内容説明
カタカナになった中国地名はちょっとヘン―!?教科書、教師用指導書、受験参考書、地図帳に蔓延するトンデモ地名たち。中国地名の不思議なカタカナ表記は、はたして一体いつ、誰が、何のために始めたものなのだろうか!?その探求は、戦前まで時間をさかのぼり、海を越え韓国・タイへと広がってゆく…!!!
目次
第1章 教科書・地図帳・指導書の中国地名表記(学校地図帳の中国地名カタカナ表記;地図帳の中国語音節カタカナ表記の特徴 ほか)
第2章 国語審議会と文部省の文献(中国地名カタカナ表記の根拠となる各種文献;文部省と国語審議会による昭和二十~三十年代の文献 ほか)
第3章 戦前の文献を巡って(戦前の教科書と地図帳;戦前のカナモジ運動とローマ字運動 ほか)
第4章 現代のカタカナ表記を巡る問題(現代の中国語カタカナ表記を巡って;中国固有名詞カタカナ表記の基礎にあるもの ほか)
附論 韓国語とタイ語の中国地名表記を巡って(中国固有名詞の中国語音に対するハングル表記について;タイ語における東アジア地名表記の変遷)
著者等紹介
明木茂夫[アケギシゲオ]
中京大学国際教養学部教授(中国古典楽理)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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さとうしん
3
明木茂夫氏と言えば、これまで論文や小冊子の形で地理の授業で使う地図帳などに出てくる中国地名のカタカナ表記(天津→テンチン、珠江→チュー川の類)の問題点やそのルーツについて研究されてたが、本書はその集大成。カタカナ表記が戦前の日本語表記漢字廃止論(カタカナあるいはローマ字での日本語表記を推進する動き)の影響を受けていると見られることや、日本語での読み方しか知らないと欧米言語での会話に出てくる中国の人名・地名に対応できないことが外交官を中心に戦前から既に問題視されていたことなど、興味深いトピックが多い。2014/08/07
しえろ
0
中学生の時には気づかなかったが、その後当時の地図帳を見返した折に、中国の地名がカタカナで書かれていて驚くと同時に、使い物にならず辟易したものだった。ここ最近の変化かと思っていたがそうではなく、漢字廃止論の流れを汲むものと知り、「現地のことを考えて」「国際化云々」といった説明の不可解さにも得心がいった。2015/11/22
クァベギ
0
社会科教科書の中国固有名詞のカタカナ表記がおかしいということは以前から知っていたので、書店で本書を見て興味を引かれ、購入。読んでわかったのは、妙なカタカナ表記の源泉は「戦前のローマ字派、カナモジ派を含む漢字廃止の動き」にありそうだ、ということ。それから、一部の主要紙(新聞)のカタカナルビもおかしいらしい。そのほかいろいろなことを知った。 2022/02/23
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