出版社内容情報
だれの心ももともとは、すみきった青い空だったにちがいない。青空には、国籍もなければ、差別もなく、偏見もなく、いじめもなく、戦争もない。日本と韓国、日本と朝鮮半島の間で、過去になにがあったのかを、子どもたちに正しく話すことができる大人になってほしい。そして、過去にあったことがいまなお差別やいじめをうむ根っこを断ち、ひとりひとりの違いを認め、受け入れ、尊重しながら共に生きる社会をつくってほしい。そんな作者の願いが込められた作品。
「わからないだろうなぁ、日本社会で、自分が日本人であるということを、砂つぶひとつほども疑ってみたことのないだろうあなたには、到底、わからないでしょう。ま、わからなくて、当たり前だけれど。」在日朝鮮人二世の男性との出会いが中学生・空奈の心を大きく揺さぶった。「日本社会にはね、朝鮮人に対する根強い差別があるんだね。昔は仲良くつきあっていたこともある両国なのに、なぜなんでしょう。」差別。いろんな差別。腹立たしい差別。醜く、根強い差別。「日本をいい国にしていくためには、差別や偏見や憎悪のない社会を作っていかねばならないのだと。大人にはもう何も、期待していなかった。でも、子どもたちには期待していた。これからの日本を作っていくのは、子どもたちだから……」こんなこと、学校では教えてくれなかった。けれども「教えてくれなかった」ことは「知らなかった」の言い訳にはならない。みずから、知ろうとしなくてはならないのだ……。母が韓国人である、ただそれだけの理由でいじめられた少女。車椅子の少年が日本を離れアメリカで感じた自由。三つの短編が織りなす、差別のない社会を希求する力強い物語。
内容説明
「わからないだろうなぁ、日本社会で、自分が日本人であるということを、砂つぶひとつほども疑ってみたことのないだろうあなたには、到底、わからないでしょう。ま、わからなくて、当たり前だけれど」在日朝鮮人二世の男性との出会いが、中学生・空奈の心を大きく揺さぶった。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年、岡山県備前市生まれ。小説家。同志社大学法学部卒業後、出版社勤務、学習塾講師、書店員、フリーライターなどを経て、1992年より現在までアメリカ在住
堀川理万子[ホリカワリマコ]
1965年、東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修了。絵本『海のアトリエ』(偕成社)で、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、講談社絵本賞、小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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