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症状からひく薬の副作用

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  • サイズ A5判/ページ数 498p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784498017542
  • NDC分類 491.5
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 治療中に生じた予期しない症状が薬の副作用であるかいなかは迅速に判断しなければならないが,使用医薬品が多い場合や従来は報告されていない薬品が原因である場合は,原因医薬品の確認は困難を伴う.加えて全ての副作用が医薬品の使用中に出るものとは限らない.
本書は副作用症状からその原因医薬品が検索できる資料を,常用料で発現しうる「重大な副作用」と「1%以上の出現頻度で認められる副作用」からまとめ,多忙な診療時間内に臨床の場で,症状から原因医薬品を短時間に推測でき,役立つように編纂したものである.
副作用が全く認められない薬はなく,その不測の事態に備えておくべき便利な1冊である.

 副作用が全く認められない医薬品は,存在しない.
 その事実を受け入れた上で,私たちは医薬品のメリットを最大限に生かして,病と戦う武器のひとつとしている.
 とはいえ,副作用がもたらす不利益には,しばしば看過できない内容が含まれている.とりわけ突然死,ショック,けいれん,心不全などのきわめて重大な副作用については,それらが生じうることをあらかじめ心に留めておき,万一の不測の事態に備えておかなければならない.
 治療中に生じた予期しない症状などが,医薬品の副作用によるものか否かは,迅速に判断する必要がある.対応の遅れや,わずかな判断ミスが取り返しのつかない健康被害を招きかねない.
 新たに生じた症状を医薬品の副作用であると推測するためには,使用中のすべての医薬品をリストアップして,その使用期間と症状発現との間に,何らかの関連性がないかを調べる必要がある.
 使用医薬品の種類が少ない場合や副作用誘発作用がよく知られている薬物の場合では,原因薬品の確認は比較的容易である.
 しかし,医薬品の種類が多い場合や,従来は報告されていない薬品が原因である場合では,その確認は困難を伴う.このような条件のもとでは,私たちは疑わしい薬をすべて中止して症状が消失するかどうかを観察する必要に迫られる.
 加えて,すべての副作用が,医薬品の使用中に出るのではないことも,銘記しておかなければならない.
 このような作業を行う場合,リストアップしたすべての医薬品の添付文書やインタヴュー・フォームを見ることが原則ではあるが,それらの資料を集める手間と熟読する時間的なゆとりは,多忙な診療時間内にとても得られるものでない.しかも,副作用症状からその原因医薬品が検索しやすい資料はなかなか見つからない.そこで,著者は常用量で出現しうる「重大な副作用」と「1%以上の出現頻度で認められる副作用」をまとめてみた.その結果,副作用症状から原因医薬品を短時間のうちに推測できる資料が完成した.
 本書は,それらの資料を,臨床の場ですぐに役立つように編纂しなおしたものである.
 上梓にあたり,企画から編集そして出版にいたるまで,常に最大限の努力を注いで下さった,中外医学社の常務取締役青木滋氏,企画部荻野邦義氏,編集部秀島悟氏に心からの感謝の気持ちを捧げます.
  2003 年2月 本郷にて
    梅田悦生
    

《目次》
第1章 救急救命処置を要する副作用 1
  A 突然死,乳児突然死症候群 1
  B1 心破裂 3
  B2 心停止 3
  C 呼吸停止 5
  D 意識障害(昏睡,失神,意識障害・混濁) 5
  E ショックとアナフィラキシー 9
第2章 全身性に現れる副作用症状 29
  A 過敏症,アレルギー反応 30
  B1 悪性症候群 syndrome malign 31
  B2 悪性高熱 34
  C1 薬剤熱 drug fever=発熱・悪寒・戦慄 35
  C2 熱感,のぼせ 38
  D 薬物依存症(禁断症状,離脱症状,退薬症候を含む) 40
  E 倦怠感,脱力感,無気力 43
  F ほてり,顔面紅潮 49
  G GVHD,特に輸血後GVHD graft-versus host disease移植片対宿主病 50
  H SLE全身性エリテマトーデス様症状 51
  I 体重の増加・減少 52
  J 浮腫 53
  その他の副作用 55
第3章 感染症状に関連する副作用 61
  A 感染症の誘発(増悪) 62
  B 緑膿菌感染症 63
  その他の副作用 64
第4章 神経内科領域の副作用 67
  A1 脳梗塞 70
  A2 脳出血 71
  A3 脳塞栓 72
  A4 脳血管障害 72
  B けいれん・てんかん様発作 73
  C1 錐体外路症状 79
  C2 アカシジア(静坐不能症) 79
  C3 ジスキネジア 80
  C5 遅発性ジスキネジア 80
  C6 ジストニア(筋緊張異常) 81
  C7 パーキンソン症候群 82
  C8 筋緊張亢進 82
  C9 振戦 83
  D 頭痛,頭重 86
  E 傾眠,眠気 91
  F しびれ感 95
  G 運動失調 96
  H 痴呆 96
  I 白質脳症 97
  J 末梢神経障害 97
  K 無菌性髄膜炎 99
  その他の副作用 100
第5章 精神科領域の副作用 109
  A 錯乱・興奮 110
  B 幻覚・妄想 114
  C うつ・うつ転 115
  D せん妄 118
  E 異常感覚 119
  F 自殺企図 119
  G 睡眠障害 120
  H 精神変調 121
  I 不安・焦燥 122
  J 不眠 122
  その他の副作用 124
第6章 心臓・血管系 129
  A: 不整脈=脈拍の異常 131
  特別A1 心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む)132
  特別A2 動悸,頻脈 135
  B: 心筋・心膜に関するもの 138
  特別B2 狭心症発作 138
  特別B3 心筋梗塞 140
  C: 血管のトラブル 141
  特別C 血圧異常 141
  特別C1 血圧上昇・高血圧 141
  特別C2 血圧低下・低血圧 143
  A3 完全房室ブロック 145
  A4 徐脈 146
  A5 心室細動 147
  A6 洞停止または洞房ブロック 148
  A7 不整脈 149
  A8 房室ブロック 150
  不整脈のその他の副作用 151
  B4 心筋障害 153
  B5 うっ血性心不全 153
  B6 心胸比増大 155
  B7 心不全 155
  心筋・心膜に関するその他の副作用 158
  C3 血管浮腫 159
  C4 血栓症 160
  血管のトラブルのその他の副作用 162
  D その他の副作用 165
第7章 呼吸器系の副作用 169
  A 急性呼吸窮迫症候群 170
  B1 呼吸困難 171
  B2 無呼吸発作 174
  C 喘息発作 175
  D PIE 症候群=肺浸潤 177
  E 間質性肺炎 179
  F 気管支けいれん 185
  G 咳 186
  H 炭酸ガスナルコーシス 187
  I 肺水腫 188
  J 肺線維症 190
  K 無気肺 190
  その他の副作用 191
第8章 消化器系の副作用 195
  A 胸やけ 197
  B 胃・十二指腸潰瘍・出血,消化管出血・穿孔 198
  C 薬剤性大腸炎 203
  C1 偽膜性大腸炎 203
  C2 大腸炎 204
  D 麻痺性イレウス 207
  E1 肝機能障害 209
  F 黄疸 218
  G 胃腸障害 220
  H 胃痛・腹痛 222
  I 中毒性巨大結腸 225
  J 高度な腸炎 226
  K 下痢・軟便 226
  L 便秘・硬便232
  M 急性膵炎 235
  N 膵炎 235
  その他の副作用 237
  O 悪心,嘔気,嘔吐,胃部不快感 243
  P 食欲不振 253
第9章 内分泌系の副作用 259
  A 糖尿病 260
  B 低血糖 261
  C 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 261
  D 続発性副腎皮質機能不全 263
  E 乳汁分泌 264
  F 男性乳房痛・女性化乳房 264
  その他の副作用 265
第10章 血液内科領域の副作用 267
  A 再生不良性貧血 268
  B 骨髄機能抑制 272
  C 溶血性貧血 274
  D 急性血小板減少性紫斑病 277
  E 血液障害 278
  F 出血・出血傾向 279
  G 貧血,鉄欠乏性貧血 281
  その他の副作用 283
第11章 整形外科領域の副作用 287
  A 横紋筋融解 288
  B ミオパチー 289
  C 骨粗鬆症 293
  D 骨頭無菌性壊死 294
  E 関節痛 295
  F 筋肉痛 296
  G 肩こり 297
  H 重症筋無力症 297
  I 腱断裂 298
  J 腰痛・背部痛 299
  その他の副作用 299
第12章 泌尿器科領域の副作用 303
  A 急性腎不全などの重篤な腎障害 304
  B 偽アルドステロン症 311
  C 血尿 314
  D ネフローゼ症候群 315
  E 腎不全 316
  F 萎縮膀胱 318
  G 排尿障害,排尿痛・頻尿・残尿感 318
  H 頻尿 319
  I 膀胱炎,膀胱刺激症状 320
  その他の副作用 320
第13章 産婦人科 325
  A 不正出血 326
  その他の副作用 326
第14章 皮膚科領域の副作用 331
  A 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス-ジョンソン症候群) 334
  B 中毒性皮膚壊死症,TEN,Lyell症候群 340
  C 発疹,発赤,蕁麻疹 345
  D かゆみ 350
  E 光線過敏症型薬疹 353
  F 座瘡,座瘡様皮疹,毛のう炎 353
  G 色素沈着354
  H 天疱瘡様および類天疱瘡様皮疹 355
  I 刺激感(しみる) 355
  J 脱毛,白髪化 356
  その他の副作用 358
第15章 眼科 367
  A 緑内障,眼圧亢進 369
  B 白内障,後のう白内障 372
  C 角膜・水晶体混濁 374
  D 眼調節障害 375
  E 羞明 375
  その他の副作用 376
第16章 耳鼻咽喉科 383
  A めまい・立ちくらみ 385
  B 口渇 390
  C 口内炎 393
  D 第8神経障害,聴力低下 395
  E 喉頭浮腫 397
  その他の副作用 397
第17章 臨床検査上に現れる副作用症状 405
 妊娠と薬 461
  A 妊婦X:投与禁忌 463
  B 妊婦D:原則として投与禁忌 473
索 引 483

目次

救急救命処置を要する副作用
全身性に現れる副作用症状
感染症状に関連する副作用
神経内科領域の副作用
精神科領域の副作用
心臓・血管系
呼吸器系の副作用
消化器系の副作用
内分泌系の副作用
血液内科領域の副作用
整形外科領域の副作用
泌尿器科領域の副作用
産婦人科
皮膚科領域の副作用
眼科
耳鼻咽喉科
臨床検査上に現れる副作用症状
妊娠と薬