内容説明
台湾は満州とともに、かつて日本の植民地支配下にあった。本書では、政治や経済・芸術・医学などの分野で、日本領有期間と中国復帰後に跨って活躍した十三人に焦点を当てて、その人物像を描いた。それぞれの生涯を通して、百年来の台湾史の一面と時代の背景を窺うことができる。
目次
第1部 日本統治から日中戦争へ(列強に揺れる島―台湾前史;日本軍の台北入城―台湾総督府の功臣、辜顕栄;日本統治下の法曹界―台湾初の法学博士、葉清耀;台湾民族運動の芽生え―政治運動のリーダー、林献堂;民族運動とアヘン問題―台湾民衆党の創設者、蒋渭水;アヘン根絶への努力―医学界の中心人物、杜聡明;民族資本家の登場―悲劇の銀行家、陳〓;巻き起こる新文学運動―台湾文学の父、頼和;日本統治下の民間福祉―社会事業のパイオニア、施乾;戦争と流行歌―台湾歌謡の先駆者、〓雨賢;日中戦争終結と台湾―政界の長青樹、蔡培火)
第2部 二・二八事件から現代への歩み(二・二八事件の衝撃―台湾現代史の転換点;国民党への反感高まる―議場の大砲、郭国基;抵抗する文学者たち―台湾文学界の第一人者、呉濁流;知識人の苦悩―硬骨の社会思想家、楊逵)