出版社内容情報
「開発援助」を「開発金融の民営化」と「開発金融の国際化」という歴史的文脈のなかで検討し、世銀のグループ化の論理を東西対立と南北問題が交差する流れのなかで解明する。
内容説明
第三世界経済の「救世主」や「解放者」としての名誉に浴してきた世銀が本来担当するはずであった「開発援助」問題の起源をブレトン・ウッズ会議にさかのぼって検討するとともに、「開発援助」の本質を明らかにしようと努める。さらに、「開発援助」が「開発支援」に衣替えさせられた論理を冷戦と南北問題とがクロスした流れのなかに探ることを通じて、「開発援助」をいかに表記すべきかという名称問題が1950年代半ばに登場してきた歴史的背景とその意義を解明する。
目次
序章 世界銀行と南北問題
第1章 世界銀行と世界開発問題の政治経済学
第2章 国際金融公社の設立とアメリカの対外援助政策
第3章 国際開発協会の設立と「開発金融の国際化」
第4章 国際開発協会の設立と南北問題
第5章 戦後アメリカの対外援助政策の展開と世界開発問題
第6章 南北問題と国際通貨システム