内容説明
近年、中国では、各地の諸機関や民間に所蔵されていた私文書や写真、フィルムなどのさまざまな史料が「発掘」されている。改革開放下で起こった中国社会の地殻変動が、こうした史資料を「発掘」可能な表層へと浮かび上がらせたといえる。「地殻変動」は、歴史の当事者や経験者による証言活動および採集活動をも活発化し、貴重な史料の一角を形成している。本書は、中国現代史研究で、これら「新史料」を取り扱う上での問題点や解決方法を具体例に基づき論考した初の史資料研究書である。
目次
第1部 口述(フィールドワークと近現代江南農村―太湖流域社会史調査に即して;山西農村調査と史資料;上海女性の生育をめぐる語り ほか)
第2部 電子化(胡適記念館所蔵資料のデジタル化;アメリカの東アジア研究とデジタル化;台湾のデジタルアーカイブプロジェクト ほか)
第3部 地方文献(地方史研究と王清穆日記;時空の相互連動―江南・蘇北間の労働力循環(1800~1950)
国民政府の「官営」県政モデル―「蘭渓実験県」 ほか)
著者等紹介
高田幸男[タカダユキオ]
1961年生まれ。明治大学大学院文学研究科博士後期課程中退。現在、明治大学文学部教授
大澤肇[オオサワハジメ]
1977年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、人間文化研究機構地域研究推進センター研究員、(財)東洋文庫研究員。国学院大学文学部兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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