著者等紹介
蔡皋[ツァイカオ]
1946年長沙生まれ。湖南省第一師範学校を卒業し、農村の小学校で教鞭をとる。その後、湖南少年児童出版社で編集にたずさわり、2001年以降は絵本の創作に専念。『パオアルのきつねたいじ』(徳間書店)で、1993年第14回BIB金のりんご賞を受賞
〓子[アオズ]
1971年緑口鎮生まれ。1994年中央美術学院卒業。現在は湖南大学デザイン芸術学院の副教授として、後進の指導と絵本の創作に力を入れている
中由美子[ナカユミコ]
長崎市生まれ。日中児童文学美術交流センター理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
86
他館図書館本。 タイタルからいつものように悪の日本軍が中国の美しい街を焼き払う話がと思いきや違った。自分の国を焼き払うなんて…、満州へのソ連侵攻時に日本軍がやった悪行はあちこちで起きていた模様。2023/08/02
keroppi
62
図書館にて。日中戦争の最中、ひとつの町が焼けてしまう。モノクロで描かれる、町の賑わいと焼け野原。中国から見た日本の非情さ。戦争の悲劇。2019/07/31
takaC
48
ブラティスラヴァ世界絵本原画展にて読了。本編では町に火を放ったのは日本軍のように書かれていたが、巻末の解説には火をつけたのは国民党軍だとあった。どっちにしても町は焼けてしまった訳だが。2019/03/03
たまきら
25
人々の大切なものを奪う戦争という行為は、どんなに美しい哲学があろうともどんなに耳に聞こえの良い言葉で正当化しようとしても、醜い。どこかの女性が、あの苦しみを乗り越えて産み育てた子どもたちが、ぽかんと殺されたり、殺したりする。苦労して作り上げ、大事に守ってきた町や財産や歴史が、たった一晩でなくなる。…昔世界中を旅してきたヒッピーのおばちゃんに世界で一番素晴らしかったところはどこ?と聞いたら、バグダッドだね。砂漠の中の蜃気楼のような美しさだったよ…と言ってた。想像できない私に愕然とした。2016/03/01
遠い日
17
日・中・韓平和絵本シリーズ。このシリーズは目を背けたくなるような現実も、きちんと描くところにそのよさがある。真実を伝えようとする真摯な姿勢に頭が下がる。描かれた戦争の過酷で悲惨なできごとを、みんなで共有し、未来の幸福を共に掴もうとする思いに打たれる。焼かれた町のそばを変わらず流れる川は、全てを見ていた。2015/07/12