出版社内容情報
雪の町に生きる女流作家が雪にまつわる人生をつづり、国際的彫刻家が重厚な絵を描く。 SLA選定/JLA選定/72年度第2回SLBC選定(中学・高校)/小学館文学賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
46
雪と言う真綿に包まれてずっと人の目から遠ざけられ、葬られたと言うより守られた場所・・・という印象を受けた。生活音を吸い込んでしまうような雪は時に優しく時に厳しく時に恐怖を感じるほど怖い存在となる。今、雪に包まれた北海道に住む私は、その雪が懐かしさを呼び覚まさせる感じしょっちゅう体験する。魂が懐かしがっているのか。暮らしのヒトコマを切り取ったような物語。その一つ一つに匂いがあり温もりがあり音がある。雪と音は切っても切れない関係に思うのは私だけかな?児童書と言うよりも大人向けの物語。また雪の季節手に取りたい。2012/01/28
mntmt
24
とても良かった。短編集。雪降る町の景色や登場人物の心の動きが上品に美しく描写されています。児童書みたいですが、これは、年齢関係なく楽しめると思いました。2016/02/06
ヒラP@ehon.gohon
20
新潟の上越市が、まだ統合される前の高田市だった頃を背景に描かれた断片集です。 遠い昭和の香りとひなびた風景が想い起こされて、短編集ながら、しみじみとしてしまうのは郷愁でしょうか。 雪国高田の冬は、限りなく孤独と命と自然界とに、自分を向き合わせる場所だったような気がしました。 幻想的に描かれたそれぞれの物語に、奥深さがありました。2023/04/24
みさどん
20
雪にまつわる短編集。雪深い土地の生活を知らないので、じーんとしたものばかり。雪には老婆が合うと後書きにある通り、おばあさんの生き様がある話が多かった。雪国の人は、寒さに苦しんだり命の危険を感じたり、雪と生活を共にする覚悟みたいなものがあって、その奥深さが感じられる一冊。南からスキーで行って冬の世界を楽しむというのがもうしわけない気がしてしまった。2016/12/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
新潟県の高田市(作者の生まれ故郷 現在は合併して上越市)が舞台。日本でも特に雪深い土地です。雪国にまつわる短編が15話。モノクロの挿絵が雪深さのイメージを拡げます。 【第21回 小学館児童出版文化賞】2020/01/10