出版社内容情報
苦悩・悲嘆を訴えるすべのない「無告の民」に寄せる想いに基づく我が国の政治・外交への提言を収録。
内容説明
著者は歴史研究者のはしくれのつもりでいて、学術論文を書くときは、つとめて感情を殺して、冷たい文章と論理とを使っている。が、本来はとんでもない感傷家である。そして、歴史が好きなのは、歴史のなかの生きている人間が好きだからである。だから、そのような感傷をチョッピリ満足させるために、心をゆさぶった話や歌をチョコチョコと書きとめている。題して「無告之民」と言う。この「無告之民」は『書経』の「無告之民を虐げず」とあるのからとったもので、おのれの苦しさ悲しさをだれに訴えてよいのかわからない庶民のことを言うことばである。…「無告之民」の心は、いまも歌われている。
目次
1 ナショナル・コンセンサス論(日本の安全保障力をどう高めるか;非介入の論理 ほか)
2 日本のアジア政策(日本のアジア政策;反日論の構造 ほか)
3 無告の民(無告之民に国境はない;偶言四片)
4 満州と私(私の中の「満州」―異郷でも他郷でもない;わが人生、三つの「挫折」 ほか)
著者等紹介
衛藤瀋吉[エトウシンキチ]
1923年、旧満州奉天生まれ。東大法学部在学中、学徒動員で陸軍へ。広島にて被爆。復員後、東大法学部卒業。東京大学東洋文化研究所助手、東京工業大学助教授、東京大学教養学部助教授を経て、同教授。この間、コロンビア大学東アジア研究所高級研究員、プリンストン大学客員教授、ハワイ大学客員教授も務める。東京大学退官後、青山学院大学教授、亜細亜大学学長、東洋英和女学院院長を歴任。アジア政経学会理事長、アジア研究協会理事長なども務める。現在、東京大学名誉教授、北京大学客座教授。第一回吉野作造賞、第七回福岡アジア文化賞(学術研究賞)受賞。紫綬褒章・勲二等瑞宝章受章
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