目次
第1篇 1917年~1949年 中国現代文学の誕生(文学の生まれる場―周作人にとっての『遠野物語』;凌叔華の燕京大学における学び―女性作家と教育;郁達夫「二詩人」における諷刺とユーモア;葉霊鳳が描いた男女に見られる「椿姫」の影響―1932年以降の作品を中心に;銭鍾書と呉〓;『星洲日報』副刊主編時期の郁達夫における南洋に対する認識について―描写表現の変化と胡愈之との比較から;中山樵夫訳『苦悶する支那』を探る―日中戦争下に中国人の実相を伝えた翻訳者)
第2篇 1949年~1999年 探求する作家たち(巴金と芹沢光治良―文学者の交流;1965年の老舎の“声”;笑いに託されたもの―葉石涛「晴天和陰天」論;黄春明「両個油漆匠」の改編をめぐって;香港作家・也斯の「対話」による創作活動;寧瀛監督作品『找楽』における「紀実」が担うもの;「偶然」から必然へ 〓永明と「白夜」―(知識人への)自由な公共空間提供の重要性)
第3篇 2000年~ 近現代を超えて(呉祖光の『風雪夜婦人』;欧陽子「日本童年的回憶」についての一考察―“回憶”と“記憶”のあいだ;亦舒『我的前半生』にみる「全職太太」;賈樟柯映画の女性表象―記号から物語へ;李碧華「50年」へのまなざし―『〓脂扣』『覇王別姫』及び香港反政府運動における「不変」へのアプローチをめぐって;タイムトラベル禁止令の波紋―映像制作者の取捨選択と創作;台湾同志文学が日本統治期を語ることの可能性と不可能性)
付録 本書概観「空間と時間の見取図」