出版社内容情報
ママが出ていってから、1年以上。修人は、むしゃくしゃした気持ちをおさえられず、らんぼうでいじわるな子になってしまった。
そんなある日、科学館の3Dプリンターでつくった修人そっくりのフィギュアに、修人がおしこめてしまったやさしい気持ちがながれこみ、意思を持ってうごきだした。
フィギュアは、修人のふでばこの文房具たちと仲良くなり「ボーイ」という名前をもらう。ボーイは、ふでばこの住人たちと力をあわせて、修人をたすけるための冒険をはじめる……!
内容説明
あることをきっかけに、すっかりらんぼうものになってしまった修人。修人のやさしさを取りもどすために、ふでばこのくにの住人たちが、立ちあがる…!
著者等紹介
村上しいこ[ムラカミシイコ]
三重県生まれ。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で日本児童文学者協会新人賞、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)でひろすけ童話賞、『うたうとは小さないのちひろいあげ』(講談社)で野間児童文芸賞、『なりたいわたし』(フレーベル館)で産経児童文化出版賞ニッポン放送賞を受賞。松阪市ブランド大使
岡本順[オカモトジュン]
愛知県生まれ。絵本作家、イラストレーターとして活躍。絵本『きつね、きつね、きつねがとおる』(ポプラ社)で第17回日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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遠い日
4
すっかり変わってしまった修人を心配して、修人の筆箱の中の文房具たちが彼を助けようと動き出す。修人そっくりなフィギュアのボーイは修人の記憶が残っているが筆箱の中の文房具たちとは食い違っているようだ。修人の苦しみと、修人の父母の厳しい経緯が見えてくると錯綜するテーマに少々身構える。無謀な計画の冒険の果て、続くアップダウンの激しさに大人たちの勝手な事情が腹立たしい。修人のストレートな懇願があまりにも切なくて、子どもにこんなことを言わせてはいけないとさえ思った。ラスト数ページの疾走感が救いでした。2024/03/24