出版社内容情報
くりかえし襲いかかるペストを人びとはどのように克服したか?中世から現代にいたるペストの歴史を、医学、集合心性、習俗、芸術、経済、行政など多角的な視点からえがく。
内容説明
くりかえし襲いかかるペストを人びとはどのように克服したか?中世から現代にいたるペスト史を多角的な視野のもとにえがく。
目次
序論 集合意識のなかにあるペスト
第1部 黒死病(忘れられていた災禍;起源;原因となる天空と大地 ほか)
第2部 ペストとともに生きる(災禍の常在化と反復;同じ原因で…;…同じ結果 ほか)
第3部 啓蒙の世紀のペスト(1720年のマルセイユ;ペスト患者;惨劇の結果 ほか)
感想・レビュー
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カール
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ヨーロッパ全域に広まったペスト菌はフランスにパンデミックによる街は荒廃し、農民の不足によって食料品の高騰を招き、集団パニックによるユダヤ人の迫害まで引き起こした。この本は中世に発生した最初のペスト流行から近世に至るまでのフランス国内のカオスな状況や医療の実態、文化について書かれている。数世紀に渡って続いたパンデミックの果てに治療方法や隔離政策が生まれていく過程が中々興味深い。とても近代的とは言えないものの、保健所の誕生やペスト医師の奇抜な恰好とその杜撰な治療方法も、防菌意識が生まれたからこそだ。2016/02/29
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- 和書
- ただ、それがある