内容説明
朝鮮半島の非武装地帯の四季を見つめ続けるおじいさんの平和への思い。日・中・韓の絵本作家がおくる平和絵本。
著者等紹介
イオクベ[イオクベ]
1960年京畿道龍仁市生まれ。弘益大学彫塑科卒業。韓国で初めてブラティスラヴァ世界絵本原画展にノミネートされるなど、韓国を代表する絵本作家のひとり
おおたけきよみ[オオタケキヨミ]
1969年埼玉県生まれ。白百合女子大学大学院修士課程修了後、日韓文化交流基金訪韓フェロー、大韓民国政府招聘留学生としてソウルで学ぶ。東京純心女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
283
イ・オクベ作(絵も文も)。京畿道龍仁市(ソウルの南東)の出身。38度線の非武装地帯の春夏秋冬を描く。そこに描かれる動植物などの自然はいたって牧歌的である一方、常に兵士たちがいて臨戦態勢に置かれている(この絵本ではあまり緊迫感は感じられないが)。1953年に閉ざされた鉄条網を開け放つところがハイライトなのだが、甘さは否めない。絵は人物造型が幾分マンガっぽいような気もするが、動物たちと自然はのびやかである。さて、これで日本の子どもたちにアピールするだろうかと、やや心配になる。2023/09/28
Aya Murakami
77
他館図書館本 春夏秋冬が巡り、美しい大自然の中、自由に国境線を移動する野生の命たち…。ひたすら軍事訓練する二足歩行達との対比が悲しい。そしてあちこちに見える地雷とか危険とかの標識が「ここがどんな場所」であるかを物語る。 ちなみに38度線のトンネル(北朝鮮が掘ったらしい)にウチの親父が行ったそうな…。韓国の歓楽街へ遊びに行こうとしたのかな(そんなわけあるか!)2023/02/22
yomineko@猫と共に生きる
65
読み友様からのご紹介本です📙南北半島間にある非武装地帯(DMZ)にも美しい季節がやって来る。元は1つの国だった。動物たちは南も北もなく自由に行き来している。彼らを見習うべき!彼らの方がよっぽど賢くて知的。人類は知的生命体と言うが知にヤマイダレ付けた方が似合う。地球の大地はみんなのもの!!!それが何故分からないのか物心ついた時から不思議に思っていた。2023/10/03
たまきら
40
読み友さんの感想を読んで。最初に非武装地帯ーDMZ(DeMilitarized Zone)を知ったのは、チェルノブイリなど人間の進入が禁止されている地帯の自然環境についてのドキュメンタリーを見たときです。けれどもその時には生物多様性にまできちんと目を向けることがなかった…と、改めて美しく描かれた動植物を見て感じ入りました。また、分断された土地の記憶と人間の描写もされている素晴らしい内容です。…表紙には地雷なども描かれているんですが、もう少し丁寧な説明がついていてもいいかな、とちょっと思いました。2024/03/16
けんちゃん
23
日・中・韓平和絵本の1冊。38度線を境に両側2キロの地帯が非武装地帯。鉄条網と地雷、人の入らない鬱蒼とした区域は自然の宝庫に…とても皮肉です。この地域に平和が訪れるのはいつのことでしょう。閉ざされた鉄の扉が開かれ、自由に入れる日が一日も早く来るようにと祈って止みません。ボロボロの鉄かぶとから伸びるタンポポ、朽ち果てた列車(?)から顔を出すウサギ…象徴的で胸に刺さりました。2012/05/24