万左男〉14 1.ライフサイクル 14 a.産生 14 b.分布 15 2.形態 15 3.機能 17 C.好塩基球と肥満細胞 〈朝長万左男〉17 1.ライフサイクル 17 2.形態 18 3.機能 19 D.単球-マクロファージ系 〈坂本 忍〉20 1.ライフサイクル 20 a.産生とその調節 20 b.分布 24 2.形態 25 a.単球系細胞の形態 25 b.マクロファージの形態 26 3.機能 27 a.遊走と貪食 27 b.抗原提示 30 c.感染防御 30 d.炎症反応の修飾 31 e.抗腫瘍作用 31 f.老化赤血球の処理 32 E.リンパ球,形質細胞系 〈坂本 忍〉32 1.分類 32 1)Tリンパ球 32 2)Bリンパ球 34 3)形質細胞 34 4)natural killer細胞 34 2.ライフサイクル 35 a.産生とその調節 35 1)Tリンパ球 35 2)Bリンパ球 39 3)natural killer細胞 43 b.分布 43 1)Tリンパ球,Bリンパ球の組織分布 43 2)粘膜組織と関連したリンパ組織 45 3.形態 46 4.機能 48 1)Tリンパ球,Bリンパ球の機能 48 2)免疫反応調節機構としてのリンパ球 54 3)natural killer細胞の機能 56 5.免疫グロブリン 57 a.免疫グロブリンの構造 57 b.免疫グロブリンの機能 59 2 白血球の病態生理 A.白血球の量的異常 〈中野 優・外山圭助〉66 1.好中球の量的異常 67 a.好中球増加症の原因 68 b.好中球増加の機序 68 c.好中球減少症の原因と発生機序 68 d.無顆粒球症の原因薬物とその発生機序 71 2.好酸球増加症 72 3.好塩基球増加症 75 4.単球増加症 75 5.好酸球減少症・好塩基球減少症および単球減少症 77 6.リンパ球の量的異常 77 a.リンパ球増加症の原因とその機序 78 b.リンパ球減少症の原因とその機序 81 7.類白血病反応 81 B.白血球の形態異常 〈中野 優・外山圭助〉82 1.核の異常 82 a.遺伝性核過分葉症 82 b.PELGER-HUET核異常 83 2.細胞質の異常 83 a.MAY-HEGGLIN異常 83 b.JORDAN異常 83 c.黒内障性白痴 amaurotic idiocy 83 3.顆粒の異常 83 a.ALDER-REILLY異常 83 b.CHEDIAK-HIGASHI症候群 83 C.好中球の機能異常 〈中野 優・外山圭助〉84 1.原発性好中球機能異常症 86 a.lazy leukocyte syndrome(なまけもの白血球症候群) 86 b.白血球接着不全症 87 c.高IgE症候群(JOB症候群) 87 d.CHEDIAK-HIGASHI症候群 88 e.慢性肉芽腫症 88 f.ミエロペルオキシダーゼ欠損症 88 2.続発性好中球機能異常症 89 3.好中球機能に影響する液性因子の異常 89 D.免疫不全症 〈中野 優・外山圭助〉89 1.免疫不全とその病態 90 2.原発性免疫不全症 92 a.抗体欠乏を主とする免疫不全症 92 1)伴性無γグロブリン血症 92 2)IgA欠損症 92 3)IgGサブクラス選択的欠損症(時にIgA欠損を伴う) 92 4)common variable immunodeficiency(CVID) 94 5)乳児一過性低γグロブリン血症 94 b.複合免疫不全症 94 1)重症複合免疫不全症 94 2)ADA欠損症 94 3)PNP欠損症 96 c.その他の特徴的な免疫不全症 96 1)WISKOTT-ALDRICH症候群 96 2)ataxia telangiectasia 96 3)第3,4鰓嚢症候群(DI GEORGE症候群) 97 3.続発性免疫不全症 97 E.白血球の腫瘍性疾患 〈大野竜三〉 100 1.造血器腫瘍の種類と概念 100 a.白血病 101 b.白血病と白血性 102 c.白血病の定義 103 d.骨髄性白血病と非リンパ性白血病 103 e.慢性リンパ性白血病群と非HODGKINリンパ腫の小細胞型 104 f.悪性リンパ腫と非HODGKINリンパ腫 104 g.CMLとCGL 104 h.骨髄異形成症候群 104 i.骨髄増殖性疾患群とCML 105 j.骨髄線維症は腫瘍か二次的現象か 106 k.好酸球増加症候群 106 l.免疫芽球性リンパ節症 107 m.Ki-1リンパ腫 108 n.形質細胞性腫瘍 108 o.悪性組織球症 111 p.類白血病反応 112 2.造血器腫瘍の成因と発生機序 112 a.造血器腫瘍の原因としてのウイルス 113 1)成人T細胞白血病とHTLV-1 113 2)BURKITTリンパ腫とEBウイルス 114 b.染色体異常と癌 115 c.放射線と白血病 118 d.抗癌剤投与後の二次発癌としての造血器腫瘍 118 e.癌(関連)遺伝子と造血器腫瘍 119 f.癌抑制遺伝子 120 3.造血器腫瘍細胞の細胞起源とクローン性 121 4.造血器腫瘍細胞の増殖機構 124 3 白血球の臨床 A.非腫瘍性疾患 〈朝長万左男〉126 1.無顆粒球症 126 定義 126 臨床症状 126 診断 126 治療 127 2.伝染性単核症 128 定義 128 臨床症状 129 診断 129 治療・予後 130 3.後天性免疫不全症 130 定義 130 臨床症状 130 診断 130 治療・経過 131 B.腫瘍性疾患 〈古沢新平〉132 1.診断に有用な検査 132 a.末梢血液検査(血算一式) 132 b.骨髄検査 132 c.悪性リンパ腫診断のための生検 132 d.特殊染色(細胞化学) 132 e.電顕 133 f.免疫学的マーカー 133 g.染色体分析 135 h.遺伝子解析 135 i.生化学的検査 135 j.免疫学的検査 135 k.画像検査 135 2.主な治療法 136 a.抗腫瘍療法 136 1)化学療法 136 2)放射線療法 137 3)分化誘導療法 137 4)サイトカイン療法 137 5)免疫療法 138 b.支持療法 138 1)感染症対策 139 2)出血対策 139 3)貧血対策 139 4)腫瘍融解症候群 139 3.急性白血病 140 診断のすすめ方 140 治療のあらまし 144 コンサルテーションのタイミング 147 4.慢性骨髄性白血病 148 診断のすすめ方 148 治療のあらまし 150 コンサルテーションのタイミング 151 5.慢性リンパ性白血病群(CLLS) 151 診断のすすめ方 151 治療のあらまし 153 コンサルテーションのタイミング 154 6.骨髄異形成症候群 155 診断のすすめ方 155 治療のあらまし 156 コンサルテーションのタイミング 157 7.悪性リンパ腫 157 診断のすすめ方 157 治療のあらまし 160 コンサルテーションのタイミング 162 8.形質細胞性腫瘍 162 診断のすすめ方 162 治療のあらまし 164 コンサルテーションのタイミング 165 C.新しい診断,治療法の原理と意義 〈小澤敬也〉166 1.モノクローナル抗体による診断法 166 2.染色体分析法 169 3.遺伝子診断法 173 a.SOUTHERN分析法による遺伝子診断 173 b.PCR法の応用 177 4.骨髄移植 179 a.同種骨髄移植(allo-BMT) 180 b.自家骨髄移植(auto-BMT) 184 5.サイトカイン療法 184 a.G-CSFとGM-CSF 184 b.エリスロポエチン 188 c.インターロイキン(IL)-1,3 189 d.インターフェロン(IFN) 189 e.サイトカインの新しい臨床応用 190 略語一覧 193 索引 199

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