内容説明
本書は余華の中編小説『活着』に注解をほどこしたものである。余華およびこの作品については巻末に説明をつけた。この小説の特徴はなんといっても面白いこと、迫真の中国農村像に遊べることである。時は1940年代から現在まで、地主の息子に生まれた男の波乱の生涯を描くが、これは同時に農民の眼の高さで見た中国現代史でもある。
感想・レビュー
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Taq Asaq
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邦題「活きる」。お勉強がてらに、頑張って原文で読んだとも。中級学習者向けに、難しい表現や単語は日本語注釈が付いているので、いちいち辞書をひく必要はないけれど、それでも1日2~4ページ程のペースで、夏頃から進めてきた。それだけに、読み終えたときは感動だったね。もちろん、内容も感動的だった。ある農夫が語る、歴史に翻弄された変転の人生。国共内戦から文革の波乱万丈を描く物語って鉄板だよね。語り終えた農夫が、農村の夕闇に消えてゆくラストが素晴らしい。中国の真っ赤な大地が目の前に映るかのようで名残惜しくさえあった。2014/11/09