内容説明
海賊たちを通して描く海から見た中国史。南海に遠征した鄭和、中国人倭寇の首領王直、台湾を攻略した鄭成功、清代の艇盗の乱の首領蔡牽など中国の海に名を馳せた人々の事績から、中国人の海洋進出の歩みを探る。
目次
序章 海賊の虚像と実像
第1章 初期の中国海賊(漢~南北朝)
第2章 海外貿易の発展と海賊(唐~元)
第3章 倭寇と中国海賊(明)
第4章 台湾の海賊たち(明末清初)
第5章 南海の海賊反乱(清)
第6章 今を生きる海賊(清末~現代)
終章 中国史上の海賊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あらい/にったのひと
1
95年の本なので30年前の本。現代の厦門として紹介されている写真も81年のもので、なんとジャンク船の帆がたくさん写ってるという。隔世の感とはこのことか…内容は中国における海賊史なんだけど、最後はマニラとかなのでフィリピンに移っている。概説という感じであまり個々の事象には触れていないけれど、アジア圏における海賊や水軍の雰囲気を知るにはよい本でした。なかなか中央政府があてにならない世界の話ですね。辺境の描き方の1つという感じもします。2024/08/09
残留農薬
0
村上衛『海の近代中国:福建人の活動とイギリス・清朝』(名古屋大学出版会、2013年)も併せて読みたい2015/12/06