出版社内容情報
だいとうりょうが さけぶ
せんそうが はじまる
でも ぼくは いかない
いくのは ロボットのへいたい
ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、ぼくたちは安心して暮らしているはずだった。
非戦と平和への願いを込めて、詩人・内田麟太郎が描く近未来とは──。
内容説明
非戦と平和の願いを込めた同時代のあなたにおくる近未来の戦争を描いた物語。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県大牟田市生まれ。絵本作家、詩人。1985年にデビュー作『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん賞を受賞
nakaban[ナカバン]
1974年、広島県生まれ。画家。絵画、文章、映像作品などを発表している。新潮社の「とんぼの本」シリーズのマークなど、ロゴデザインを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
80
戦争絵本。過去の戦争ではなく「今」の戦争の姿を描く▽戦争がはじまる。戦争に行くのはロボットとドローン「ロボットをかえないちいさなくにへ ドローンをかえないとおくのくにへ せめていく」自分たちは死なない殺さない。増えていく数字に歓喜し勝利の旗を立てていく。だけど突如見せられた「戦争の本当の姿」に人は涙を流す。ロボットだった心は人の心に戻るのだろうか▽「敵か味方かという、二分法を越え、国境なきにんげんになろうよと。ひとに会いに行く」良本。2024.6刊2025/02/26
馨
51
絵本。内容を知らずに読んだから衝撃的でした。未来の戦争の話?今の戦争の話?これを読むと、現代人は戦争と無関係とは決して言えないよなぁと感じました。先の大戦から長い年月が経って戦争経験者がいなくなりつつある現代では、本当に戦争すること、戦争で勝つことはリアルさに欠け、ゲーム感覚な人もいるのかもしれない。2025/06/14
ほんわか・かめ
23
感情を持たないロボットやドローンで攻撃する。相手が泣き叫び逃げ惑おうと容赦なく。現代の、そしてこれからの戦争はこうなっていくのかもしれない。気分の良くなる数字しか発表されず、自国ではみんなが遊び呆ける。戦争が人の命を奪っていることに無関心なのだ。まるで人間のほうが感情を持たないロボットになってしまったかのように。人の痛みに気づけないのだから戦争なんか終わるわけがないよね。〈2024/童心社〉2024/08/06
Cinejazz
22
〝大統領が叫ぶ 戦争が始まる でも、ぼくはいかない いくのはロボットの兵隊...聞こえてくる すこしずつ すこしずつ 親を呼んでいる 子どもの声が...おかあさ―ん...涙を流さないロボット 涙を流すぼくたち 殺すことをためらわないロボット ためらうぼくたち すこしずつ すこしずつ ぼくたちは ひとに もどっていく・・・〟ドロ―ン・AI戦争での殺戮がやまない世界を嘆き悲しむ、詩人・内田麟太郎さんが描く平和の理念。2024/12/06
みさどん
18
AIが作戦を立てドローンがミサイルを運びアンドロイドが戦闘にいく。そんな戦争が今後予想されるかもと思っていたら、そんな少し未来の話。機械で小さな国を襲う戦争。こちらの国には死ぬ人はいない。だから冷静に見つめられる。相手の国を見て考えることで、人として涙を流せるようになる。怖いなあ。人間同士、争う場合じゃないだろう。2024/09/26