Annual review免疫 〈2001〉

Annual review免疫 〈2001〉

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  • サイズ B6判/ページ数 372p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784498006584
  • NDC分類 491.8
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 免疫領域の特に注目すべきトピックスを選び,それぞれ第一人者が内外の文献をふまえて,最新の進歩をreviewしている.単なる文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.どのような業績,文献があったかを毎年確実にフォローできる.主要な文献を網羅していることにより,reference sourceとしても便利. 序  新しい世紀を迎え,20世紀の免疫学の足跡を辿ってみると,血清から細胞へ,細胞から分子へと,周辺分野の成果を巻き込みながら,免疫機構の詳細な解析が大きく進んだことに今更ながら驚きを感じる.疫病の予防という実学から始まったこの学問も,純学問的な展開を大きく遂げながら,多方面に実用的な幾多の果実をもたらしてきた.画期的な恩恵が生み出される気配も感じられる.  免疫細胞の細胞内シグナル伝達,機能発現にかかわる重要な分子が次々と同定され,その役割が解明されつつあるが,その欠陥が特定の疾患の成因となっていることが明らかにされたものも多い.今年免疫グロブリンのクラススイッチや突然変異にかかわっていると考えられるAID(activation induced cytidine deaminase)が同定され,その異常が常染色体性遺伝の高IgM血症の一因であることが見つかった.この話題は今回紹介するのは間に合わなかったが,他のいくつかの疾患原因分子について解説されている.こうした疾患はいずれ遺伝子治療の対象となり,抜本的治療への道が開けることに繋がろう.  癌を免疫学的な方法で治療しようという試みは,古くからさまざまの手段でなされてきたが,思うような成果がえられていない.しかしながら近年,ヒトでの腫瘍免疫の標的となりうる抗原ペプチドが次々と同定され,樹状細胞を用いたり,免疫増強分子の遺伝子導入を行ったりして,強い免疫応答を誘導する手段が開発され,夢が現実に近づきつつあると実感されるようになった.ひと頃挫折するかに見えたこの分野に光明がさした気がする.  生体防御が生物の生存にとって必須のテーマであることを反映して,生物の種を通して共通の機構が存在することは予想できるところである.ショウジョウバエのToll類縁の分子が哺乳類でも微生物を捕捉するマクロファージのレセプターとして使われていることはその一例であろう.植物の感染防御にも類似分子が使われているらしい.幅広い生物学の知識が,ヒトの免疫機構の理解にも重要であることを示している.免疫学の守備範囲は広がる一方で,すべての科学領域を包合していくように見える.しかしそれは本来の免疫学にとって大きな実りとなって戻ってくるはずである.  21世紀の免疫学の更なる発展への期待を込めて本書をお送りする. 2000年11月 編者一同    《目次》 目 次 2001年「免疫」領域のホームページとリンク集  <鳥越俊彦 佐藤昇志>  viii I.B細胞  1.TGF-βによるIgAへのクラススイッチ誘導機序  <花井順一>  1  2.CD72によるB細胞活性化の制御  <安達貴弘>  12  3.新しい粘膜免疫誘導システムの存在--腸管におけるB-1細胞からのIgA産生   <廣井隆親 寺脇正剛 清野 宏>  20 II.T細胞  1.T細胞活性化とLipid Raft--Raftにおけるチロシンリン酸化の制御   <小杉 厚 坂倉純子 安田好文>  28  2.TCRシグナル伝達に関わる新しい分子群  <田中伸幸>  37  3.TCRシグナルの負の制御  <原 暁 山崎 晶 斉藤 隆>  48  4.共シグナルの制御因子  <原正士 湊 長博>  55  5.Th1細胞分化とTecファミリー非レセプター型細胞内チロシンキナーゼTxk   <鈴木 登 坂根 剛>  65 III.マクロファージ・抗原提示細胞  1.樹状細胞の分化・成熟・活性化と機能  <稲葉カヨ 尾松芳樹 稲葉宗夫>  73  2.抗原提示細胞とT細胞のインターフェースにおける抗原認識の分子機構   <入江 厚 西村泰治>  84  3.LPS識別におけるToll like receptorとMD分子  <赤司祥子 三宅健介>  94  4.酸化型/還元型マクロファージとTh1,Th2細胞の誘導  <村田幸恵 羽室淳爾>  103  5.DC1,DC2その分化と機能  <尾崎吉郎 伊藤量基 尼川龍一 福原資郎>  118  6.プロテアソームによる内在性抗原プロセシング機構研究の新しい展開   <村田茂穂 田中啓二>  128 IV.NK細胞・NKT細胞  非メチル化CpG-DNAによるNK細胞の活性化  <伊保澄子 山本三郎>  137 V.サイトカイン・ケモカイン  1.Th1/Th2応答制御因子としてのケモカイン  <石川 昌 松島綱治>  147  2.サイトカイン,抗原受容体シグナル伝達におけるGabファミリー分子の役割   <西田圭吾 平野俊夫>  156  3.STAT1とSTAT3による炎症性サイトカインの産生制御  <竹田 潔 審良静男>  163  4.MIFの基礎と臨床  <西平 順>  169 VI.接着分子・共刺激分子  1.接着分子の活性・発現制御の分子機構  <藤本浩子 田中良哉 南 康博>  179  2.セレクチンのリガンドとその意義  <金森審子 神奈木玲児>  188  3.OX40/OX40リガンドの生理的役割  <秋葉久弥>  195 VII.免疫組織  1.腸管cryptopatch(CP)における上皮細胞間Tリンパ球前駆細胞の発達分化   <金森 豊 種田貴徳 鈴木健司 石川博通>  205  2.胚中心におけるB細胞機能分子  <桑原一彦 藤村 睦 阪口薫雄>  211  3.末梢リンパ組織の発生について  <吉田尚弘>  219  4.末梢リンパ組織形成におけるリンフォトキシン(LT),BLCケモカイン,SLCケモカイン  <垣内史堂 中野英樹>  229 VIII.免疫調節・免疫寛容  1.Tr細胞によるbystander suppression  <香山雅子 穂積信道>  237  2.PD-1受容体と自己免疫疾患  <西村泰行>  244  3.IAPによるリンパ球機能の制御  <幡野雅彦 疋田 聡 徳久剛史>  252  4.T細胞サブセットとアナジーからの回復要因  <塚田(大楠)晃三 由井克之>  260 IX.感染と免疫  1.経口トレランスの誘導と腸内細菌  <田中和生>  270  2.細菌感染防御とToll-like receptor  <竹内 理 審良静男>  278  3.CD14を介する肺サーファクタント蛋白質によるLPS誘導細胞応答制御   <黒木由夫 佐野仁美>  285 X.腫瘍免疫・移植免疫  1.樹状細胞による外来性腫瘍抗原のMHCクラスI経路による提示   <生田安司 珠玖 洋>  293  2.癌関連網膜症の自己抗原による腫瘍免疫の誘導   <前田亜希子 大黒 浩 佐藤昇志>  299  3.分泌型熱ショック融合蛋白質による癌拒絶とCTL  <山崎浩一>  308  4.腫瘍特異抗原としてのCancer-Testis(CT)抗原  <池田英之 佐藤昇志>  317 XI.免疫疾患  1.特発性肺胞蛋白症と抗GM-CSF自己抗体  <中田 光 内田寛治 慶長直人>  328  2.BLNK欠損症  <峯岸克行>  334  3.自己免疫性多腺性内分泌不全症I型の原因遺伝子AIRE  <工藤 純 清水信義>  342  4.IL-12受容体β1鎖欠損症  <榮 達智 松岡雅雄>  350  5.アトピー性脊髄炎,アトピーと運動ニューロン疾患  <吉良潤一>  358 索 引    367

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