出版社内容情報
《内容》 本書は好評書「正常値・診断マニュアル」の姉妹編として， 主要な症候や検査値異常から何を考え， 検査をどう利用し， 解釈して診断に至るかを示したハンディなベッドサイドマニュアルである. 主要症候40， 臨床検査110， 生理機能検査44にわたり， 各項目に必ず診断・鑑別診断の道筋， 手順を示すチャート・表を入れて， その実践のポイントを示すとともに， 誤りや落ちのない診断， 検査がチェック出来るよう構成した. 医学生， 研修医， 臨床医に広く役立つ便利な臨床診断指針書である. 序 本書は中外医学社発行の“基準値・診断マニュアル(正常値・診断マニュアル改題)”および“300疾患診療マニュアル”につづくもので，マニュアル3部作として企画されたものである.既刊のマニュアルはいずれも大変好評に迎えられているので，これらの加え日常診療で必要かつ充分な必携3部作マニュアル書を意図して作られた. 本書では特に次の点に重点をおいた. 1.見開き2頁とし，左頁に鑑別診断のエッセンスをチャートで図解し，右頁に鑑別のプロセスを簡潔に解説した. 2.類書にない特色として，生理機能検査値についても鑑別診断チャート図を作成してある. 〈例〉心電図:narrow QRS 脳波：突発性曲在性異常脳波 腹部エコー：肝内占拠性像 呼吸機能：クロージングボリュームの増加 以上，本書は腫瘍な症候，検査値異常からの鑑別診断の道筋をチャート形式で簡明に表記したもので，編者らの意図が幸い受け入れられ診療のよき伴侶として愛用されれば，それに優る喜びはない. 1996年4月 編者代表 中井 利昭 《目次》 目次 §I.症候 1.発熱 〈永武 毅〉2 2.全身倦怠感 〈永武 毅〉6 3.肥満 〈堀田 饒〉10 4.体重減少 〈堀田 饒〉12 5.めまい 〈江藤文夫〉14 6.意識障害 〈江藤文夫〉16 7.痙攣 〈江藤文夫〉20 8.耳鳴 〈山元敏正・島津邦男〉22 9.頭痛 〈山元敏正・島津邦男〉24 10.胸痛 〈三木 誠・貫和敏博〉28 11.呼吸困難 〈三木 誠・貫和敏博〉32 12.動悸・不正脈 〈井上大介〉36 13.チアノーゼ 〈井上大介〉40 14.咳・痰 〈工藤宏一郎〉42 15.喀血・血痰 〈工藤宏一郎〉44 16.吐血 〈田中直見〉48 17.下血 〈田中直見〉50 18.腹痛 〈田中直見〉52 19.悪心・嘔吐 〈井上正規〉56 20.食欲不振 〈井上正規〉58 21.嚥下障害 〈矢花 剛・佐々木茂〉60 22.下痢 〈矢花 剛・小林壮光〉62 23.便秘 〈小林壮光・矢花 剛〉64 24.肝，脾腫 〈池田有成〉66 25.黄疸 〈池田有成〉68 26.腹部膨満感 〈池田有成〉72 27.浮腫 〈竹田徹朗〉74 28.血尿 〈竹田徹朗〉76 29.乏尿・無尿 〈草野英二〉78 30.多尿・頻尿 〈草野英二〉80 31.出血傾向 〈中原一彦〉82 32.リンパ節腫脹 〈中原一彦〉86 33.嗄声 〈福田宏之〉88 34.四肢のしびれ感 〈庄司進一〉90 35.筋力低下・筋肉痛 〈庄司進一〉92 36.運動失調・歩行障害 〈廣瀬源二郎〉94 37.視力障害 〈廣瀬源二郎〉96 38.視野障害 〈廣瀬源二郎〉99 39.関節痛 〈渡辺一雄・西間木友衛〉102 40.Rannaud症状 〈渡辺一雄・西間木友衛〉104 41.皮膚そう痒 〈宮内俊次〉106 §II.血液生化学検査 A.酵素 1.CK・CKアイソザイム 〈永井良三〉110 2.GOT・GPT・mGOT 〈北見啓之・石川雅邦・佐藤信紘〉112 3.ALP・ALPアイソザイム 〈菅野剛史〉114 4.LDH・LDHアイソザイム 〈菅野剛史〉116 5.γ-GTP 〈中野 博〉118 6.コリンエステラーゼ 〈中野 博〉120 7.アミラーゼ・アミラーゼアイソザイム 〈菅野剛史〉122 B.蛋白 8.総蛋白・その分画 〈櫻林郁之介〉124 9.免疫グロブリン(IgG・IgA・IgM・IgD) 〈伊藤喜久〉127 10.IgE(免疫グロブリンE) 〈石井秀一〉130 11.血清・尿α1-マイクログロブリン 〈伊藤喜久〉132 12.ハプトグロビン 〈高木 康〉134 13.ミオグロビン 〈高木 康〉136 14.心筋ミオシン軽鎖I 〈高木 康〉138 C.非蛋白窒素化合物 15.尿酸 〈菱田 明〉140 16.血清クレアチニン値 〈菱田 明〉142 17.アンモニア窒素 〈大久保昭行〉144 18.アミノ酸・その分画 〈大久保昭行〉146 D.補体・その他 19.補体CH50，C3，C4 〈清野 仁〉148 E.糖代謝・有機酸 20.グルコース(血糖) 〈河津捷二〉150 21.インスリン(IRI)・C-ペプチド(CPR) 〈小林 正〉154 22.グルカゴン(IRG) 〈七里元亮・岸川秀樹〉156 23.シアル酸 〈山根一秀〉158 24.総コレステロール 〈梶波康二・馬渕 宏〉160 25.HDL-コレステロール 〈中井継彦〉162 26.リポ蛋白・その分画 〈齊藤 康〉165 27.アポ蛋白・その分画 〈齊藤 康〉168 28.トリグリセリド 〈中井継彦〉170 29.遊離脂肪酸 〈松島照彦〉172 30.胆汁酸 〈松崎靖司〉174 31.ビリルビン 〈足立幸彦〉176 32.リポ蛋白(a) 〈松島照彦・鈴木浩明〉178 F.ビタミン 33.ビタミンB12・葉酸 〈橋詰直孝〉180 G.電解質・金属 34.カリウム(K) 〈成瀬光栄〉182 35.ナトリウム(Na) 〈小岩文彦〉184 36.カルシウム(Ca) 〈五十嵐徹也〉187 H.血液ガス 37.動脈血pH 〈三嶋理晃・久野健志〉190 38.動脈血CO2分圧 〈大塚洋久〉192 39.動脈血O2分圧 〈大塚洋久〉194 40.血漿HCO3- 〈三嶋理晃・久野健志〉196 I.色素排泄試験 41.ICG試験 〈野村文夫〉198 §III.内分泌学的検査 A.下垂体 1.GH・ソマトメジン 〈松崎 宸〉202 2.ACTH 〈田中孝司〉204 3.LH・FSH 〈藤原敏博〉208 4.プロラクチン 〈高原二郎・佐藤 誠〉210 5.TSH 〈越智幸男・梶田芳弘〉212 6.ADH(抗利尿ホルモン) 〈草鹿育代・石川三衛〉216 B.甲状腺・副甲状腺 7.甲状腺ホルモン(T4，T3，freeT4，freeT3) 〈紫芝良昌〉218 8.TBG(サイクロキシン結合グロブリン) 〈家入蒼生夫〉221 9.サイログロブリン 〈橋爪潔志〉224 10.副甲状腺ホルモン(PTH) 〈中井利昭〉226 C.副腎皮質 11.レニン・アンギオテンシン・フルドステロン 〈重富秀一〉228 12.コルチゾール 〈須田俊宏〉232 D.副腎髄質 13.尿中カテコールアミン 〈中井利昭〉234 14.尿中VMA 〈天野功二〉236 E.性腺・胎盤 15.エストロゲンとプロゲステロン 〈本庄英雄・卜部 論〉238 16.テストステロン・DHT 〈今井強一〉240 F.内分泌学的検査・その他 17.血中ナトリウム利尿ペプチド(ANP・BNP)濃度 〈小川佳宏・中尾一和〉242 §IV.血液学的検査 A.血液 1.ヘモグロビン・ヘマトクリット・赤血球数・赤血球指数・網赤血球数 〈浦部晶夫〉246 2.血小板数 〈押味和夫〉250 3.白血球数・白血球百分率 〈押味和夫〉252 4.骨髄像 〈押味和夫〉254 5.鉄(Fe)・TIBC・UIBC・トランスフェリン 〈内田立身〉256 6.フェリチン 〈内田立身〉258 7.赤沈 〈熊坂一成〉260 B.凝固・線溶 8.出血時間・毛細血管抵抗試験 〈松野一彦〉262 9.血小板機能検査 〈松野一彦〉264 10.APTT・PT 〈櫻川信男〉266 11.トロンボテスト・ヘパプラスチンテスト 〈櫻川信男〉272 12.β-トロンボグロブリン・PF-4 〈高松純樹〉276 13.フィブリノゲンおよびその関連物質 〈渡辺清明〉278 14.アンチトロンビンIII(AT III) 〈渡辺 潤・新井盛夫〉280 15.プロテインC・プロテインS 〈福江英尚・福武勝幸〉282 16.プラスミノゲン・α2アンチプラスミン・プラスミン-α2アンチプラスミン複合体 〈高松純樹〉285 §V.免疫学的検査 A.自己抗体・細胞免疫・血液型 1.サイロイドテスト・ミクロゾームテスト 〈星岡 明・河野陽一〉288 2.リウマトイド因子(RF) 〈菅井 進〉290 3.LE細胞テスト・LEテスト・抗核抗体 〈高崎芳成〉292 4.抗DNA抗体・抗Sm・抗RNP抗体 〈佐々木毅〉294 5.抗SS-A／Ro抗体・抗SS-B／La抗体 〈佐々木毅〉296 6.抗リン脂質抗体 〈佐々木毅〉298 7.抗赤血球抗体(Coombs試験) 〈小峰光博〉300 8.抗ミトコンドリア抗体 〈前田 隆・山本泰猛〉303 9.NK細胞活性 〈山根一秀〉306 10.リンパ球サブセット 〈山根一秀〉308 B.非ウイルス性病原体 11.梅毒血清反応 〈田口誠治・片庭義雄〉310 12.ASO・ASK・ADN-B 〈村田美紗子〉312 C.免疫学的検査・その他 13.寒冷凝集反応 〈壇 和夫〉314 14.C反応性蛋白(CRP) 〈菅井 進〉316 §VI.腫瘍マーカー 1.AFP 〈今井浩三・須貝 茂〉320 2.CEA 〈今井浩三・光内正樹〉322 3.CA19-9 〈大蔵久直〉324 4.CA125 〈有吉 寛・桑原正喜・葛谷和夫〉328 5.TPA 〈舩渡忠男〉330 6.SCC抗原 〈加藤 紘〉332 7.NSE 〈有吉 寛・桑原正喜〉334 8.PIVKA-II 〈藤山重俊〉336 9.SLX(シアリルSSEA-1) 〈山川 治・澤武紀雄〉338 §VII.尿・弁・髄液検査 1.尿蛋白 〈富野康日己〉342 2.尿糖 〈富野康日己〉344 3.尿ケトン体 〈富野康日己〉346 4.尿ウロビリノーゲン・ビリルビン 〈伊藤機一〉348 5.尿潜血 〈石館武夫〉350 6.尿中β2ミクログロブリン・α1ミクログロブリン・NAG 〈谷亀光則〉352 7.便潜血 〈竹下俊隆〉354 8.髄液細胞数・髄液蛋白・髄液糖 〈春田恒和〉356 9.尿量・pH・比重 〈伊藤機一〉358 10.尿白血球反応・亜硝酸塩試験 〈伊藤機一〉360 §VIII.腎機能検査 1.内因性クレアチニンクリアランス 〈折田義正〉364 2.PSP排泄テスト 〈折田義正〉366 3.Fishberg濃縮テスト 〈折田義正〉368 §IX.膵外分泌機能検査 1.PFDテスト・セクレチンテスト 〈北川元二・成瀬 達・早川哲夫〉372 §X.生理機能検査 A.心電図 1.P波の異常 〈杉 薫〉376 2.P波の欠如 〈杉 薫〉378 3.PR間隔の延長，短縮 〈杉 薫〉380 4.P-P(またはR-R)間隔の異常 〈杉 薫〉382 5.narrowQRS 〈川良徳弘〉384 6.wideQRS 〈伊東敏弘・桜井正之〉388 7.STの上昇，低下 〈奥村 謙〉394 8.T波の異常 〈奥村 謙〉398 9.QT間隔の異常 〈高柳 寛〉402 10.U波 〈高柳 寛〉404 B.心音図 11.収縮期雑音 〈松山裕宇・菱田仁士〉406 12.拡張期雑音 〈松山裕宇・菱田仁士〉409 13.連続性雑音 〈松山裕宇・菱田仁士〉412 14.II音分裂 〈松山裕宇・菱田仁士〉414 15.III音，IV音 〈松山裕宇・菱田仁士〉416 C.脈波 16.脈波波形の異常 〈椎名晋一〉418 17.波高の異常 〈椎名晋一〉420 D.脳波 18.突発性広汎性異常脳波 〈福澤 等〉422 19.突発性局在性異常脳波 〈福澤 等〉426 20.持続性性汎性異常脳波 〈大久保善朗〉428 21.持続性局在性異常脳波 〈松浦雅人〉430 22.異常波と間違えやすいアーチファクト 〈松浦雅人〉432 E.筋電図 23.安静時の異常放電 〈横田隆徳〉436 24.随意収縮時の異常放電 〈横田隆徳〉438 25.伝導速度の遅い場合 〈小林高義〉440 26.伝導ブロック 〈小林高義〉442 F.心エコー 27.心エコーフリースペース 〈谷川 直〉444 28.僧帽弁エコー異常 〈谷川 直〉446 29.大動脈，大動脈弁エコー異常 〈高元俊彦・広中英治〉450 30.心室中隔・左室後壁エコー異常 〈高元俊彦・広中英治〉454 G.腹部エコー 31.エコーフリースペース 〈康本真由美〉456 32.肝内占拠性像 〈康本真由美〉458 33.胆嚢異常エコー 〈中村 宏〉460 34.膵臓異常エコー 〈中村 宏〉462 H.呼吸機能 35.％肺活量の低下 〈宮里逸郎〉464 36.1秒率の低下 〈宮里逸郎〉468 37.残気量の異常 〈谷合 哲〉472 38.フローボリューム曲線の形の変化 〈谷合 哲〉476 39.クロージングボリュームの増加 〈神辺眞之〉480 40.A-aDo2の開大 〈神辺眞之〉482 41.拡散能力(Dlco)の低下 〈久田哲哉〉484 42.気道抵抗，呼吸抵抗の異常 〈谷合 哲〉486 43.肺コンプライアンスの異常 〈谷合 哲〉489 病患・症候索引 491 検査法・検査項目索引 509
