出版社内容情報
《内容》 現在話題の臓器移植の免疫機構を最新の知見により興味深く簡明にまとめた.自己と非自己の識別・移植とHLAアロ抗原刺激・移植における拒絶反応・腎移植におけるトレランス・肝移植におけるトレランス・免疫抑制剤とモノクローナル抗体を使った新しい免疫抑制法など，移植免疫の研究と臨床の現況，最近の進歩，問題点，今後の展望などを理解するのに大いに役立つであろう. 《目次》 目次 I.自己と非自己の識別 〈高田 肇，他〉 1 はじめに 2 A.主要組織適合性複合体 2 B.クラスI抗原の分類と構造 5 C.クラスI抗原の発現 7 D.クラスII抗原の分類と構造 8 E.クラスII抗原の発現 9 F.HLA抗原領域の遺伝子構成 10 G.HLA抗原とT細胞レセプターの高次構造 15 H.HLA抗原の発現過程 18 I.自己と非自己の識別におけるMHC抗原とT細胞の役割 20 J.遺伝的多型性とHLAタイピング 23 K.遺伝的多型性と疾患感受性の分子機構 25 L.トレランスと自己免疫 29 M.臓器移植と拒絶反応 32 N.免疫系の発生と自己，非自己の認識 33 II.移植とHLAアロ抗原刺激 〈此枝義記〉 35 はじめに 36 A.MHCクラスI(HLA-A，B，C) 37 1.HLA抗原間における交差反応性 38 2.妊娠における抗原刺激 40 3.特異的決定基と共通抗原決定基 40 a.共通抗原エピトープの検討 41 b.アロ抗原としての刺激性 48 4.活性化抗原CD69と適合度 61 5.腎移植における適合度と移植成績 62 B.MHCクラスII(HLA-DR，DQ，DP) 64 1.リンパ球混合培養 64 2.アロ抗原性 64 3.腎移植における適合度と移植成績 65 まとめ 68 III.移植における拒絶反応 〈阪上賢一，他〉 69 はじめに 70 A.拒絶反応の機構 70 1.APCによる抗原提示 71 2.T細胞による抗原認識 73 3.TCRを介したシグナル伝達 76 4.in vitroにおける同種移植片の拒絶 77 5.拒絶反応とグラフト内浸潤細胞 80 6.拒絶反応とサイトカイン 81 B.拒絶反応の制御 83 1.T細胞モノクローナル抗体(muromoab CD3;OKT3) 84 2.抗CD4モノクローナル抗体 86 3.抗IL-2レセプター抗体 86 4.抗IL-2抗体 88 5.抗γインターフェロン抗体(抗IFN-γ抗体) 88 6.抗ICAM-1(CD54)抗体 89 7.抗TNF抗体 90 8.抗パーフォリン抗体 91 9.抗クラスII抗体 91 C.donor-specific blood transfusion(DST)と拒絶反応 94 まとめ 96 IV.腎移植におけるトレランス 〈早坂勇太郎，他〉 97 はじめに 98 A.腎移植の臨床 99 B.抗原認識における抗原レセプターとMHC拘束 101 C.免疫トレランスとアポトーシス 104 D.腎移植における免疫トレランスの導入 112 E.異種移植と免疫トレランス 116 V.肝移植におけるトレランス 〈岡 隆宏，他〉 121 はじめに 122 A.肝臓のもつ免疫学的特異性 122 1.肝の免疫原性 122 2.肝臓自体のもつ免疫抑制作用 123 B.実験的肝臓移植におけるトレランス 123 1.ラットの系による拒絶反応の違い 124 2.長期生着ラット(BN→LEW)肝移植における組織学的変化 125 3.長期生着ラットにおける免疫寛容の機序 125 a.抗クラスII抗体 125 b.抗イディオタイプ抗体 126 c.可溶性クラスI抗原 126 d.clonal deletion 126 e.サプレッサー細胞 127 C.臨床肝移植におけるトレランス 128 まとめ 128 VI.免疫抑制剤 〈軍司祥雄，他〉 131 はじめに 132 A.免疫抑制剤の分類 133 B.CsA，FK506，RAPAの免疫学的作用の比較 134 C.immunophilinの発見 137 D.cyclophilin，FKBPの高次構造の解析 140 E.immunophilinとligandsの複合体 141 F.新しい免疫抑制剤のin vivoにおける効果と副作用 144 G.RS61443とbrequinar sodium(BQR) 148 H.モノクローナル抗体 149 I.今後の展望 150 文献 153 索引 179
