内容説明
如何にして孔子廟が中華帝国の礼制に組み込まれていったのか、ひいては政治に取り込まれていったのかを、孔子廟を巡る様々な歴史的事象を丹念にたどりながら論考を加える。付録に太公望呂尚を祀る「武廟」についての論考を収める。
目次
第1章 孔子廟の祭祀と帝国の礼制
第2章 道統と治統の間―明嘉靖九年(一五三〇)の孔子廟制度改革に見る皇帝権力と祭祀儀礼
第3章 清初政権におけるイデオロギーの探究―政治化する道統観
第4章 孔子塑像の撤廃と聖師祭
第5章 『野叟曝言』と孔子廟文化
第6章 荀子―孔子廟従祀の欠席者
附録 武廟の興起と衰退(七世紀から十四世紀まで)―政治文化の視点から
著者等紹介
黄進興[コウシンコウ]
1950年、台湾生まれ。筆名呉詠慧。国立台湾大学歴史系学士・同大学修士、アメリカ・ハーバード大学歴史学博士(1983)。中央研究院歴史語言研究所副研究員・研究員・所長等を経て、中央研究院副院長兼歴史語言研究所特聘研究員。中央研究院院士。専門は中国思想史・中国宗教文化史・史学理論
工藤卓司[クドウタクシ]
1979年、大分県竹田市生。広島大学文学部人文学科卒、同大学大学院文学研究科博士課程前期及び後期修了。博士(文学)。国立台湾大学中国文学系・中央研究院中国文哲研究所・国立清華大学中国文学系等で博士後研究、国立台湾師範大学文学院・福岡教育大学教育学部及び奈良教育大学教育学部での非常勤講師、台湾・致理科技大学応用日語系副教授を経て、県立広島大学地域創生学部准教授。専門は中国思想・経学・日本漢学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。