出版社内容情報
さむい冬のある日。地球の北のほうにある海の氷の上で、タテゴトアザラシのあかちゃんがうまれました。おかあさんはあかちゃんに、アニューとなまえをつけました。アニューは、おかあさんのおちちをのんですくすくそだちます。ある日、おかあさんがうみにでかけると……。
アラスカに滞在して制作をする絵本作家・あずみ虫が描く、野生動物たちの物語。小さな子どもから楽しめるストーリーで、動物への興味の入り口となる絵本です。アザラシのあかちゃんが一生懸命に成長する姿を、親しみやすいイラストで描きます。巻末には、アザラシの生態を解説するページも収録。
監修協力:村田浩一(よこはまズーラシア動物園園長)
内容説明
あかちゃんアザラシのだいぼうけん!アラスカでくらすあずみ虫が描く野生動物のおはなし。
著者等紹介
あずみ虫[アズミムシ]
1975年神奈川県生まれ。絵本作家、イラストレーター。安西水丸氏に師事。アルミ板をカッティングする技法で作品を制作する。2010年講談社出版文化賞さしえ賞受賞。絵本『わたしのこねこ』(福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。写真家・星野道夫氏への憧れと野生動物への関心から、2018年よりアラスカに通い始め、現在はアラスカと日本を行き来しながら、作品を制作している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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k sato
67
「タテゴトアザラシ」でググろう。真っ白な密毛に覆われたタテゴトアザラシの赤ちゃんは、生後2週間で親離れします。そして生後4週間目には自力で海に入り、北極海を目指して旅に出るのです。そんなタテゴトアザラシの母子を描いた絵本。哺乳類によって乳離れする時期がこんなにも違うのかと驚きました。母子が鼻を近づけて互いの匂いを記憶する様子は尊いものでした。一方で、タテゴトアザラシの育児に必要な海氷のベビーベッドが減少しています。可愛さの裏にある残酷な現実。赤ちゃんの画像を見て涎垂らしている場合ではなかったです。2024/06/29
とよぽん
65
タテゴトアザラシの赤ちゃんアニューが生まれて成長していく様子が語られている。あずみ虫さんの作品を初めて読んだ。タテゴトアザラシの子育ては2週間で終わるって! 厳しい自然の中で生きていけるようになるには、自分でえさを取ることや天敵から身を守るすべも身に付けなければ・・・。「あなたの けのいろが はいいろに かわったら、ほっきょくに むかって およぎはじめなさい」おかあさんの言葉がせつない。子離れの辛さが沁みた。2024/02/15
Totsuka Yoshihide
59
あずみ虫作、(2023)、『アザラシのアニュー』、童心社。第70回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(小学校低学年の部)。あずみ虫さんのアルミ板をカッティングする技法で作品を制作されている。2018年からアラスカに通い始め、1年の半分はアラスカで過ごしているとのこと。あとがきにあるように温暖化の影響が様々な場面ででているようだ。タテゴトアザラシの子育てには海氷がいることなどを本書で知った。生まれて2週間での親離れにびっくり。毛の色の変化も知らなかった。2025/04/02
yumiha
48
驚いたのは、生後2週間で親離れしなければならないタテゴトアザラシの生態。もしかしたら親離れ最短の哺乳類かも。一人で(人と違うけど)エサを手に入れて、オソロシイ敵たちから逃げなければならない。おそらく命を落とす個体もいるだろうな。こんなにキビシイ子ども時代とは‥。さて、作者のあずみ虫さんは、1年の半分をアラスカで過ごされているそうな。そこで温暖化がもたらす北極の生き物たちの姿を目の当たりにしたのが、本書のきっかけだったのかもしれない。2024/12/20
まるす
34
ほんわか絵本かと思ったら親離れと冒険、環境の絵本だった。アニューの旅を見守った後なら、温暖化について他人事じゃないように感じられる。2024/08/05
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