感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
43
こちらも『若い人の絵本』のシリーズ。名作「野ばら」含め七つの短編集。「からすの唄うたい」のカラスとおじいさんの繋がりにほっとし、「隣村の子」「おさくの話」「ゆずの話」には小川未明の貧しいもの小さいものに対する優しさを感じました。扉絵と各ページの意匠は福音館書店の『セロひきのゴーシュ』の茂田井武。素朴な中に優しさがありとても良かった。谷内六郎に大きな影響を与えたとのことです。読まれて欲しい一冊です。2020/06/18
のせ*まり
31
短編が8篇収録された童話集。表題作『野ばら』との出会いは小学生の頃に聞いた朗読カセットテープだった。当時を懐かしむように、ゆっくり、1日1話大切に読んだ。今の時代の子供たちに読み聞かせるにはちょっとしんどいかもしれない。言い訳もせず、真面目に働く貧しい弱者を描いている。世の中の『無常』を描きながらも見守る優しい目線が、彼の描く『月夜で子供たちを見守る優しい星たち』や『奉公先を斡旋してくれる優しい植木屋』と重なる。2017/03/20
ヒラP@ehon.gohon
24
「野ばら」や、「月夜と眼鏡」のような、味わいのある既読作品の他は、どれも初読作品ばかり。 幻想的な作品もあるのですが、人情味たっぷりのほのぼのとした作品や、予見できない未来を憂える作品と出合うことが出来て、小川未明の作品の奥深さを感じました。 「からすの唄うたい」、「ある夜の星たちのはなし」、「雪くる前の高原の話」、「雪来る前の高原の話」、「隣村の子」、「おさくの話」、「ゆずの話」、どれもお薦めの作品ですが、「雪来る前の高原の話」、「おさくの話」に特に心を打たれました。 2021/01/18
どら母 学校図書館を考える
13
ラジオ深夜便アーカイブの朗読で聴く。 そうそう、紙芝居がありました。2018/08/10
べるめーる
13
こどもの頃から小川未明さんの童話が好きでした。ページの四方に挿絵があるレトロでメルヘンな装丁も素敵。この本には8本の童話が収録されています。「野ばら」「おさくの話」「ゆずの話」など、どれも少し切なくてあたたかい。ピュアな気持ちになれる本です。2013/07/13