出版社内容情報
植民地時代から現在まで約一世紀にわたる「アフリカの巨人」ナイジェリアの経済史の一断面を巨大多国籍企業“連合アフリカ会社”に視点を据えて分析、考察する。
内容説明
植民地時代から今日にいたる「アフリカの巨人」ナイジェリアの歴史を、巨大多国籍企業に視点を据えて考察。
目次
序章 「合法的商業」時代の開幕
第1部 植民地体制の確立と二大商社の成立(王立ナイジャー会社の成立;アフリカ東方貿易会社の成立)
第2部 産業資本の介入と二大商社の合同(ユニリーヴァ社の成立と西アフリカ進出;連合アフリカ会社の成立と独占体制の確立)
第3部 植民地体制の崩壊と連合アフリカ会社(貿易商社から複合企業への転身)
感想・レビュー
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印度 洋一郎
2
アフリカの大国ナイジェリアの経済を数世紀間、事実上支配している巨大企業「連合アフリカ会社」の歴史。元々は19世紀初め、それまで行われていたギニア湾岸の都市国家との奴隷貿易が非合法化された後、イギリスの商人達が新たなビジネスとして着目したパーム油貿易に端を発する。このビジネスが拡大する過程で、商人達の間で王立特許会社設立の要望が強まり、周辺のフランスやドイツとの商圏範囲の画定を行うためにナイジェリアの植民地化が行われる。しかし、イギリス本国は、当初植民地化するコストにベネフィットが引き合わないと消極的だった2023/08/22