内容説明
マレーシアの「ルック・イースト政策」や、シンガポールの「日本に学べ運動」は、以前の反日的な感情とはだいぶ違った印象をあたえる。しかし、ほめられる時こそ、私たち日本人にとって最も警戒すべき時である。―東南アジア史研究の第一線で活躍する著者の自叙伝的エッセイ。
目次
第1部 「そら似」でもなかった他人―なぜ日本人が東南アジア史を学ぶのか(東照宮とジャワのカンポン;日本の基層文化―東南アジアとの比較;国家の内容と形式―インドと中国の影響;家族と村落;塔とパゴダ)
第2部 東南アジアとの体験的学術交流(しごき・いじめ考;なんじ自身を知れ;束の間の陽光;マレーシアの苦悩;マニラの油照り;シンガポールが問うているもの;岡村昭彦への挽歌)
第3部 東南アジア研究に志したころ―アメリカ留学時代の回想(インドネシア語研修の想い出;ベンダ追悼;エコルズ追悼)