内容説明
清末の京劇改良の動きや外国演劇の影響を受けて誕生した中国の現代演劇「話劇」。日本の新劇に大いに刺激を受けた留学生達が活躍した草創期から、日本軍占領下の魔都・上海や国民党地区・共産党地区(解放区)でそれぞれの特色をもった演劇が上演された抗日戦争期、政治が話劇を激しく揺さぶった反右派闘争や文化大革命期、改革開放の流れとともに探索戯劇など新しい演劇形態も登場、多様化してきた八〇年代以降、そして二一世紀、商業主義の台頭の中、中国演劇はいかなる未来を模索するのか。『中国演劇の二十世紀』(一九九九年)に大幅加筆、具体的な演目や重要人物の動きとともに中国演劇の流れを逐い、さらに台湾・香港・マカオの演劇状況をも紹介した中国演劇史、待望の決定版!
目次
文明戯(早期話劇)の時代
新文化運動と話劇の成立
プロレタリア演劇の盛衰―一九三〇年代の話劇(上)
話劇の成熟―一九三〇年代の話劇(下)
抗日戦争期国統区の話劇
孤島・淪陥区と国共内戦期国統区の話劇
解放区の話劇
人民演劇の光と影―建国十七年の話劇(上)
二つの路線の闘い―建国十七年の話劇(下)
話劇の実質的空白―文化大革命期の話劇〔ほか〕
著者等紹介
瀬戸宏[セトヒロシ]
1952年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部中国文学専修卒業、同大学院文学研究科中国文学専修博士課程修了。博士(文学)。中国現代文学演劇専攻、またその周辺の比較演劇、中国近現代史、社会主義論などにも関心がある。摂南大学名誉教授。主な著書:『中国話劇成立史研究』(東方書店、2005年、2006年日本演劇学会河竹賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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