感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペイトン
11
1825年にロシアで起こった青年将校によるデカブリストの乱。 このクーデターは失敗に終わり彼らはシベリアへ流刑の身となります。 その時離縁する事も出来たのに妻たちは夫の後を命がけで追いました。 この史実を詩人ネクラーソフが詩編にしたものの抜粋がこの絵本です。 いわさきちひろのモノクロの絵が深く胸に残ります。2015/06/03
何ひこ
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時代背景がじんわりと強く伝わってくる絵本でした。登場人物の感情がとても伝わってきました。今回理解しきれなかったところも含めてのちのち全編読んでみたいです。2012/05/27
renkon
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自由主義の流れや当時のロシアのツァーリズム、民衆の抱える苦しみと理不尽な扱いを背景に、人間として生きる熱量を強く描いている。 ここで描かれる愛は、単なる恋愛感情ではなく、限りなく深く尊いものとして何にも代えがたい生きるということを表していると思う。 それは、時代の苦難を共有し、共に生き抜こうとする覚悟と献身の象徴であり、人間の尊厳や信念への献身をも意味する。 夫を追う彼女らの選択は、個人の幸福を超えた普遍的な価値を示しており、抑圧的な時代におけるネクラーソフの静かな抗議にも見える。2024/12/29