内容説明
『五十二病方』とは、馬王堆三号漢墓から出土した一五種の医方に関する文献の一つで、二枚の帛書にわたって五二の病に対する治療法の記載二七〇余方があり、それを総称したものである。現存する最古の中国医学文献で、字数は1万字弱に過ぎないが、そこには、医と呪が並存したであろう古代医学の処方が読み取れる。本訳注書は、執筆者らが、帛書が埋蔵された時の状況を推定し、詳細なる検討の積み重ねによって得られた新知見に基づき、中国研究者の復元作業上の誤りに訂正を加え、より正確な釈文・訳注を提示した労作である。
目次
諸傷
傷痙
嬰兒索痙
嬰兒病間方
狂犬齧人
犬筮人傷
巣
夕下〔ほか〕