出版社内容情報
ママが出ていってから、1年以上。修人は、むしゃくしゃした気持ちをおさえられず、らんぼうでいじわるな子になってしまった。
そんなある日、科学館の3Dプリンターでつくった修人そっくりのフィギュアに、修人がおしこめてしまったやさしい気持ちがながれこみ、意思を持ってうごきだした。
フィギュアは、修人のふでばこの文房具たちと仲良くなり「ボーイ」という名前をもらう。ボーイは、ふでばこの住人たちと力をあわせて、修人をたすけるための冒険をはじめる……!
内容説明
あることをきっかけに、すっかりらんぼうものになってしまった修人。修人のやさしさを取りもどすために、ふでばこのくにの住人たちが、立ちあがる…!
著者等紹介
村上しいこ[ムラカミシイコ]
三重県生まれ。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で日本児童文学者協会新人賞、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)でひろすけ童話賞、『うたうとは小さないのちひろいあげ』(講談社)で野間児童文芸賞、『なりたいわたし』(フレーベル館)で産経児童文化出版賞ニッポン放送賞を受賞。松阪市ブランド大使
岡本順[オカモトジュン]
愛知県生まれ。絵本作家、イラストレーターとして活躍。絵本『きつね、きつね、きつねがとおる』(ポプラ社)で第17回日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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☆よいこ
80
児童書。文房具たちの世界「ふでばこのくに」は共感の世界▽3Dプリンターで修人(しゅうと)そっくりに作られたキーホルダーのボーイは、もち主の修人と同じ記憶を持っていた。父は繊細な人ですぐに自分の殻に閉じこもり泣くので、母は修人を置いてひとりで出て行ってしまった。新しい家族といる母を見かけて、修人は悩み苦しんでいた。ボーイは修人を助けたい思う▽両親の離婚、虐待など大人の都合で傷つけられる子どもの話はつらい。大人が変わらないのに子どもに成長を期待されてもね、夢があるようで夢がないよね。2024.2刊2024/08/08
遠い日
6
すっかり変わってしまった修人を心配して、修人の筆箱の中の文房具たちが彼を助けようと動き出す。修人そっくりなフィギュアのボーイは修人の記憶が残っているが筆箱の中の文房具たちとは食い違っているようだ。修人の苦しみと、修人の父母の厳しい経緯が見えてくると錯綜するテーマに少々身構える。無謀な計画の冒険の果て、続くアップダウンの激しさに大人たちの勝手な事情が腹立たしい。修人のストレートな懇願があまりにも切なくて、子どもにこんなことを言わせてはいけないとさえ思った。ラスト数ページの疾走感が救いでした。2024/03/24
いっくる
2
ある日意識を持つようになった3Dプリンター作られたフィギュアは、ボスのために、ふでばこの仲間たちと行動する。 両親の離婚で傷付く子どもがボスなんだけど、離婚で傷付くというより、ママと会えなくなったことで変調をきたしてるんだな。子どもなりに両親の離婚は仕方ないと思えるのかもしれない。大切なのはその後のフォロー。 面白かったです。 ふでばこのくに、本当にあったら面白い。いれておいたはずの鉛筆がなくなっていることってあるよね。それって、勝手に動いているのかも。そう考えると面白い。2025/01/29
るりねこ
1
パパとママの間の関係性で悩む僕。いつまでも変わらない問題だけどファンタジーのちからで良い方向に。安心感タップ。2025/02/19