出版社内容情報
亡くなったおばあちゃんの老犬ハニーを引き取ったふたば。病気になったハニーをふたばは必死に看護するが…命を見つめる感動作。ふたばのおばあちゃんが亡くなって、ハニーという老犬を引き取ることになりました。そうしなければ保健所などにつれていかねばならないので、ふたばがお母さんを説得したのです。しかし、やがてハニーは重い病気になってしまいました。獣医の先生に相談し、ふたばは両親とともにいっしょけんめい看護しますが、別れの時が近づいてきます。ふたばは、ハニーのために何ができるか必死に考えました……「命」を見つめる感動作です。
楠 章子[クスノキ アキコ]
著・文・その他
松成 真理子[マツナリ マリコ]
イラスト
内容説明
いっしょにいてくれて、ありがとう。かけがえのない存在に出会えた、しあわせ。命のあたたかさがつたわる感動作です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルちゃん
42
命を預かるということや、どうお別れするのか、という事が子供に分かりやすく、現実的に書かれていた。動物を飼いたいと言う子供に、まず読ませてみると良い本だなと思う✨表紙のハニーがとても可愛い🥰🥰 2021/04/24
chiaki
39
亡くなったおばあちゃんの愛犬であり老犬のハニーを引き取ることを懇願したふたば。老いとともにどんどん蝕まれていくハニーの命と懸命に向き合い、手を尽くすふたばたち家族に、読んでいて昔家族として共に過ごしたビーグルを思い出し思わず涙が込み上げる。あのときこうしてあげればよかった、こんな言葉を掛けてあげればよかった…後悔ばかりが今も残っています。晩年、おばあちゃんに拾われ、ふたばたち家族に迎えられたハニーは本当に本当に幸せだったと思います。ふたばちゃん、ありがとう。この一冊、たくさんの方に手に取ってもらいたいです2019/05/27
道楽モン
22
この読書メーターでの紹介によって、今まで手を付けていなかった絵本や児童書の世界に誘われてしまった。感謝しています。そして本書もまた、純粋な物語に感涙を禁じ得ない。ペットの看取りに関する物語は、それこそ古今東西に溢れているけれど、どれも本質的に「死」についてどう対峙するか、ついては生命や世界をどう捉えるかの問題に行き着く。とてもわかり易い物語ではあるが、単なる感傷のクリシェではなく、それぞれに意味のある一期一会の物語なのである。我々も各自が一度限り、自分の生にどう落とし前をつけて幕を引くかを問われている。2024/02/28
りらこ
19
突然亡くなった祖母が残した犬ハニー。孫のふたばはなんとかしてそのハニーを引き取りいっしょに暮らすことにふる。しかしハニーは老犬。癌が見つかり....自分が愛犬の死と向き合ったあの日を思い出し、辛さがたまらなかった。子どもが死にゆく小さな命と向き合うことはとても大切なんだろうな。口のきけない存在が辛さしんどさを抱えながら、家族に感謝している様子。尽力する家族たちの心にも思いを寄せられるふたばの心の成長。王子王女のように育てられている今の子どもたちにも読んでもらいたい一冊。2019/01/27
ヨシ
12
実に良い話である。ハニーは亡くなった祖母の飼っていた老犬。小学生のふたばが保健所行きになりそうなハニーを家に引き取ることが前半の山場。そしてハニーがガンにかかり看取ることになる後半の物語は、ペットを飼っていれば必ず直面すること。祖母とハニーの死を対比させながら、生命の大切さとそれに関わる責任を描いているこの児童書は、教科書に採用してほしいほどすばらしい。我が家のわんこもおばあちゃんになってきた。他人事(他犬事)ではなく胸に迫る。ペットは可愛いだけでなく、生命を預かる責任がある。幸せな看取りをしていきたい。2024/01/21