内容説明
〓(とう)小平、朱徳、葉剣英…、革命史に名立たる人物を数多く輩出しながら、中国共産党がその歴史から客家を排除してきたのはなぜか?客家を切り口として、現代中国の諸問題に迫る。
目次
1 客家の実像―歴史と革命の中で(客家伝説の誕生;客家のルーツを探る;客家社会の形成と発展 ほか)
2 「客家」再発見の旅―革命の故地で考える(はじめに―「客家」取材ノートから;四川省広安―〓(とう)小平「客家説」を追う
江西省井岡山―毛沢東と「客家の緑林」たち ほか)
3 対論 なぜ今、客家に注目するのか(矢吹晋×藤野彰)(土楼の起源について;中国共産党史から消された客家;日本、そして中国における客家認識 ほか)
著者等紹介
矢吹晋[ヤブキススム]
1938年、福島県生まれ。62年、東京大学経済学部卒業。東洋経済新報記者、アジア経済研究所研究員を経て、横浜市立大学教授(2004年定年)、横浜市立大学名誉教授。財団法人東洋文庫研究員、21世紀総研ディレクターなどを務める
藤野彰[フジノアキラ]
1955年、東京都生まれ。78年、早稲田大学政治経済学部卒業。同年、読売新聞社入社。86~87年、山東大学に留学。上海、北京特派員、シンガポール支局長、中国総局長などを経て、2006年より東京本社編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
日・月
5
客家の定義は様々で発生の時期にも異説があるのだが,おおよその特徴から“中国のユダヤ民族”と言われる所以がよくわかる。太平天国, 瑞金(中央ソヴィエト区), 長征などを通じて重要な地位を占めながら内ゲバにより粛清され消された客家と,鄧小平,李光耀のように宣伝された客家がある(本人たちの意思は別である)。福建省寧化県葛藤坑, 広東省梅州(世界の客都,葉剣英を紹介), 湖南省瀏陽(胡耀邦を紹介)…思わずGoogleMapを開いてしまう! 2010年発行, 福建土楼や各地風景写真のカラーページがほしかった。2023/08/08
八朔
0
中国における客家と呼ばれる人達の起源。また、彼らの扱われ方から見る中国の戦略など。2011/05/14