出版社内容情報
《内容》 医療の始まりは「ことば」であり,医療の終わりもまた「ことば」である.医師はことばの持つ重要性を再認識したうえで相手とどのように円滑なコミュニケーションを計るかを謙虚に考えなければならない.本書では医療の中で「ことば」が持つ様々な側面について,各方面の専門家が具体例をおり混ぜ独自の視点から意見を述べている.医の原点ともいうべき「ことば」を考える上で示唆に富む必読の書である. 《目次》 I 医の原点 ことば〈永井友二郎〉 l幸田 文さんとことば l医療の流れと病人の人間理解 4人間理解の方法 8医療とことば 12むすび 15II ことばによる伝達 国語文章論の立場から〈永野 賢〉 17誤解はなぜ起こるか 伝わるのは音だけである 17一般的意義と個別的意味 表現,理解の幅 22客観的文脈と主観的脈絡 言語伝達の過程 29事物の表現と自分の立場 ことばと心 33むすび 心の声 38III ことばによる医療の実際 問診・説明・指導〈阿部正和〉 40はじめに 40医療のあり方についての私の基本的考え方 41人間とはどういう存在か 44医のアート 47納得同意(informed consent) 48コミュニケーションとは 49ことばと対話の重要性 51問診とことば 56説明・指導とことば 61悲観的な病気を持つ病人への説明 65死に臨む病人への接し方 67むすび 69IV 医療の中のことば カウンセリングを中心に〈平井信義〉 71はじめに 71患者という存在 71医師という存在 78医師と患者の関係 84ヘルス カウンセリングについて 101むすび 116V カウンセリングの心をもった実地診療〈日向野晃一〉 ll8はじめに 118「ムンテラの科学」との出会い 120医師と裸の王様 121ムンテラの役割 122むすび 140VI 言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション 〈鈴木荘一〉 141いとぐち 信頼関係はコミュニケーションから始まる 141言語的コミュニケーション 144非言語的コミュニケーション 148症例に学ぶ 154むすび ことばとことばを超えるものと 158VII 心身医学の立場から〈鈴木仁一〉 160ことば教育の必要性 緒言にかえて 160診察時のことば 164治療にあたってのことば 169医師のことばについての教養 179むすび 182あとがき〈阿部正和〉 183