免疫学ハイライト<br> 接着分子 - 免疫反応のコーディネーター

免疫学ハイライト
接着分子 - 免疫反応のコーディネーター

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  • サイズ A5判/ページ数 85p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784498006843
  • NDC分類 491.8
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 細胞どうしの結合, 及び細胞と血清蛋白,細胞外基質, あるいはウイルスや細菌との結合を媒介する細胞接着分子の, 生体の恒常性を保持する機能分子として, また免疫反応のコーディネーターとしての役割を中心に, その分類と機能, 発現制御, 免疫応答の制御, 疾患との関わり等を最新の情報により, 興味深く, わかり易く解説した. 医学, 薬学系はもちろん広く自然科学を志す学生, 若手研究者の接着分子学入門書として是非おすすめする. 序  生体は機能的,形態的に異なった多くの細胞群の集合体である。生体が1個の生命体としてその恒常性を維持していくためには,空間的にも連続性を欠くこれらの細胞群が,それを取り巻く環境の変化(又は無変化)に対応して自らの反応を調節したり,直接及び間接的に他の細胞群の反応を制御することが必須である。環境因子は極めて多彩であり,ウィルス,細菌,血清蛋白,細胞,細胞外基質が含まれる。この環境因子と細胞との相互作用を媒介する分子が接着分子(因子)である。したがって執筆にあたっては,“生体反応の制御因子としての接着分子(因子)”という観点を強調すべく,4章に分け,各々分類と機能,発現制御,免疫応答の制御,疾患について述べた。  細胞接着分子(因子)に関する研究の急速な進歩と文献の氾濫の中で,執筆前の企図に合ちする様に本書をまとめることができたか否かは,読者の皆様の判断にゆだねるとして,北海道大学免疫科学研究所免疫病態部門の諸氏とりわけ猪部学,永井由美子両氏には校正の手伝いをしていただいたほか,読者としての立場から有益な助言をいただいた。近年細胞接着分子に関する出版が多い中で本書の特徴を出すのに多いに役立だった。本書が医学・薬学系ばかりでなく広く自然科学をこころざす学生・若い研究者の“接着分子学”への入門の手がかりとなれば幸いである。 1994年11月 上出利光    《目次》 目次 はじめに 1 I.接着分子の分類と機能 3 A.インテグリンファミリー 4 1.構造 4 2.分類と機能 7 B.イムノグロブリンスーパーファミリー 11 1.構造と分類 11 2.機能 13 3.多様性 14 C.セレクチンファミリー 15 1.構造と分類 15 2.機能 16 D.CD44 18 1.構造 18 2.分類と機能 19 E.ヘパリン硫酸プロテオグリカン 20 1.分類 21 2.機能 22 II.接着分子発現の制御 25 A.分化による接着分子発現の制御 26 B.接着分子の質的変化 27 C.接着分子の存在部位の変化による制御 28 1.転座 28 2.インターナリゼーション 29 D.接着分子の量的変化による制御 29 1.新たな蛋白合成 29 2.発現カイネティクスの差による制御 30 3.sheddingによる発現減少 30 III.接着分子による免疫応答の制御 33 A.炎症反応の接着分子による制御 34 1.第1段階(セレクチンによる白血球のローリング) 34 2.第2段階(白血球活性化によるインテグリン分子の活性化) 36 3.第3段階(安定的結合) 37 B.リンパ球ホーミングの接着分子による制御 37 C.T細胞活性化の接着分子による制御 40 1.T細胞活性化における補助シグナルの役割 40 2.接着分子による免疫抑制 42 3.CD28・CTLA-4とそのリガンド 44 D.腫瘍細胞の免疫系からのエスケープ 47 E.細胞死と接着分子 50 IV.接着分子と疾患 53 A.接着分子異常に基づく免疫不全 54 1.白血球粘着不全症(LAD) 54 2.LAD-2 56 3.高IgM血性伴性免疫不全症 57 B.ウィルス感染と接着分子 59 1.構造 59 2.細胞表面への結合 60 3.adenovirusの感染 60 C.接着分子と自己免疫疾患 61 1.DNT細胞の異常集積と接着分子 61 2.接着分子と細胞障害活性 62 3.接着分子発現異常とループス病態との関連 66 4.新しい接着分子と自己免疫疾患 67 D.虚血後再灌流障害と接着分子 68 1.好中球浸潤と接着分子 69 2.接着分子を介する血管内皮と好中球の相互作用 71 3.心筋障害と細胞接着分子 74 4.虚血後再灌流による心筋組織障害過程 75 5.再灌流障害の治療 77 文献 79 索引 83

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