東方選書<br> 清代知識人が語る官僚人生

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清代知識人が語る官僚人生

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  • サイズ 46判/ページ数 300p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784497224057
  • NDC分類 317.922
  • Cコード C0322

内容説明

清代の知識人がめざした官僚人生とは何だったのか。科挙に合格できる受験能力と官僚として生身の人間に対処する実務能力とはまったく性質の異なるものであり、そこでの成功、というより失敗しないことは科挙に合格するよりも難しかった。そこで、科挙に合格して、知県という県の長官を担当し、役人のためのハンドブックである官箴書『福恵全書』も著わした黄六鴻なる知識人を本書のナレーターとして、「順調な官僚人生」を歩むのには、いかなることが重要だったのかについて語ってもらった。黄六鴻は『福恵全書』を通して当時の県政のコツを後進の知県たちに伝授し、任地の住民に書名が示すような「福恵」を施す「義」の実践を期待したに違いない。だが実際のところ、黄六鴻およびその忠告を受けた後輩知県たちによって治められた民衆は果たして「福恵」を享受したのであろうか。そこにはまさしく儒教政治の理想の下に統治された人々の現実が垣間見られる。

目次

第1章 官僚への道
第2章 官僚人生の始まり
第3章 知県という職業
第4章 知県の人間対応
第5章 黄六鴻の事件簿
第6章 その後の人生

著者等紹介

山本英史[ヤマモトエイシ]
1950年、滋賀県草津市生まれ。東洋文庫研究部研究員、慶應義塾大学名誉教授。博士(文学)。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。山口大学人文学部講師・助教授、慶應義塾大学文学部助教授・教授を経て現在に至る。専門は明清史・中国近代社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さとうしん

13
清代の官箴書『福恵全書』を中心にして見る地方官のキャリアと生活。科挙受験から始まり任地での知県の仕事ぶり、官吏同士の関係、そして離任までを解説。正規の役人だけでなく胥吏や衙役、幕友の生態についても紙幅を割いている。清初には挙人止まりでも知県として任用される道があったというのが意外。本書で取り上げられている黄六鴻は会試には受からなかったのに、後年会試の同考官を務めているのも思しい。知県や衙役などは中国時代劇でも登場することが多く、鑑賞のうえで必要な知識を提供してくれるだろう。2024/04/17

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