出版社内容情報
著者が三〇年間に発表した中国現代文学に関する論文をまとめた論集。民国期、建国後、さらには八〇年代以降の文学状況の実地見聞を通じて、中国文学の二〇世紀を概観する。
内容説明
本書は、著者がおよそ三〇年間にわたって書きためた文章を、“革命”と“通俗”というテーマを基準としてセレクトして、時系列に配列した論文集である。そのため、掲載誌の性格、テーマの差異、発表時期の隔たりなどの条件の違いによって、各論文間における不統一や、現在の研究水準からのバラツキなど、不可避的な問題が残ることになったが、中国が「文革」から「改革・開放」へと激動する時期にあって、同時代的に文学方法上の転換を求めた試行錯誤の軌跡である。
目次
第1編 総論(現代中国文学研究の五〇年;“民国文学史”の構想と課題 ほか)
第2編 民国期の文学(反“俗”の文学集団―学衡派;“文芸大衆化論争”と瞿秋白の位置 ほか)
第3編 建国後の文学(蕭也牧と“建国初期”の中国文芸界;中国社会主義リアリズム体制の確立へ―胡風批判の一側面 ほか)
第4編 書評その他(中国現代文学研究の源流を発掘する―樽本照雄『初期商務印書館研究』;綿密で着実な郁達夫研究の成果―鈴木正夫『郁達夫―悲劇の時代作家』 ほか)
著者等紹介
阪口直樹[サカグチナオキ]
1943年大阪府生まれ。大阪市立大学文学部博士課程修了、文学博士。大阪教育大学助教授を経て、現在同志社大学言語文化教育研究センター教授
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感想・レビュー
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ken
3
本書を手に取った経緯を。「中国では古くから伝統的に文筆は政治的な手段だった」という前提のもと「現代中国文学も、結局のところ政治的手段なんでしょ?」と、魯迅くらいしか知らないくせに気ままな仮説を立てた。で、それをとある人に言ったら「それは流石に言い過ぎだろ?」と言われ、軽くムキになって手に取った本書。(とにかく現代中国文学を俯瞰した本がマーケットに少ない!)。で、結論。思った通り、中国では近代から現代に至るまで、文学はずっと政治的な手段でした。ってことが知れたので、明日件のあの人にドヤ顔で教えてやろう。2025/10/20
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