内容説明
本書は20世紀初頭の30年間の米国に焦点を当て、社会的責任を求める経済的・政治的圧力、行政側の社会福祉政策の弱さ、社会主義の放棄、市場権力を獲得しようとする企業の冷酷な探求心、その結果生ずる企業の正当性に対する批判などの力が、どのようにして政治的・経済的システムの中で具体化されてきたかという、今日とて重要なテーマを把握しようとした労作である。
目次
米国資本主義の精神
新しい企業活動への挑戦―1920年代の企業的社会政策
経営管理論と企業の社会的責任
労働組合と企業の社会的責任
政治的制度としての企業
米国における資本家階級の変革(19世紀のイデオロギー;世紀の転換期におけるイデオロギーの変化;新しい経営イデオロギーの登場)
企業経営の歴史と変遷―1920年代から1980年代へ
著者等紹介
ミッチェル,ネイル・J.[ミッチェル,ネイルJ.][Mitchell,Neil J.]
現在、米国のニューメキシコ大学政治学部教授。同学部学部長を8年間、歴任。米国のノッティンガム大学、米国のインディアナ大学(政治学博士号取得)で教育を受け、アイオア州立大学、コーネル大学で教鞭を取る。研究関心領域は、企業と政治、企業の政治理論、企業活動と政治・政策との関係等々についてすぐれた研究活動をおこなっている。とりわけて、企業の社会性や企業権力に対する、政治学的・政策的視点からの分析には定評がある
井関利明[イゼキトシアキ]
1959年慶応義塾大学経済学部卒業。慶応義塾大学総合政策学部教授を経て、現在、千葉商科大学政策情報学部教授、学部長。社会学博士。専門分野は行動科学、マーケティング、政策論、科学方法論
松野弘[マツノヒロシ]
1947年生まれ。早稲田大学第一文学部(社会学専攻)卒業。現在、日本大学文理学部教授。企業の社会性や社会的役割、企業と環境問題に関する研究活動を活発に行い、産業社社会と環境社会の有機的連関の可能性を検討している
小阪隆秀[コサカタカヒデ]
1948年生まれ。日本大学商学部教授。同志社大学商学部卒業、日本大学大学院商学研究科博士後期過程満期退学。経営管理論・組織論専攻
合力知工[ゴウリキチコウ]
1962年生まれ。上智大学経済学部卒。同大学経済学研究科博士後期課程単位修得後、現在、福岡大学商学部助教授。経営戦略論担当
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