内容説明
1940年代―日本占領下の上海に稲妻の如く現れ人々の心を揺さぶり今なお世界を魅了する「伝奇」的女性作家張愛玲(一九二〇‐一九九五)。その生きた軌跡と作品を読み解く。
目次
第1部 張愛玲と上海―人と時代(日中戦争期の中国文学―北京・上海;張愛玲―愛と生と文学 ほか)
第2部 華麗と蒼涼と―作品と技巧(張愛玲と『伝奇』―中国と西洋の接点;『流言』考―張愛玲・一九四三‐四五年 ほか)
第3部 上海以後(張愛玲における時代と文学―一九五〇年代の短篇小説から;張愛玲と白先勇―“失落”の時機をめぐって ほか)
第4部 書評およびその他(台湾で見る張愛玲研究のことなど;張愛玲死す ほか)
著者等紹介
池上貞子[イケガミサダコ]
1947年埼玉県生れ。東京外国語大学中国語学科を経て、東京都立大学大学院修士課程修了。跡見学園女子大学文学部教授。中国語圏現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fonfon
4
まず「華麗にして蒼涼」な張愛玲にふさわしい、とても美しい装丁に感激!あとがきの、池上先生が張愛玲にだされた手紙に返信はなかったのに15年後にそっくりそのまま発見されたエピソードに、思わずもらい泣きしてしまった。池上先生、どうかもっともっと、張愛玲の作品を翻訳してください。お待ちしています。2011/05/19
かしこ
3
本の種類上しょうがないのかもしれないが、同じことが何回も書いてある。愛玲の家がお金持ちで貴族的だったこと。お父さんがアヘンやってて、継母からは虐待されたこと。お母さんが西洋好きでヨーロッパに行っててあまり愛玲といてくれなかったこと。ファティマという親友がいてとても愛していたこと。育ちが不安定な割には精神的に安定している方なのではないかな?人に攻撃的だったりしないし。愛玲の書く無力な美しい女の子の切ない物語と愛玲ってそんなに重ならない。2024/12/08
nene
2
論文集ではあるが、張愛玲初心者である私には面白く、一気読みをした。彼女の小説に漂う「不思議な雰囲気」、いわゆる大陸の小説とは異なる華麗さや、価値観の転倒とも思われる感覚の来源が、垣間見える。往年の上海が感じられるのもよい。2015/06/26
nene
1
論文集ではあるが、張愛玲初心者である私には面白く、一気読みをした。彼女の小説に漂う「不思議な雰囲気」、いわゆる大陸の小説とは異なる華麗さや、価値観の転倒とも思われる感覚の来源が、垣間見える。往年の上海が感じられるのもよい。2015/06/26